反社会性パーソナリティ障害(2) 原因
他人の権利を無視し侵害し、良心の呵責(かしゃく)がないのが反社会性パーソナリティ障害の特徴でした。
また、嘘や暴力で他人を従わせ、信頼を得たり、責任を果たすことをしないなどの特徴もありました。
では、反社会性パーソナリティ障害の原因はなんでしょうか?
本日はこの話です。
〇本日のテーマ
反社会性パーソナリティ障害の原因
〇以下の流れでお話をします
①反社会性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(本日) ②反社会性パーソナリティ障害の原因(明日) ③反社会性パーソナリティ障害の者への対応方法(明後日) ④反社会性パーソナリティ障害の治し方の治療(3日後)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学の記事を書いています。
反社会性パーソナリティ障害の原因
【育ちに関すること】(無論全ての人が以下のとおりとは限りません。注意)
反社会性パーソナリティ障害の原因で、一般に言われていることは、幼少時代、養育者が次々と入れ替わったりするなどの養育者が定まっていないことが挙げられています。
さらに養育環境の不安定さや、幼少期の虐待(ネグレクト:養育放棄など)を受けたことも原因とされています。
逆に親(それに代わる人)が、溺愛して、子供の心に「ルールを守る」などの規範意識が育たなかったことも挙げられます。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人が、周りから支えられなくて、反社会パーソナリティ障害に陥ることもあります。
ADHDに陥っても、周りが支えたり励ましたりすることで、「反抗挑戦性障害」「素行障害」という、反社会性パーソナリティ障害の前段階と言われるものに進みません。
また、育ちの過程で、様々なことを否定されて育ってきたのも挙げられます。
【扁桃体の働きの低下について】
また、一説には、虐待などを受けて、脳の扁桃体(へんとうたい)の働きが低下しているとの考えもあります。扁桃体とは恐怖を感ずる部分です。
反社会性パーソナリティ障害の人が、「むこうみず」で、「危険を顧みない」という性質は、扁桃体の働きの低下という説もあります。
質問コーナー
Q:パーソナリティ障害の原因は、結局は家族なのですか?
A:パーソナリティ障害を支援するときの一番大切なことは、「パーソナリティ障害に陥っている人が、自分の障害に立ち向かう気持ち」です。
原因をさがして、親などの原因にしてしまうと、本人が治す意思を持ちにくい状況を生んでいきます。まず、家族でもなく、他人でもなく、障害をお持ちの本人が自分の問題に向かい合うということをしなければなりません。
原因確かに、家族に関わっていることもあるかも知れませんが、原因探しをすることは、障害をお持ちの人の支援を遅らせることになります。
原因探しではなく、自分の問題として回復の努力をすることが大切です。