演技性パーソナリティ障害(2) 原因
演技性パーソナリティ障害は、大げさな振る舞いや派手な外見で他者の注目を浴びることが行動として認められます。
また、注目を集めることが目的となることから、話の内容などが深まらないことが挙げられます。
時に注目を浴びるために自傷行為に及ぶこともあります。
では、演技性パーソナリティ障害の原因は何でしょうか?
〇本日のテーマ
演技性パーソナリティ障害の原因
〇以下の流れでお話をしています。
①演技性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(昨日) ②演技性パーソナリティ障害の原因(本日) ③演技性パーソナリティ障害への者への対応方法(明日) ④演技性パーソナリティ障害の治し方(和らげ方)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学の記事を書いています。
演技性パーソナリティ障害の原因
演技性パーソナリティ障害の直接の原因となるものは現在の心理学・精神医学では明らかになっていません。ただ、次のことが指摘されています。
【自分が無価値であるとの思いの裏返し】
演技性パーソナリティ障害の方は「演技しなければ、相手から注目を浴びない」との無意識の働きがあります。
つまり、「演技をしなければいけないほど、自分に価値がない」という思い(無意識の働き)です。この思いが演技性パーソナリティ障害の言動の大元になります。
では、この思い(無意識の働き)はどこで身に付けたのでしょうか?
いろいろな原因が考えられます。例えば、幼児期の愛されたい時に、親などの大切な人との死別で、愛されなかったこと。
親の離婚で愛されたいときに、親がいなかったこと。
親(またはそれに代わる人)などが、本人に対して無関心で、本人が愛されたという思いがなかったこと。つまり愛されることに価値がない経験があること。
【演技を止められなかった養育環境】
過度の演技をして、他人の注目を浴びる行為が許されて、そのまま大人になった場合も考えられます。つまり、周りから、批判や罰を受けなかったことも考えられます。
【遺伝的要素】
演技性パーソナリティ障害の人が直系家族にいる場合の遺伝の指摘されています。
相談コーナー
Q:もし親の離婚とか、死別の際があった場合は、どのように接すれば良いでしょうか?
A:大切なことは、「愛情飢餓」に陥らないことが必要です。特に子供の前で、父母が諍い(いさかい)、つまり夫婦喧嘩を見せることは、虐待と考えられています。
研究のなかには、父母の諍いが子供の心に一番の悪影響を与えるとの報告もあります。
もしそのような状況になった場合、早めの対応が必要になります。
「愛情飢餓」に陥ると、愛情のやり取りだけでなく、対人関係など、一生苦しまねばならぬ状況に陥ることがあります。