演技性パーソナリティ障害(4) 支援
演技性パーソナリティ障害の人は、「自分の価値がない」という無意識の思いから、演技をして価値を高めなければなりません。
幼児期に大切な人と別れがあったり、また、親の無関心、さらには演技のような振る舞いを治されなかった原因が考えられます。
それでは、演技性パーソナリティ障害の人に対する支援はどの様にすれば良いでしょうか。
〇本日のテーマ
演技性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)
〇以下の流れでお話をしています。
①演技性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(3日前)
②演技性パーソナリティ障害の原因(2日前)
③演技性パーソナリティ障害の者への対応方法(昨日)
④演技性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)(本日)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学の記事を書いています。
演技性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)
【演技性パーソナリティ障害の人の注意】
自分は「演技性パーソナリティ障害」との認識があり、それを治したいとうい気持ちが前提になります。
演技性パーソナリティの人は、「他人から注目」があるかどうかが、行動の中心になります。「注目を浴びることが自分の価値」と思います。
なので、「他人から注目されたいという気持ち」が湧き起こった時に、それをストップする行動を繰り返す練習をします。この時、自分の価値を高める努力もするようにします。
ただ、無意識の働きで行動が引き起こされるので、自分で気づかないことがあります。その場合、周りの人が指摘をすると良いでしょう。
ただ、指摘が批判にならないように注意が必要です。非難や批判は演技性パーソナリティの人の無価値感を高め、演技をするのを強めます。
事前に「批判ではない」「一緒に頑張ろう」と告げた上で、優しく告げることが大切です。
例えば、演技性パーソナリティの人が「私、有名人と知り合いで、芸能界の裏事情に詳しいから」と根拠のないことを言ってきたら、優しく「それ。注目を求めているね」と指摘してあげましょう。
ただ、友人がいない場合は、自分の発言で相手の顔が嬉しそうな顔をしたり、困った顔をしたり、普段と様子が違った場合は、自分の発言が演技の可能性があります。それをサインとして気を付ける方法もあります。
自分が流行や他者の言動に敏感になるのを注意して、まねをしそうになった時に、それを打ち消すことも心がけて下さい。ただ、これも自分で分からなかったら、他人に指摘をしてもらうと良いでしょう。
努力をして、自分の価値を高める行動が大切です。それは、流行でない、また、浅はかと他人に思われない価値の高まりです。習い事でも、勉強でも、資格取得でも良いです。自分に合った方法で。
【周りの人たちへの注意】
上記しましたが、演技性パーソナリティー障害の言動を批判して、演技性パーソナリティー障害の人が「自分が無価値」という思いを浮かべると、障害が悪化することがあります。
他人から境界性パーソナリティー障害の人に対して「ありのままで価値がある」との受け止めが必要になります。
距離を考えながら、努力をして価値を高める行為を見守り、励まして上げることが大切になります。
【恋のもつれに注意】
境界性パーソナリティー障害の人は、好きでもないのに、相手に誤解される言動(思わせぶりな態度など)を言ってしまうことがあります。
あちらこちらで言うので、恋愛のトラブルが発生することがあります。注意が必要です。
【パーソナリティー障害を変えずに弱めて、コントロールを】
これは人格障害全般に言えますが、パーソナリティー障害を変えようとするのではなく、行動可能なレベルまで弱めていく姿勢が大切です。
職場で問題が発生し、労働トラブルを解決する資格があります。ご参考に。資料請求だけして、申し込まなくても、心のどこかに留めて、いつか必要な時に勉強するのも、一つの手です。→(労働トラブル相談士)
質問コーナー
Q:演技性人格障害の友人があまりに浅はかで、軽い言動に、どうしても本気になって相手をする気になれません。それで孤独になれば、それは本人の自業自得と思ったりします。
A:パーソナリティー障害の人と接すると、何度も裏切られた気持ちになると思います。時に巻き込まれてボロボロにされることもあるでしょう。孤独を味わうこともあろうかと思います。
何度も述べてきましたが、援助者として、医師、友人、親、学校の先生、各相談所などできるだけのネットワークを張ることが、自分とパーソナリティー障害の人の人を助けることになります。
回復には時間がかかります。行動のパターンを知り、心をコントロールできるようになるまで、支えて上げることが大切です。
ただ、それほど深くない関係の場合は、関係の深い人にお任せするという方法のありましょう。