自己愛性パーソナリティ障害の者への対応方法
親が「〇〇ができたら✖✖してあげる」などと、条件付きの愛情を示されて、なんとか自分が特別の存在にならなければと自尊感情を肥大させてきました。
幼い頃は個性と思われていても、それが放置されると、自己愛性パーソナリティ障害になっていくのでした。
では、この障害に陥った人に対して、どのように対応をしていけば良いでしょうか?
〇本記事のテーマ
自己愛性パーソナリティ障害への者への対応方法
〇今日はこの話です。
①自己愛性パーソナリティ障害の特徴とチェック法(一昨日) ②自己愛性パーソナリティ障害の原因(昨日) ③自己愛性パーソナリティ障害の者への対応方法(本日) ④自己愛性パーソナリティ障害の支援(明日)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。30年以上、悩みの相談をうけてきました。
〇読者への前置き
さまざまな職場でお悩みになっている方が多いのではないかと思います。まず、自分を守ることが大切になります。
自己愛性パーソナリティ障害の者への対応方法
【うまくやっていくための最低条件】
・利用されない 自己愛性パーソナリティ障害の人は、とにかく周囲を利用することが見られます。その場合に、利用されないように、自分を余り見せることは控えることが大切です。
・言い訳をすると攻撃にあう こちらが誤った時に言い訳をすると、こちらの弱みを見つけたとばかりに、自己愛性パーソナリティ障害の者は、自尊心を大きくして徹底的に攻撃をしてきます。
・とりあえずに相手の自尊心に合わせておく 自己愛性パーソナリティ障害の人に反論すると、「面目丸つぶれ」の状況になり、激怒をする場合あります。
・相手が間違っても様子を見ながら指摘をする 自尊心の肥大が自己愛性パーソナリティ障害の特徴なので、相手の自尊心を傷つきを考えながらの対応が肝心になります。
・否定したり、見下すような態度を取らない 否定したり見下すような態度をとると、自尊心の傷つきから相手が激怒をする場合があります。注意が必要です。
【対決をするとき】
・仲間を増やすこと 自己愛性パーソナリティ障害の肥大化した自尊心を嫌悪している人が多いと思います。 仲間を増やして、対応を考えることが大切になります。また、スパイを送ったり、上司の場合は人事権を振りかざしてくる場合があるので、その場合は下記の通りに弁護士などを味方につけると良いでしょう。
・記録をしっかりと取る 暴力を振るったり、罵倒や侮辱をする場合など、いわゆるパワハラに陥った場合は、ボイスレコーダー、録画、日時時間を入れたメモ書き等で記録を残しておきましょう。
・弁護士などに相談をする 弁護士などに相談をするのも一つの手です。人事権や、給料に関する権利を乱用するなど、いよいよの場合は法的手続きを視野に入れることも必要になります。
【治療をするとき】
・(難しいが)医療機関を受診する 自己愛性パーソナリティ障害の高圧的な状況が止まず、また、暴力などに及んだときは、説得をして医療機関を受診させましょう。一般に1年から3年の治療が必要になります。
・薬を処方すると、3割が改善する 気分の波については「ブルプロ酸ナトリウム」、衝動性に対しては「非定型抗精神病薬」、抗うつ剤や抗てんかん薬などの処方で状況がよくなることがあります。
・定期的なカウンセリングを受ける カウンセリングは、精神の安定のためには大切になります。特に上記の薬とカウンセリングの組み合わせで、効果が期待できます。
相談コーナー
Q:私の上司なのですが、部下を何時間も自分の部屋に閉じ込めて(ひどい場合は、5時間も6時間も)、説教をしたりします。最近、その部下が精神を患って精神病院に通っています。どうしたら良いでしょうか?
A:明らかに、パワハラの状況です。2日前のブログの「自己愛性パーソナリティ障害のチェック表に照らして、自己愛性パーソナリティ障害の可能性を調べてください。 その上で上記のように自尊心を傷つけないように対応して、仲間を増やし、場合によっては弁護士に相談をするのが良いと思います。可能であれば、上司に病院にいくことを、さらに上の上司から進めてもらうのも手です。ただ、この場合は、困難を伴うと思います。