人間関係に疲れた時6(自己愛性パーソナリティ障害の特徴・チェック)

  自己愛性パーソナリティ障害の特徴、チェックの仕方

話していても、「見下すか」「見下されるか」の関係にしかならない。

時にパワハラを仕掛けてきて、相手を支配下に置きたくなる。

そんな「自己愛性パーソナリティ障害」の人に関わっている人が多いと思います。

今回は「自己愛性パーソナリティ障害」の話です(4回シリーズ)。

○本記事のテーマ

自己愛性パーソナリティ障害の特徴、チェックの仕方

○今週の流れは以下のとおりです。

①自己愛性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(本日)

②自己愛性パーソナリティ障害の原因(明日)

③自己愛性パーソナリティ障害をブロックする方法(明後日)

④自己愛性パーソナリティ障害の治療(明々後日)

○記事の信頼性

記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。30年以上の悩みの相談を受けていました。

○読者への前置き

前回は、境界性人格障害が原因で人間関係がうまくいかない人の話でした。今回から自己愛性パーソナリティ障害でうまくいかない人の話です。

自己愛性パーソナリティ障害の特徴について

自己愛性パーソナリティ障害の人は、自尊心(プライド)が高く、自分の弱みを見せるのを恥とします。

上記しましたが、他人との関係が「見下す」か「見下される」関係になります。つまり、自分より上か、自分より下か、または自分の延長(家族等)の3通りしかありません。

自分より上は、「周りから評価が高い人」「社会的地位や学歴が高い人」「尊敬や称賛を受けている」となります。そのような人を崇拝しますが、失望するととたんにけなします。

また、自己愛パーソナリティ障害の人は、自尊心が損なわれると「強い怒り」に囚われます。物事がうまくいないと「ひどく落ち込み」、「現実逃避」がみられることも特徴です。

自己愛性パーソナリティ障害のチェック表

米国の精神医学界の診断基準(DSM)によると、以下のうち5つがあれば自己愛性パーソナリティ障害とされます。

●誇大なことを言ったり、行ったりする。また、称賛を周りから要求する。共感が欠如している。これは、以下のことで行われる。以下のうち5つ以上が必要である。

・自分が重要なものであること、才能があるとの誇大な、根拠のない感覚を持つ。

・途方もない業績、影響力、権力、知能、美しさ、完全な恋の空想にとらわれている。

・特別であり、独特な、最も優れた人々とのみ自分が付き合うべきと信じている。

・無条件に称賛されたいという欲求がある。

・特権意識を持っている。

・目標を達するために他者を利用する。

・共感が欠如している。

・他人を嫉妬したり、他人が自分を嫉妬していると信じている。

・傲慢(ごうまん)、横柄(おうへい)である。

※これらの症状は成人期早期まで始まっている必要がある。

 

 

            相談コーナー

Q:私の上司なのですが、部下のアイデアを聞いて、それをあたかも自分のアイデアのように言う人がいます。

以前、アイデアが素晴らしくて、製品開発に結びついて、その売れ行きが良くて社長から、上司が表彰されたことがありました。無論、部下のアイデアです。

周りの部下たちが、「あの商品のアイデア○○さんのだよね」と言っても耳を貸さない状況です。この上司は自己愛性パーソナリティ障害でしょうか?

A:かなりその可能性がありますが、上のチェック表で5つ以上あるかを調べてください。自己愛性パーソナリティ障害の場合、自分のステージ(例えば出世)を上げるために、他人を利用する場合があるので、注意が必要です。

対応の仕方は今後述べますが、ただただ利用されることに注意が必要です。自己愛性パーソナリティ障害の人への支援の仕方も後々述べます。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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