アイデンティティー    / パニック障害 自律訓練法の利用   / ポジティブシンキング(スルーの仕方)

パニック症状の日常な対処方法を述べています。先日は、睡眠時間の整え方と食事の整え方を述べました。

この2つが整っていくと、体内時計がかなり調整されます。
本日は他の方法である、「自律訓練法」や他の方法を解説します。マインドフルネスは以前説明しました。
今日は、「治し方2」、明日は「治し方3」をお話します。

ポジティブシンキング(プラス思考)で「スルーの仕方」を述べます。

〇本日のテーマ

パニック障害 治し方2
ポジティブシンキング(スルーの仕方)

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・また、プラス思考(ポジティブシンキング)の持ち方の紹介をしています。

パニック障害 治し方2

1932年にドイツの神科医シュルツ(Schultz, J. H.)が、提唱したというものに自律訓練法という方法があります。
心身がくつろいだ、ゆったりしたものになります。効果は、次のように言われています。

【効 果】
● 不安や緊張が少なくなる
● 自己コントロールができ、衝動的な行動が減ずる
● 集中力がつく
● 疲労が回復する
● 心身の苦痛が緩和される

以下のように7つの公式があり、ここでは第1・第2の公式をご紹介します。第3から後は専門機関で行うことをお勧めします。
第1・第2でもかなり上の効果が得られます。

ただ、心臓病、糖尿病、低血糖症、妄想などある人、その他精神疾患のある人は、かかりつけの医師と相談の上行ってください。パニックの人も念のため、医師に相談するのがよいでしょう。

単にパニックだけでなく、さまざまな不安や強迫症、過敏性腸症候群等、大きな効果が期待できます。

【公 式】
● 背景公式「気持ちが落ち着いている」
● 第1公式「両手両足が重たい」
● 第2公式「両手両足が温かい」
● 第3公式「心臓が規則正しく、静かに打っている」
● 第4公式「呼吸が楽だ」
● 第5公式「太陽神経叢(みぞおちあたり)が温かい」
● 第6公式「額が涼しい」

【やり方】

1.姿 勢
「仰(あお)向けになり横になる」か、「椅子に座る」かをしてください。椅子は背もたれのないものが良いですが、背もたれのある椅子を使う時は寄りかからぬようにします。

両足は肩幅ほど開き、膝は90度より少なめに曲げます。足裏はしっかりと床に付けます。両足とおしりで体重を支えます。

仰向けに寝る時は、足を自然に開き、手と胴も自然に離して寝ます。
唇はやや開いて、上下の歯がかみ合わないようにします。

2.やる時間
一日のどこかで、10分程度の練習を朝昼夜してください。
やり方を覚えると、仕事中でも練習が可能になります。

3.背景公式「気持ちが落ち着いている」
目を閉じ、深呼吸をします。肩の力を抜いて息を吐きます。あちらこちらの体のこわばりをとり、ゆったりと緩めます。
「自然と気持ちが落ち着き、その落ち着きをそのまま受け入れる」態度をとるようにします。

4.第1公式「両手両足が重たい」
まず右手(利き腕)が重たいと心で唱えます。その際、単に言葉だけではなく、重たい感じを右手に思い出します。
「腕を使うスポーツをして、腕が重だるい感じは、こんな感じだったなあ」と、重だるい感じを実際に腕に思い出します。

何日かやっている内に、右手が本当に重く感じます。
コツは、体に感覚を思い出すことです。
暗示に書けやすいように「おもたーいー」と語尾を伸ばしてよいでしょう。

右手が重たい感じがつかめたら、次は左手に重たい感覚を思い出します。
同様に、右手・左手・右足・左足と行っていき、最後は全身に重たさを広げてください。

右手の感じがつかめたら、次に左手と、一つ一つの感覚をマスターして、進むという感じでやってください。
とてもゆったりした気持ちの良い状態になります。

注意は寝てしまわないことが大切です。脳波にα(アルファ)波が現れて(さらにゆったりした脳波も現れます)、気持ちが良いので寝てしまします。寝ると効果はあまりないとされます。

体に虫がはうような「ムズムズする感覚がある」時は、一度注視して、その感覚を取ってから、始めてください。

5.終わったら急に立ち上がらない
心身がまったく動いていない状態なので、いきなり立ち上がったり、動き回ったりせずに、両手グッパーを5回ほどして、両腕を上げ、体全体を伸ばし、目を開けます。

6.第2公式「両手両足が温かい」
これも、右腕に暗示をかけます。例えば、「夏の日、スポーツをして、右手を使った。今は心地よい部屋にいるが、右腕を使っただるくて暖かい感じが残っている」などと「温かい感じ」を思い出します。

これも朝昼夜10分やっていると、何日かで「温かい感じ」が右腕に実感できます。実際に腕の体温を測ると、いくらか高くなっています。

右腕が実感出来たら、左腕、右足、左足、全身と実感を体験していきます。全身に温かさが広がると、とてもリラックスした良い気持ちなります。
終わり方は、「腕が重たい」と同じように急には立ち上がりません。

この自律訓練法は、とても効果があり、さまざまな心の病に活用されています。第1公式と第2公式は、独習が可能なので、どうぞ試してください。

ポジティブシンキング 「スルーの仕方」

以前、悪意の会話には2つのチャンネルがあることをお話ししました。
仕事でミスをしたときに、「さすが仕事ができますね!」と人を持ち上げるようにして、馬鹿にする言い方ですね。

「さすが仕事できますね!」という言葉には、表チャンネル「仕事ができる」と言う言葉、裏チャンネル「お前またミスしている。仕事できねーな」の2つの意味がふくまれています。

相手の嫌味には、裏チャンネルを無視して、表チャンネルだけで対応をするのです。

以前ご紹介した、「さすが大学出」とか、言ってきた場合は、「はい。大学出です。それがなにか?」とか、「それで?」とか、表チャンネルを返せますが、「仕事できますね」は表チャンネルを返せませんね。「はい。仕事できます」と言ったら、おかしなことになります。

対応できない時は、マイナスの言葉を言わずに、「気を付けます」と短く言って切り抜けましょう。または、「アドバイス。ありがとうございます」とかですね。
「仕事ができますね」という表チャンネルの言葉は対応しようがないので、「気を付けます」という言葉がいいですね。

反論をすると、相手はさらにこちらを馬鹿にしてきます。口だけ丁寧に返して、心は相手にしなければ良いのです。

それでも、うるさい場合は、「それで?」「ご心配してくれてありがとうございます」位でよいでしょう。
「馬鹿にしているのか」と言ってきたら、「してませんが」と悪まで丁寧に返して、ネガティブな言葉をさけてください。

人間は社会的な動物で、相手の話に乗って、自分のと相手の話を合わせようとします。
相手は裏チャンネルの言葉にこちらが合うように話してきます。
裏チャネルは徹底的に無視をしてください。

余りにうるさい時は、「それで、他になにかありますか」と話を切る方法がありますが、ケンカになることがあるので、これは最後の手段です。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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