
昨日は「むくみ」についてお話ししました。
むくみの原因は、病気が関わっている場合と、関わっていない場合があります。
左右同じようにむくみが出ている時などは、心臓や腎臓などの病気が関わっている場合があります。
また、左右どちらかに、むくみが出ている時も、「下肢静脈瘤」「リンパ浮腫」「慢性静脈不全」「怪我」「感染症」などの可能性があります。
いずれにしても、むくみが出た場合は、医師の診断を仰ぐのがよろしいでしょう。
本日は下肢静脈瘤の話です。
〇本日のテーマ 下肢静脈瘤
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
下肢静脈瘤
肢静脈瘤とはどんな病気
下肢静脈瘤とはふくらはぎなど静脈が膨れ、こぶのようになる疾患です。同時に、だるさ・むくみなどが起こります。
さらに放置すると、皮膚が黒ずみ、湿疹、痒み、さらには潰瘍(かいよう)が起きます。
この潰瘍の部分から細菌などが入り、感染症をおこします。また、出血することもあります。
遅くなってからの治療は、黒ずんだ色は治らず、もとの状態になりにくいので早めの治療が大切です。

下肢静脈瘤 原因
足の静脈は、二酸化炭素や老廃物を含んだ血液を心臓に戻す働きをします。
静脈の中には、弁があり、血液の逆流を防ぎます。この静脈の弁が壊れると、下肢静脈瘤を発症します。
弁が壊れることで、下流の静脈に血液が逆流して、静脈がこぶ(瘤)のようにふくれます。
また、二酸化炭素や老廃物の含んだ血液がたまるため、むくみ・だるさが現れます。
遺伝や妊娠、長時間の立ち仕事等により、弁が壊れるとされています。
下肢静脈瘤の症状
下肢静脈瘤による「だるい」「むくみ」「だるさ」は、長時間立ったあと、また夕方に起こりやすいです。
こむら返り
就寝時の「こむら返り」も起こりやすくなります。これは、下肢静脈瘤でなくても、激しい運動の後に起きやすい「ふくらはぎのツリ」です。よく「ツッた!」「ツッた!」というやつですね。
ただ、下肢静脈瘤のこむら返りは、布団ですやすやねている明け方おこりやすいです。
このこむら返りは、下肢静脈瘤の初期から中期に症状が進むときに起こりやすいと言われています。
むくみ
すねの肉の部分をぎゅっと、指で押すとひっこんだままになっている。また、靴下の跡がつくなどがおこります。
このほか、湿疹や、皮膚炎をおこす場合も生じます。さらに、潰瘍、出血もみられます。
肢静脈瘤 症状
下肢静脈瘤は伏在型(ふくざいがた)静脈瘤、それ以外の軽症静脈瘤に分類されます。
伏在型静脈瘤はだんだんとに悪化して静脈のこぶが肥大化して、盛り上がってきます。先ほど説明したものがこれにあたります。
疲れだるさ等の症状が起こり、初期など与圧靴下(弾力ストッキング)で対応できますが、進行すると手術が必要です。
軽症静脈瘤は、くもの巣状静脈瘤が代表的な症状で、血管がクモの巣のごとく、皮膚にひろがります。
中高年の女性に多いです。症状はほとんどありません。くもの巣状静脈瘤から、伏在型静脈瘤になることはないです。
ただ、くもの巣状静脈瘤の下、伏在型静脈瘤が隠れていることがあるので、超音波で調べる必要があります。

下肢静脈瘤 超音波検査
最近では超音波(エコー)で検査をするのが一般的です。超音波検査はゼリーを塗ったあと、皮膚の表面から静脈を検査します。
身体の負担がないので、繰り返し行えます。。また、血流が見え、静脈弁の異常がわかります。静脈超音波検査は、熟練した検査の技が必要になります。
治療法治療法は弾性ストッキングによる圧迫療法、静脈を注射で固める硬化療法、手術があります。
手術は、ストリッピング手術(静脈の引き抜き)と、レーザーで静脈を焼射する血管内レーザー治療があります。
治療後の痛み、治療費、静脈瘤のタイプと程度を診断の上、年齢、生活習慣等を勘案して、適切な治療法を選ぶことです。
下肢静脈瘤 血栓
血栓が飛んで脳梗塞や心筋梗塞を併発するかもしれないと心配する人もおられるでしよう。
一般に静脈瘤の血栓が肺の血管に詰まった場合を「エコノミークラス症候群」と呼びます。
ただ、話を聞くと臨床的に、エコノミークラスを治療すことは滅多になく、医師の指示に従って治療を受ければ、大丈夫です。