
高齢者が罹りやすい目の病に、「白内障」「緑内障」「加齢黄斑変性」があります。これらは、重くなると失明につながるものです。
片目の機能をもう片方の目で補う「両眼視機能」や、脳の見えない部分を情報を補う「補填機能」があるので、気づかないことがあります。
そのため、自覚症状が現れる時には失明など手遅れの状態になります。
高齢になったら一年に一回、眼科を訪れて診察を受けるのがよろしいでしよう。
本日はレビー小体型認知症です。以前も説明しましたが、よりわかりやすく解説します。
〇本日のテーマ レビー小体型認知症
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症とは
これを中心として、レビー小体とよばれる物質が大脳皮質に蓄積すると、神経細胞が減ります。
これによりが発症します。一番多い認知症はアルツハイマー型認知症ですが、厚生労働省によるとレビー小体型認知症は全体の4.3%ほどとされます。
レビー小体型認知症 年齢
現在の研究では、レビー正体が出現のメカニズムがよくわかっていません。
ただ、脳の年齢的な変化と考えられていて、70歳半ばを過ぎた高齢者に多数みられます。
まれに30歳代でも、発症します。

レビー小体型認知症 症状
記憶障害、中核的特徴、支持的特徴と呼ばれる症状が見られます。
順に解説していきます。
レビー小体型認知症 中核的特徴
中核症状として、認知機能の障害、幻視、パーキンソン症状があります。
認知機能の障害
認知障害は意識がはっきりして、判断する力、理解する力が十全に機能している時と、そうでない時が交互に繰り返されます。
幻視
以前幻視についてお話ししました。
幻視は「(いないのに)子供がいる」「虫が這っている」など、そこに実際ないのに、見えてしまうことです。
「壁のシミ、天井の木目などが生物に見える」など違ったらものに見える錯視や、幻聴などもレビー小体型認知症ではよく起こります。
パーキンソン症状
静止しているのに手足の震え、筋肉のこわばり、動きが遅滞する症状です。
パーキンソン病で見られる特徴的な症状で、レビー小体型認知症でもよくみられます。
パーキンソン病とレビー小体型認知症の関係はこちらをどうぞ。
レビー小体型認知症 支持的特徴
支持的特徴は次の様なものがあります。
レム睡眠行動障害
睡眠時に大声で寝言、奇声を出す、怒る、暴れるなどが現れます。
レム睡眠行動障害と呼び、悪夢を見て、夢の中での行動が現実に出てきます。
自律神経症状
異常な発汗、だるさ、起立性低血圧、尿失禁など、自律神経が障害されることで起こる不調のことです。
その他の症状
抗精神病薬の副作用反応をおこしやすくなったり、抑うつ症状の出現、嚥下障害などの症状などが出現します。
レビー小体型認知症 検査
一般的な検査を説明します。
認知機能検査
医師が質問による認知機能検査や描画のテストなどです。
初期の段階でも、注意や実行機能、視空間認知の障害が認められる場合があります。
脳血流の検査
脳の血流を画像で確認する脳血流SPECT検査は、後頭葉や後部帯状回などの血流が少なくなるが見られます(脳血流が悪いと、他の認知症を発症するきっかけになります)。
後頭葉は視覚などを司るので、そこの血流が低下すらと、幻視がでやすいとされています。
MIBG心筋シンチグラフィ検査
原因物質であるレビー小体は心臓を司る交感神経にも現れるため、発病初期でも異常が出現することがあります。
レビー小体型認知症 初期
初期症状(軽度)
嗅覚の異常、レム睡眠行動障害、便秘などが現れることが多いです。
その後、「起立性低血圧」からの立ちくらみや幻視やパーキンソン症状などが出てきます。
食事や水を飲む時の嚥下障害も見られます。
さらに進むと、幻視や錯視が現れ、幻聴・妄想も目立つようになります。
一方で認知機能は比較的保たれ、軽度な物忘れで済むことが多く、理解力・見当識の低下もあまりありません
中期症状(中等度)
パーキンソン症状が顕著になり、歩行が困難になり、認知機能の障害が見られます。 ミュニケーションが難しくなると同時に、幻視・妄想も悪化します。
後期症状(重度)
パーキンソン症状や認知機能がより悪くなり、日常生活を送るために介助が必要です。
認知機能はいつも悪いままです。嚥下機能障害が大きくなり、誤嚥性肺炎の危険が増大します。
レビー小体型認知症は、大体が10年未満の余命であるとされます。
直接的な死亡原因は肺炎が大きくなります。嚥下機能が衰えるほど、口腔内の清浄などケアが必要です。
レビー小体型認知症 治療
薬物治療と非薬物治療があります。
薬物治療
認知機能障害には抗認知症薬、パーキンソン症状には抗パーキンソン薬、レム睡眠行動異常には不眠症治療薬が使われ、症状ごとに対処されます。
薬を用いない治療
薬を使わない治療は症状によって対応が変わります。
パーキンソン症状への対応
パーキンソン症状の筋肉のこわばりや手足の震え等から、転倒しないように注意が必要です。
室内には物をあまりおかないこと。段差をなくすことなどです。
椅子からの立ち上がり、階段の上り下りなど転倒(場合により、ケガや骨折)を防ぐことが大切です。
幻視への対応
さらに、幻視に対応するために明るさを一定に保つ。また、柄付きの壁にするとそれが幻視を誘うことがあるので、柄がない無地のものがよいです。
また、見えないものを「見えた」と述べる時に、本人の言っていることを完全に否定するのではなく、本人の恐怖感、不安感をくみ取りながら対応することが大切です。
また、また、急な声掛けなどせずに、驚かせないようにすることが大切です。
認知機能の障害への対応
レビー小体型認知症では、に興奮状態になったり、無気力や錯乱状態を繰り返す場合があります。
本人の調子がよい時を見計らって、大切なことを伝えるましょう。
調子が優れないときは、近くで見守り、緊急の事態に対応できるように配慮しましょう。
介護疲れに陥って、介護する側が心身の調子などがおかしい時は施設への入手も視野にいれましょう。まず、無料の相談を利用するアリと思います。
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