
昨日は、介護リフォームをするときの補助金と助成金についてお話ししました。
介護リフォームのための補助金は、介護保険の制度の中に含まれます。要介護・要支援者の生活の安全にするためだからです。
上限20万円まで補助金が出ます。住宅改修の補助金は原則1回しか使用できませんが、限度額内ならば、分けての利用も可能です。
また助成金制度がある自治体もあり、受け取れる額を把握しておくと負担を軽くすることができます。
本日は認知症の方が入れる老人ホーム等の施設です。
〇本日のテーマ 認知症 施設に入所するタイミング
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
認知症の方も入れる施設と特徴
認知症の施設には、グループホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などがあります。
それぞれに沿って解説します。
グループホーム(認知症対応型生活介護)
グループホームは認知症の症状の方5人から9人を1グループにした少人数の施設です。
専門職員によって、認知症方が自分の力を使って、支援を受けながら、家庭的ともいえる環境で共同生活をします。
ただ、医療的ケアや重度の身体の介護がの対応は各事業所で対応が異なります。
また、グループホームは「地域密着型サービス」でもあり、市区町村の住民を対象にしています。
認知症の症状により入居可能かは、個別に判断されます。

特別養護老人ホーム
少人数のケアを基本とした「ユニット型」の体制をとるのが特別養護老人ホーム(特養)です。認知症の方は集団やグループを嫌う傾向にあるので、この形態が向いている場合が多々あります。
要介護度3以上の方を原則的に対象にしています。ただ、特例で、認知症の方である場合、要介護度2以下でも入居可能のこともあります。
身体介護の対応ができ、看護師もいるため、あ医療的ケアもある程度可能になります。
有料老人ホーム
有料老人ホームは「介護付き」と「住宅型」の2種類があります。
介護付き有料老人ホームは、介護職員、リハビリ職員、看護師等の医療職が常駐します。
24時間スタッフの常駐体制がとられているので、認知症の方の様々な症状に対応できます。
住宅型の有料老人ホームは、訪問介護事業所(併設)などからヘルパーが派遣さます。
そのため、介護付きと同等の介護サービスが可能となります。。
レクリエーションにも取り入れている施設もあり、認知症の進行防止に努めています。
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、るバリアフリー対応の賃貸住宅で。昼間は生活相談員がいて、安否確認をしてくれます。
介護が必要な時は、外部の介護のサービスと個別に契約を交わします。
本来は、自立から軽度要介護までの高齢者を受け入れます。しかし、看取りや重度要介護高齢者も受け入れるサービス付き高齢者向け住宅も最近見られます。
認知症の方が入所の手順。
ケアマネジャーと相談
ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談しましょう。
地域包括支援センターは、地域の情報も持ちあわせています。近隣の施設の情報を聞いて、どの施設が良いか相談しても良いです。
インターネットによる情報収集
広く各施設を探すのに利用するのが良いでしょう。様々の施設も探すことができます。
業者に頼むと、パンフレット等も取り寄せられるので、利用してみましょう。無料の相談があるところが良いでしょう。

施設見学
じっさいに施設に行き、入居者の様子を見てみましょう。施設職員の説明を聞くのも大切な情報収集です。
多くの施設は通常、見学を受け入れています。ご本人と連れ立って施設を見に行くのが良いでしょう。
その場合、いつくかポイントがあるので、こちらをご参照ください。
認知症の方の入所の必要な準備
本人と家族の要望を整理してまとめておくことが大切です。施設が、生活、自分の大切なことなど、メモして、整理してしておきましょう。
本人・家族の希望を分類
本人とご家族の希望が違うことがあるので、希望や思いを分類して考え、お互いの気持ちが出来るだけ叶えるように調整をしましょう。
見学で質問も事前に考えておきましょう。
認知症 進行
認知症は進行します。症状が進行したらどのように対応して欲しいか、最期まで住み続けると場合、どのようにした良いかなど、未来の生活を想像してみましょう。
アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症の進行の様子を把握しておく必要があります。
そうすることで、自分たちの希望などがはっきりと見えてくることがあります。
希望 優先順位
施設に対して、全ての要望がかなうことは難しいと思います。希望に優先順位をつけておくことは、施設を選ぶうえでの基準になります。
見学 注意点
本人と一緒に見学する
施設入居への拒否がない時は、本人と共に見学するのが良いでしょう。
ご本人が見学時の対応を心地よいと思わないと、その後入居もうまくいかない可能性があります。
また、入居後のQOLを高めるうえでも、あらかじめ本人が見て話しを聞くことが必要です。ご施設職員の言葉かけや気配りを良くみておきましょう。
本人抜きで決めてしまうと、あとで、後悔をすることがよくあります。
自分らしい生き方
慣れた環境から移れば、大体の認知症の方は混乱をすることが多いです。
そのため、使っていた家具等を搬入できるか、散歩や運動などの習慣を続けられるかを確かめておくのも大切でしょう。
さらに、ゆったりと静かに過ごせるか、他の入居者とコミュニケーションを持てるかなども確かめると良いでしょう。
ある程度の本人の生活ペースが保てるかどうか、大切なことです。
リスク 対応
本人の「帰りたい」との帰宅欲求、急に外に行くこと(徘徊)、暴言・暴力が起こった時、施設の対応の仕方は大切です。
「これまでどのような対応をしてきたか」「帰宅欲求や暴言などの症状が出たらどう対応するか」を質問してみて、回答に納得できるかが大切です。
職員の対応をチェック
職員があまりに忙しそうで、対応に対してなおざりな様子や否定手であると、感情伝染などにより、本人に否定的な感情がわきおこります。
安心できる施設は、どんなに忙しくても職員がを止め、笑顔を見せる対応をします。
周りの状況
他の利用者の方の身だしなみ(汚れた服を着ていないか)、話しかけられていない、利用者同士でコミュニケーションの様子がないかをチェックしましょう。
何か理由があって、そうであれば良いのですが、そうでない場合もあります。理由を職員にたずねるのもよいでしょう。
特に、食事の時の対応を見ると、よく分かるといわれています。
退去されたケースを聞く
「退去された方の理由」を聞いてみましょう。また、言い訳のように聞こえる時は、突っ込んだ質問も良いと思います。
守秘義務で言えないと言われたら、個々で看取られる人が多いかどうか等を聞いてみると良いでしょう。見取りが多い所は医療体制が整っている(機能している)との評価もあります。
資産 確認
本人が望み、本人らしい生活ができると確認と同時に、入居後の経済状況を確かめることが必要です。
良くある話が、良く計画を立てなかったために、資金不足で退去になってしまったとのことです。可能なら不動産の利用も考えましょう。
また、見取りの件、認知症がいよいよ重くなった場合は、その施設にいつまでもいられるかの把握も必要です。
全てが好都合に行くことはあまりありませんが、「ここまでなら妥協できる」という点を本人と確かめることが大切です。
ご本人もご家族も、施設選びは必ずしも楽しいと感じるものではないかもしれません。
入所 タイミング
施設に入所するタイミングは、介護をしている方が介護疲れに陥ったり、火事などが発生すること、さらには本人に危険が迫る時だといわれています。
タイミングを失すると、本人や周りの人に多くの苦労がかかってきます。本人を入れて、良く親族や家族で話し合い、タイミングを失しないようにしてください。