職場などで人間関係の巻き込まれをブロック(境界性人格障害)
境界例の人からの巻き込まれをブロックする方法は?
自分と他者の区別があまりない投影同一視を受けるとコントロールされる感じがします。
「セブンで○○買ってきてよ!」と言われて、「できません」と断っても、「あんた、他人を世話をする仕事をしているでしょう!」などと言われます。
「あんた私の悲しい気持ちわからないの? 仕事をしなよ。早く! 買ってきて!」と言われて、お使いに行ったりします。
このような巻き込まれをどうやってブロックしたらよいでしょうか?
○ 本記事のテーマ
境界例の人間関係の巻き込みからのブロック法
○ 今週の流れは以下のとおりです。
①境界性人格障害の原因とチェック法(一昨日) ②境界性人格障害のターゲットとされやすい人(昨日) ③境界性人格障害の人からの巻き込みをブロックする方法(本日) ④その他(明日以降)
○ 記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。30年以上、人の悩みの相談を受けていました。
○ 読者の皆様への前置き
人格障害は1回では終わらないので、複数回、掲載をします。今日は、「境界性人格障害の人からの巻き込みをブロックする方法」です。
境界性人格障害の人からの巻き込みをブロックする方法
【一定の距離をとる】
境界例の人は、自分と他人の境界が曖昧(あいまい)な「投影同一視」を使用してくるので、「これ以上のことはできない」と一定の距離を明白にする必要があります。
「あれやってほしい」と言われても、「申し訳ないが、それはできない」と境界例の人に明白に示すことが必要になります。
境界例の人が「死ぬ」とか、「バカ」「死ね」などと罵声(ばせい)を浴びせても「申し訳ないけどできない」と断ることが大切です。
ただ、実際にリストカットとか、自殺企図に及びそうなときは、警察に事前に連絡しておくとか、精神科に措置入院等の順をするようにしておきます。
精神科などに入院させるのを「忍びない。かわいそう」と思う人がいるかも知れません。しかし、自分や他人を傷つける行為に及ぶときは、手続きが必要です。
事前に「○○はできるが、△△はできない」とはっきりと「制限」を宣言しておくのもよいでしょう。ただ、相手を否定しているのでないというメッセージも必要です。
【本人の手助けは様子を見て】
境界例の人は、周囲を巻き込むために、「手助けして」とか「助けて」と言って来ることがあります。状況を見て、巻き込みがありそうな予感がしたら断ることも大切です。
手助けを断ることは巻き込みを防ぐだけでなく、境界例の人の依存を深めないためにも必要なことです。
【ネットワークを多く張ること】
境界例の人と一人で接していると、いつの間にか巻き込みにあったりします。できれば、複数人で対応すると良いでしょう。
医者も場合によって、境界例の人と接する医師(または看護師、カウンセラー等)と、それらの人に指示を与える医師と分ける場合があります。
接している人が、巻き込まれそうなったり、不適切な対応をする場合、その対応を見ている総管理者が修正するのですね。
医者でなくとも、複数で接して意思の疎通を十分に図ることが必要になります。
また、最近は境界性人格障害の「家族会」などがあります。医師、警察、家族会、相談所等と多くのネットワークを張っていくことが大切です。
【境界性人格障害をしっかりと理解する】
投影同一視、分裂、見捨てられ不安等の心理の動きや、何をしやすいか(一昨日の①境界性人格障害の原因とチェック法)を参考に、正しい理解が必要です。
境界例の方々も苦しんでいるという状況を理解されることが大切です。
質問コーナー
Q:職場などで頼まれると、相手が境界例とわかっていても、断わりずらいことがあるのですが。どうすれば良いでしょうか?
A:頼まれると断りずらいことがあるのは、考えられることですね。その場合、複数の人間で、断わる理由などをあらかじめ説明しておくと良いでしょう。
その際、『境界性人格障害』などという言葉は使わずに、『それぞれの持ち場の責任をしっかりと持とう』などと、持ち掛けることが大切になるでしょう。相手のプライドや尊厳を傷つけない工夫が大切です。
1対1ではなく、複数(1対多数もだめです)で、話し合って決めたという流れで話をまとめていく工夫も大切です。