
居宅介護支援事業所は、要介護の方の在宅介護の相談・計画、連絡・調整を引き受ける総合的な事業所とされています。
また、居宅介護支援事業所には、ケアマネージャーが(主任ケアマネージャーも)常駐してケアプランを作成します。
また、ケアマネジャーは、介護保険申請なども行います。
本日は、アルツハイマー型認知症の復習をおこないます。
〇本日のテーマ アルツハイマー型認知症
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、認知症のひとつで、最も発症の多いものと言われています。
症状として、記憶の障害、判断能力低下、見当識障害などが現れます。
現時点では、アルツハイマー型認知症を完治させる方法は開発されていません。
ただ、進行を遅らせるための予防の方法は開発されています。軽度認知障害(MCI)のうちに対処すると、認知症に陥らないで済むこともあります(認知症に陥った初期の症状はこちら)。
そこで、早期発見、早期治療が大切になります。

アルツハイマー型認知症 原因
アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウタンパクというたんぱく質が脳に蓄積することで発症します。
これらのたんぱく質が、脳神経を異常にします。初めは、脳の海馬という器官の萎縮が始まり、徐々に脳全体にひろがります。
しかし、なぜ脳にたんぱく質が溜まってしまうのかは、現段階でははっきりとした原因は解明されていません。
アルツハイマー型認知症 症状
アルツハイマー型認知症の症状は、次の通りです。
記憶障害
記憶障害とは、新らしいことを覚えられない、いつも通っていた道がわからなくなる、すぐに忘れる、昔の体験も忘れるなどの症状です。
加齢による「物忘れ」と、認知症の記憶障害は違っています。
加齢の場合は、一部分の記憶を失うことが多く、認知症の場合は、起こったことの記憶すべてを忘れてしまいます。
晩ご飯のおかずをどうしても重い出せないのが、加齢の物忘れであったならば、晩御飯を食べたこと自体を思い出さないのが、認知症です。
認知症の記憶障害は、コンロの火の消し忘れや、散歩に出て、帰り道がわからなくなります。
徐々に進行が日常生活が送れなくなります。
※ このような状況になると、老人ホーム等の施設に入居を考える必要もありましょう。
その際、こちらの状況を聴いて親身になってくれるところが良いでしょう。

判断能力低下
アルツハイマー型認知症になると、判断能力が低下し、さまざまな場面で適切な行動が取れなくなってしまいます。
例えば、テレビのリモコンの操作ができなくなったり、買い物で釣銭の計算ができなくなったり、車の運転操作でミスが多くなります。
説明を聞いて理解できなくなり、見ているテレビの話もわからなります。
見当識障害
見当識とは、日時、状況、人物などを判断し、置かれた状況を理解する脳の機能です。
アルツハイマー型認知症では、見当識障害の症状もあり、生活が遂行できないこともあります。
また、昔の話を、今起こっているように話す場合も生じます。若い頃の自分のままだと思うこともあり、家族を見ても、誰だか判別できないこともあるのです。
周辺症状(BPSD)
アルツハイマー型認知症では、周辺症状(BPSD)という症状が見られることがあります。認知症の人の性格、周囲の人との関係などの相互作用で現出する症状のことです。
例えば、熟知している道に迷ったり、決まった時間に決まった場所を訪れなどの常同行動を行う行動症状が見られます。
また、無気力や、物を盗まれたと妄想することなども良く見られます。
4大認知症
認知症で代表的なものは、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがあり、4大認知症などといわれています。
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まったり(脳梗塞)、脳の血管が破れること(脳出血)などによって、神経細胞がダメージを受けて発症します。
レビー小体型認知症では、人や物が見える幻視や失語、手足の震えるなどのパーキンソン症状などが見られた李、就寝時に大声を出したり暴れるレム睡眠行動障害などが現れます。
それぞれの認知症の原因と対応、進行したらどうなるかをしっかりと把握しておくことが大切です。
アルツハイマー型認知症 検査
アルツハイマー型認知症の検査法は、本人・一緒に暮らす家族に問診をします。そこで、症状や病歴を聞き、神経心理検査を行い、認知機能の障害の程度を調べます(自分でできる脳の老化チェックはこちら)。
次に、MRIやCTの画像検査で脳の状態を調べます。さらに、脳血流を調べたり、脳FDG-PETとよばれる検査で脳の機能を調べる場合があります。
最近は血液検査で認知症が判明する方法も開発されてきています。
また、認知症と診断への不安から、本人が検査をを躊躇する場合もあります。
その時は、本人からの信頼が厚いかかりつけ医・ケアマネジャーなどから検査の必要性を説明してもらうのも一つの方法です。
少しでも認知症の進行を遅らせるためには、早めに検査を受けることが大切です。
アルツハイマー型認知症 対応
ご家族がアルツハイマー型認知症になったとき、以下のような対応を心がけるようにしましょう。
アルツハイマー型認知症を知る
アルツハイマー型認知症の原因や、進行するとどうなるか知識が必要になります。
知識がなく、対応の仕方を誤ると、信頼関係が築けず、介護拒否につながります。
アルツハイマー型認知症についての知ることで、的確な対応ができるようになります。また、進行によっては、介護施設への入居を検討するかなど、これからの介護計画も立てられます。
本人の対応に注意する
アルツハイマー型認知症を発症した後は、記憶力や判断力が低下します。しかし、羞恥心やプライドが低下することはありません。
本人の言動を強く否定することで、発症したものは強い恥を感じたりし、信頼関係が築けずに人間関係がうまくいかないことがあります。
対応を考え。受け入れたり、共感したりすることで本人は恥を感じることなく、安心感を羅れます。
生活習慣・環境の整備
生活習慣や環境を整備することで、アルツハイマー認知症の方が安心、かつリラックスして過ごすことができます。
また、環境の整備は、安全性と慣れた環境も作る必要があります。慣れ親しんだ環境が変わると、アルツハイマーに陥っている人は、不安を感じやすくなります。住み慣れた環境を保ちつながら、安全性をも確保する必要がある。
忘れないような工夫を
カレンダーやメモを活用して、大事な予定や約束、忘れてはならない事柄などを本人が確認できる状態にしておくとよいです。
具体的には、本人がいつもいる所から見える位置にカレンダーなどを置き、メモを貼ります。
メモは、大きな字で書き、ラインマーカーなどで目立つようにしましょう。
アルツハイマー型認知症 予防
アルツハイマー型認知症の対応は、発症すると、進行を遅らせると治療しかありません。そのため、日頃からの予防が大切です。
アバランスの良い食事、適度な運動(成長ホルモンを出す運動も考慮)、十分な睡眠、人との交流、知的ゲーム・パズル(ジグソーパズル等々)などが大切です。日記をつけるのも良いとされています。
糖尿病もアルツハイマー型認知症の引き金になります。
どうなると認知症になりやすいかを事前に知り、予防のための習慣を行うことが大切です。また、認知症ケアを受けるなどをされても良いとおもいます。コグニサイズのような運動も入れると良いでしょう。