自己愛性パーソナリティ障害の治し方(和らげる方法)
自己愛性パーソナリティ障害は人格障害の一つであることから、容易に治ることは難しいと思います。
「治る」というよりも「和らげる」という言葉が最適かもしれません。
まず、自己愛パーソナリティ障害の者が、自分の不都合をなんとか改善をしたいと思うようになることが第一です。
そのうえで、以下の事柄に気をつけていくことが肝要です。 本日は自分でできる方法を解説します。
〇本記事のテーマ
自己愛性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)
〇以下の流れでお話をしてきました。
①自己愛性パーソナリティ障害の特徴とチェック法(3日前) ②自己愛性パーソナリティ障害の原因(2日前) ③自己愛性パーソナリティ障害の者への対応方法(昨日) ④自己愛性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
自己愛性パーソナリティ障害の方への支援のコツを書いておきます。
自己愛性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)のコツ
自己愛性パーソナリティ障害の人は自尊心の偏りという話でした。この自尊心の偏りを解消するのが肝要になります。
下記のことを心がけて、心の中で練習をすると良いでしょう。 ただ、これらの練習は、本人が「なんとか自分を変えたい」「変わりたい」という強い思いがないとできません。
【トリガーの調整】 トリガーとは、自己愛の行動が出るきっかけとなる思いです。
・強迫的な思いが出そうになったら注意する 強迫的に「もっと高く」「もっと強く」などのようなトリガーが出てきたら、自己愛的な行動に注意をしてください。
・妙な高揚感もトリガーの可能性 「自分はすごい」「相手は自分に従う」という思いが出てきたら自己愛的な行動につながる恐れがあるので、注意をしてください。
【普段から心がける思いや行動】
・ありのままの自分をみる練習 自分を今ある以上に見せたり、また、自分を貶(おとし)めたりします。自分は自分以上でもなく、自分以下でもないという「ありのままの自分を見る」ことが必要になります。
・カッコを付けたり、よく見せる自分をやめる練習 自分を今の自分以上に見せることをする習慣を断ち切る練習をします。はじめはつらいかもしれませんが、徐々に慣らしてみましょう。意外とできるようになります。
・うまくいかなくても平静を保つことができる練習 親の期待に沿うように生きてきたことから、うまくいくことに心的エネルギーを使う習慣が身についています。うまく行かなくても、イライラしない練習をしましょう。
・特別でなくても、自分は価値があるという思いを持つ練習 自分がそれだけで価値があり、特別な存在でなくも良いという思いを持つ訓練をします。
・変わらぬ自分の練習 自分がどのように思われても、自分は自分という気持ちを自分の中に育てる。
普段から上の不都合が心に浮かんでも、すぐに修正をしていくと、段々と心境が変わってきます。何事も練習になります。
投薬を受けて、カウンセリングを行いながら、以上の練習をするのがベストですが、自尊心(プライド)が高く、いけない人もいようかと思います。
普段から心がけると徐々に良くなってきます。
相談コーナー
Q:3日前のチェック表から、自分が自己愛性パーソナリティ障害に陥っている可能性を感じます。どのような行動を取ればよいでしょうか?
A:できれば医師のところに行き、投薬とカウンセリングを受けられることをお勧めします。ただ、御事情があって、それができない時は、上記した方法を試してください。
大切なことは、まず、自分が自己愛的な行動に出そうになる前の「高揚感」とか、「強迫的な思い」を常にチェックして、「もうすぐ、自己愛的な行動をしたくなるな」と事前に知ることです。
その上で、上記の「普段から心がける思いや行動」を練習してください。初めはつらいかも知れませんが、練習を重ねていくうちに徐々に自分をコントロールしていけます。
つらいこともあろうかと思いますが、頑張ってください。