自分と他人の区別がない世界

前回は生まれたての赤ちゃんは、良い悪いがはっきりと分かれて、中間がないことを述べました。
この時期の赤ん坊の特徴に、「自分と他人」の区別がないこともあげられます。赤ちゃんはまだ、他人というものがわかりません。
赤ちゃんが怒る時は、お母さんも怒っていると思っている
自分と他人の区別がつかないので、自分が怒りを覚える時は、お母さんも怒っていると思います。また、自分が悲しい時は、お母さんも悲しんでいると考えます。
さらに、お母さんに甘えるようになると、「自分が怒る時は、お母さんも怒らなければならない」とさえ思います。
よくパワハラをする上司が「俺の言うことが分からないのか」とか、「俺の気持ちを察すれ!」と言いますね。
これが頻繁なら、前期唇期に固着をしているのですね。特徴して「支配したい」気持ちが入っています。

生まれたての赤ちゃんの2つの特徴
以上をまとめると、生まれたてたの赤ちゃん(すなわち、前期唇期の赤ちゃん)の大きな特徴は、「良い、悪いがはっきりと分かれている」「自分と他人の区別」がつかないことになります。
いずれも相手を支配する気持ちが強く入ってきています。良い悪いで相手を悪くしたり、自分の感情を押し付けたりして、相手をコントロールします。
まだ、上げれば、いくつかの心の特徴があるのですが、特にこの2つの特徴を知っていると、DVをする人、ハラスメントをする人の心の動きが分かります。
相談コーナー
Q:私の会社の課長なのですが、あまり仕事の指示を出しません。しかし、仕事の手順を間違えたりすると、「俺の気持ちを察して、仕事を知ろ!」と腹を立てます。特に、すぐ下の課長代理や係長などが、仕事ができない部下と烙印を押されます。
課長代理や係長が、課長の顔色を見て、ビクビクしています。最近は、課長代理が抑うつ状態になって、病院に通っています。どうすれば良いでしょうか?
A :自己愛の強い課長さんとお見受けします(自己愛に関しては、追って説明をしていきます)。
いずれにしてもそれが一時的でなく、相手を支配するために「気持ちを察すれ」と言って、部下を悪者にしている場合は、前期唇期(妄想分裂ポジション)に固着を起こしています(無論、全員がそうだと限りません)。
言葉で対応しようとすると、逆切れをされる可能性があるので、様子を見ながら支援のネットワークを張って、記録(ボイスレコーダー等)を取るようにしておくのが良いでしょう。


