自己愛性パーソナリティ障害の特徴、チェックの仕方
話していても、「見下すか」「見下されるか」の関係にしかならない。
時にパワハラを仕掛けてきて、相手を支配下に置きたくなる。
そんな「自己愛性パーソナリティ障害」の人に関わっている人が多いと思います。
今回は「自己愛性パーソナリティ障害」の話です(4回シリーズ)。
○本記事のテーマ
自己愛性パーソナリティ障害の特徴、チェックの仕方
○今週の流れは以下のとおりです。
①自己愛性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(本日) ②自己愛性パーソナリティ障害の原因(明日) ③自己愛性パーソナリティ障害をブロックする方法(明後日) ④自己愛性パーソナリティ障害の治療(明々後日)
○記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。30年以上の悩みの相談を受けていました。
○読者への前置き
前回は、境界性人格障害が原因で人間関係がうまくいかない人の話でした。今回から自己愛性パーソナリティ障害でうまくいかない人の話です。
自己愛性パーソナリティ障害の特徴について
自己愛性パーソナリティ障害の人は、自尊心(プライド)が高く、自分の弱みを見せるのを恥とします。
上記しましたが、他人との関係が「見下す」か「見下される」関係になります。つまり、自分より上か、自分より下か、または自分の延長(家族等)の3通りしかありません。
自分より上は、「周りから評価が高い人」「社会的地位や学歴が高い人」「尊敬や称賛を受けている」となります。そのような人を崇拝しますが、失望するととたんにけなします。
また、自己愛パーソナリティ障害の人は、自尊心が損なわれると「強い怒り」に囚われます。物事がうまくいないと「ひどく落ち込み」、「現実逃避」がみられることも特徴です。
自己愛性パーソナリティ障害のチェック表
米国の精神医学界の診断基準(DSM)によると、以下のうち5つがあれば自己愛性パーソナリティ障害とされます。
●誇大なことを言ったり、行ったりする。また、称賛を周りから要求する。共感が欠如している。これは、以下のことで行われる。以下のうち5つ以上が必要である。
・自分が重要なものであること、才能があるとの誇大な、根拠のない感覚を持つ。
・途方もない業績、影響力、権力、知能、美しさ、完全な恋の空想にとらわれている。
・特別であり、独特な、最も優れた人々とのみ自分が付き合うべきと信じている。
・無条件に称賛されたいという欲求がある。
・特権意識を持っている。
・目標を達するために他者を利用する。
・共感が欠如している。
・他人を嫉妬したり、他人が自分を嫉妬していると信じている。
・傲慢(ごうまん)、横柄(おうへい)である。
※これらの症状は成人期早期まで始まっている必要がある。
相談コーナー
Q:私の上司なのですが、部下のアイデアを聞いて、それをあたかも自分のアイデアのように言う人がいます。
以前、アイデアが素晴らしくて、製品開発に結びついて、その売れ行きが良くて社長から、上司が表彰されたことがありました。無論、部下のアイデアです。
周りの部下たちが、「あの商品のアイデア○○さんのだよね」と言っても耳を貸さない状況です。この上司は自己愛性パーソナリティ障害でしょうか?
A:かなりその可能性がありますが、上のチェック表で5つ以上あるかを調べてください。自己愛性パーソナリティ障害の場合、自分のステージ(例えば出世)を上げるために、他人を利用する場合があるので、注意が必要です。
対応の仕方は今後述べますが、ただただ利用されることに注意が必要です。自己愛性パーソナリティ障害の人への支援の仕方も後々述べます。