
物を見て、それを認知して、体を動かしていくには、眼球、脳、体の動きが連携をしていないといけません。
眼球の機能としては、ある物の動きを追うことのできる「追従性眼球運動」、ある点からある点に視線を素早く移動できる「跳躍性眼球運動」、さらに距離感や立体感を捉えることのできる機能が肝要です。
脳に関しては、「対象と背景を区別できる」「色形を見分けることができる」「物の大きさの恒常性をつかめる」が大切になります。
さらに、体を動かす筋肉量が衰えることを防ぎながら、即応して動けるように普段から練習をしておくことが必要です。
ただ、楽しみながら、機能の維持を図っていくことが大切です。
本日は、デュアルタスクトレーニングについてです。
〇本日のテーマ 高齢者 視空間認知
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。
デュアルタスク
以前脳の老化を図る方法をご紹介しました。脳の老化を遅らせるために、複数の運動を同時に行うのが良いとされます。
複数のことを同時に行うことをデュアルタスク(ながら作業)と言います。料理をしながらテレビを見る、ウォーキングをしながら話をする、などです。
例えば、ウォーキングをしながら話をする場合を考えて見ましょう。
ウォーキングは、脳の運動野を刺激すると同時に脳内セロトニンの効用を高めると言われています。
前を向いて視覚で、光景を捉えるので後頭葉も刺激します。
セロトニンは生体のリズムや、神経内分泌などの生理機能と、気分障害などの病態に関与していると言われています。
また、足を下す時に足の裏から伝わる衝撃が、大体1G(イチジー)の衝撃がくるとされます。すると、脳刺激が与えられるとされます。
また、話をするために思考をするために、前頭葉を活性化し、話を理解するための側頭葉も活性化します。
つまり、ウォーキングをしながら、話をすることは、結果的に脳に刺激が与えられて、脳全体を使うことになります。
デュアルタスクトレーニング 例

いろいろな組み合わせが考えられますが、「手足+口」や、「手足+考える」が考えられます。
なお、運動の後は、ビタミンC・Eなどを飲んで活性酸素を除去して老化を防いでください。
ビタミンC・E自身には、認知症予防効果もあります。
ウォーキング 歌いながら
歩きながら、歌を歌うという方法があります。家の外を歩いて、歌を歌うことはとっても恥ずかしい思いに駆られる人もいるかも知れません。
そこで、家の外でなく、家の中で歩きながら歌を歌うのもよろしいです。
6畳の部屋の場合、狭い所を行ったり来たりすることになるような場合は、その場足踏みでもよろしいでしょう。
また、動くのが大変な場合、椅子に座って足踏みでも良いでしょう。
ウォーキング 計算
ウォーキングをしながら、3ずつ足していきます。3たす3は6,6たす3は9・・・ずっと足し算をしていきます。
これが簡単であるなら、1000から3ずつを引いていきます。1000引く3は997、997引く3は994・・・とやっていきます。
それでも簡単・容易なら、1000から7ずつ引いていきましょう。1000引く7は993、993引く7は986・・とやっていきます。
これもウィーキングでなくて、その場足踏みでもよろしいと思います。
3の倍数 ゲーム
これは、足踏みのほうが良いかもしれません。
足踏みをして、足踏みの数をかぞえます。数を1,2,3,4,5・・・と普通に数えていきますが、3の倍数になったら、両手をパチンと打って、拍手を一回します。
ずっと繰り返して、百の位まで間違わずにできればとても優秀ですが、根を詰めずに楽しんでやってください。
3の倍数の時に手を叩きます。慣れるまではぎこちない歩き方になるかもしれませんが、気にせずにどんどん歩きましょう。慣れてきたら、5の倍数など難易度を上げましょう。
しりとりバトル
夫婦など2人でやる時はしりとり遊び(しりとりバトル)をするのもよいでしょう。これはウォーキングをしながらでも良いし、足踏みをしながらでも良いです。
以前、書くことの有効性を述べました。このデュアルタスクと、どちらか効果のある方を選択するか、合わせて行うのも良いかもしれません。