人間関係を損(そこ)なう場合、精神医学的な病に陥っている(またそれに近い)状況の場合が考えられます。
また、対応の困難さゆえの人間関係がうまくいかないことがあります。さらに、心の調節が困難さから人間関係に疲れることがあります。
さまざまな要因がある「人間関係」ですが、ゆっくりと解説していきます。
昨日まで、精神医学的なものとして「うつ病」を解説しました。本日は「プチうつ」と呼ばれる「非定型うつ病」解説します。また、アドラー心理学の「勇気づけ」をのべます。
〇本日のテーマ 1.プチうつ病とは 2.アドラー心理学 「勇気づけ」とは
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学とと心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。
プチうつ病とは
なんかつらい日々をすごしています・・・
40歳の会社員(女性)です。最近、夕方になると、イライラとして集中力が続きません。残業代がでないのに、仕事が終わらず、「また残業かあ」という思いがあるからと思っていました。
しかし、残業がない日も、イライラして、「おかしいなあ」と思うようになりました。
ただ、ご飯もとても進むし、特に甘いものは、不思議な位食べられます。
好きなビデオ鑑賞も続いているし、本で読むとうつ病と少し違う気がしていました。
(クイックしてください →うつ病の初期症状)
眠りは浅いのですが、寝ようと思えばいつまでも眠れるし、これも「早朝覚醒」があるうつ病ととも違っていると思いました。
「変だなあ」と思いながら過ごしていましたが、先週、帰宅時間に近くになって、出てきたイライラ感をぶっつけるように、同僚と喧嘩をしてしまいました。
同僚が「コーヒーを入れてくれる」と言ったのですが、イライラした私は、「うるさい! いちいちそんなことで話しかけないで!」とひどいことを言ってしまいました。
また、帰宅のために駅のホームで電車を待っている時、思わず列車に飛び込みたくなります。また、高い所から飛び降りたくなる衝動に駆られることがあります。
私はどうかなってしまったのでしょうか?
【症 状】
プチうつ病は、常にうつ症状が現出しているのでなく、一日の中で限られた時間(例えば夕方)になると絶望したり、不安になります。
プチうつ病の正式な名称は「非定型うつ病」と言われています。
プチうつ病の症状の代表的な症状は次のとおりです。
・過食、過眠(10時間以上の眠り。それでも眠い)
・肩こり、頭痛
・不安観、絶望感
・倦怠感、疲労感、手足が鉛のように感ずる
・激しく気分が落ち込んだりする
・イライラして注意力が散漫になる
・衝動的な行動に出ることがある
・好きなことはやる気が出る
・性欲は増加することがある
※他人の言葉に異常なほど反応して、涙を流すことなどがあります。
「プチ」と呼ばれるても、症状は軽い訳でありません。見過ごすと重症化することがあります。
【原 因】
ストレスの蓄積が原因と言われています。また、引っ越しなどで居を移した場合、転職、人間関係のトラブルなど、ストレスにさらされると発症しやすくなります。
また、運動不足、肥満、糖尿病などもプチうつ病にかかりやすいとされます。
【対処方法】
基本的には、睡眠の質をあげること、バランスの良い食事を心がけることが大切とされます。また、肉、野菜、魚介類、キノコ類をかたよりなく取ることです。
治療は早ければ早いほどよいとされます。
「おかしいな?」と思ったら、医師の受診をお勧めします。
お勧めの医師の見方は以前説明しました(こちらをクイックしてください)。
アドラー心理学 勇気づけ
私の部下なのですが、何度言っても同じ間違いをする者がいます。仕事が早いのですが、結局ミスを連発して、仕事が遅滞します。
初めは優しく諭すのですが、そのうちに腹が立ってしまって、ついつい「ミスばかりをして! 仕事が遅くて仕方がない」と大声を上げてしまいます。
しかし、部下のミスは減るどころか、かえって増えたような気がします。どのようにすればよいのでしょうか?
まず、アドラーは「相互の尊重」を述べます。どんな状況であれ、相互に尊重をします。
無論、相手を怒鳴りつけることもしません。立場が異なっても尊重の気持ちが、良い人間関係を保つために必要です。
また、相手を褒めることも、上から目線になるので控えるのがアドラーの考え方です。では、どうするか?
それは相手を勇気づけることです。けなすことでも、褒めることでもなく勇気づけることです。以前勇気づけの話を少ししました(こちらをクイックしてください)
勇気づけのポイントは、簡単にいうと、相手が「貢献度を感じること」です。
「あなたがいたから助かった」「あなたのお陰だね」という言葉がけですね。
また、部下の結果までのプロセスを見て「このやりかたを〇〇に直せば、ミスは取り返せる。がんばろう」と、共に考える姿勢が必要です。これも勇気づけになります。
さらに、プロセスノートを任意に作って、「ゆっくりと確実やれたこと」をメモをするなど、自分の勇気づけも行うようにしてください。
アドラーは、人間は誰でも目標に向かう欲求を持っているとします。その目標に向かって進む勇気づけをしていくと、徐々に状態が良くなります。