認知症の初期症状において、認知症予防をして、それでも認知症が発症する場合を解説しています。
昨日は夜間の介護で見られる、大声を出すことへの対処や、転倒防止について述べました。
本日は、「食事を拒否される」ことと、「大便を壁などに塗る」行為の防止についてのべてます。
昨日の大声を上げることや、転倒防止もそうですが、本日の「大便を壁に塗る」ことや、「食事の拒否」も予め対応を知っていなければ、介護する人は混乱をすることになります。
それぞれの行為には理由があり、その理由を把握して、目の前の認知症に陥っている人の対応にあたりましょう。
〇本日のテーマ 認知症 食事拒否・不潔な行為
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
食事の拒否について
昨日まで、おいしそうに食事を食べていたのに、今日になったら、食事をとらなくなることがまれに見られることあります。その場合は、原因を考えてことに当たる必要があります。
これもいわば認知症状の一種と考えて良いでしょう。
怒ったり、無理に食べさせようとすると、却って食べないこともあります。注意が必要です。
食事の拒否について、どのように対応するか
まず、食事拒否の原因は一般に次のような場合があるとされます。
● 病気にかかっていて、それが原因で食欲がわかない。
●口の中の機能(口腔機能)が弱って、噛むことや飲むことができない。
まず、病気にかかっている場合は、口の中の機能が弱っている時は、医師との連絡を密にして、無理に食べさせないで、病気との兼ね合いで摂るようにすることが大切です。
● アルツハイマー型認知症などの症状(まわりに依存したい症状)であること。
アルツハイマー型認知症の人が他人に依存したい時は、意外と言葉がスラスラと出て来て、「ご飯が少ない」「家族の〇〇が冷たい」など、要求が具体的です。
これらは、背後に「介護者に甘えたい」という気持ちが働いていることがあります。
このような時は、認知症に陥っている人の言葉に耳を傾けて、「大変だね」とか「いろんなことを考えているですね」という共感の言葉を懸けるようにします。
その上で、「一生懸命に作りました。食べてね」と声を懸けると食べることもあります。大切なことは寄り添うという気持ちが大切です。
● 食器の使い方を忘れたため。
食器の使い方を忘れた場合、言葉が通じないことがあるので、目の前で、スプーンの使い方を実演すると良いでしょう。
また、一口だけ、認知症者の人の口に運んであげると、使い方を思い出して、使い始めることもあります。
● 介護者(家族)に腹を立ててるため
何に対して腹を立てているかをゆっくりでいいので、話を聞くことが必要です。
ここでも共感を示しながら、相手の言うことを受け入れて上げると食事を摂るようになります。
不潔行為の防止について
朝になって、認知症者の人の部屋に行くと、壁やベッドに大便が擦り付けられていることがあります。
家族(介護者)にとって、とってもショッキングな出来事ですが、ここでもなぜそのようなことをしたのかを探る必要があります。
良くある話は、オムツの中に排便をして気持ち悪いのに、オムツを取り替えてくれないことから、便を塗りたくることがあります。
そのような場合は、排便をした時にオムツを取り替えることが望ましいです。
ただ、夜中に何度も排便をして、そのたびにオムツを交換することは、認知症者の方の眠りを妨げることにつながります。
このような恐れがある時は、練る前に排便をさせたり、場合によって、浣腸などをして排便のコントロールをするのが良いでしょう。
上記したスプーンの使い方と同じように、排泄の順番を忘れることもあります。
言葉が通じないときは、実際に家族(介護者)が、本人の目の前で(ズボンをはきながら)、実演をするのも一つの方法です。
介護施設の利用を考えてみる
大切な家族を介護施設に入所させるのは、とてもつらい思いをする家族の方もいるでしょう。
また、費用の面から介護施設に入れない方もいると思います。
ただ、様々な問題が起こって、家族が休みを取れないような状況に陥ると、家族ともども倒れてしまうことも考えられます。
そのような場合は、介護施設の入居を考えてみるのも一つの手です。
下に、介護施設の案内を張り付けておきます。ご利用ください。単に相談だけでも、また、見学だけでも言ってはどうでしょうか?
納得いかなければ、そこで止めればよいのです。柔軟に考えてご利用ください。 ↓
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