反社会性パーソナリティ障害(3) 対応
良心の呵責(かしゃく)なく、他人の権利を無視した、反社会性パーソナリティ障害の人への対応は困難を極めるものです。
時には、嘘を吐かれ、暴力を受ける場合もあります。
では、どうしたら良いでしょうか?
本日はこの話です。
〇本日のテーマ
反社会性パーソナリティ障害の者への対応
〇以下の流れでお話をします
①反社会性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(一昨日) ②反社会性パーソナリティ障害の原因(昨日) ③反社会性パーソナリティ障害の者への対応方法(本日) ④反社会性パーソナリティ障害の治し方(明日)
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学の記事を書いています。
反社会性パーソナリティ障害の者への対応方法
反社会性パーソナリティ障害の人は、対人関係のなかで、激怒、破壊的な行動を取りがちになります。さらに、自分の行為への反省が乏しいことから、困難を伴います。
対応としては、全く関わらないか、とことん付き合うかの対応に分かれます。
【全く関わらない方法】
まず、近づかないこと。離れていることが原則になります。障害のある人から、話しかけてきても、「用事がある」「トイレに行く」「電話を掛ける」などと離れましょう。
次に付きまとわられ、身の危険を感じる場合は、事前に警察に相談をしましょう。ただ、桶川ストーカー事件のように、警察に相談してもアテにならないことがあります。
桶川事件は、女子大生がストーカーにつきまとわられ、警察に相談したにも関わらず、警察のずさんな対応で、結局女子大生が殺害されるに至った事件です。
もし、このような心配を感じた場合は、刑事弁護に詳しい弁護士を尋ねるのも一つの手です。弁護士料は、初回60分の相談で、5000円から10000円程度が相場と思います。
ただ、その後、必要ならば契約を結んで守ってもらう必要があると思います。
また、様々な相談所に出かけて、できるだけ多くのネットワークを張り、自分を守ってもらえる準備をすることです。
【関わらずを得ない時】
自分の家族などが反社会性パーソナリティ障害の場合はどうしても、関わらざるを得ません。その場合、つらくとも根気よく人間関係が保たれることで、反社会性パーソナリティ障害の人が徐々に回復していきます。
ただ、この信頼関係が壊れるようなことがあると、反社会性パーソナリティ障害の人は、「俺は見捨てられた」「人間関係を打ち切られた」と反社会行為を激しくすることがあります。
反社会性パーソナリティ障害の人は、自分への「裏切り」「否定」に敏感です。
悪までも、反社会性パーソナリティ障害の人を絶対に見捨てないという態度が必要になります。
犯罪をたびたび起こして、同じ刑事に捕まえられた時、その刑事が反社会性パーソナリティ障害の人に対して人間味あふれる態度で接すると、信頼関係で結ばれたりします。
注意は、犯罪などの反社会行動を起こした場合、従ったり、同調せずに「駄目なものは駄目」と毅然とした対応が必要である。
【年齢と共に和らいでいく】
中高年に差し掛かると、晩熟現象(ばんじゅくげんしょ)と言って、性格が温厚になったり、反省をするようになることがあります。そこから、治療に入る場合もあります。
【病院を受診しない】
反社会性パーソナリティ障害の人は、自分の行為への反省をしないことなどから、病院を純真することは滅多にありません。また、「むこうみず」という心が働くために、少々の怪我では受診しないことがあります。
大きな怪我や事故で、初めて受診というケースが多いです。
質問コーナー
Q:夫なのですが、いつもイライラして、時々、暴力を振るいます。また、大酒を飲んでは、職場でトラブルを起こして職を転々とします。離婚を考えていますが、どのようにすればよろしいでしょうか?
A:上の内容だけで、反社会性パーソナリティ障害とは判断できませんが、可能性は高いですね。一昨日のチェック表と照らし合わせて、判断をしてください。
離婚の話を持ちかけるときに、夫が「自分のことを裏切った」という思いを持ち、逆上することが考えられます。まず、警察、弁護士、ネットワークを張ってください。
その上で、弁護士の方と話し合いを持つのが良いでしょう。また、暴力が、婚姻関係を維持できないものと判断できる場合は、離婚事由になるので、弁護士さんと相談するのがよいでしょう。
大切なことは、夫の逆上や嫌がらせから身を守ることです。