人間関係に疲れた時40  躁うつ病 接し方 職場 /アドラー心理学 人間関係 

前回は家庭での躁うつ病の方の接し方を解説しました。

今回は職場での接し方を解説します。

躁うつ病になると、気分が安定しなく、場合によって躁うつ病の人の言葉で職場が凍りつくこともあります。

全員で協力してなんとか乗り切っていきたいです。
アドラ心理学は、「自己主張」です。

〇本日のテーマ
1.躁うつ病  接し方   職場
2.アドラー心理学 

〇記事の信頼性

記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学とと心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。

躁うつ病 接し方 職場

こんなことがありました・・・

私の部下ですが、入社当時、実にエネルギッシュで、やる気満々でした。こちらが心配するほど、夜も寝ずに働きます。

「体を休めなければだめだ」とアドバイスを与えますが、「大丈夫」と言って言うことを聞きませんでした。

職場での口が悪く、時に「周りの先輩たちは仕事が遅い。俺のような即戦力の新人が入社して、会社は助かっているはず」と大声でいったりしまう。

先輩の社員は、かなりむっとしている様子でした。

ところが、ある日、突然出社しなくなり、無断欠勤を繰り返します。どうしたものかと家庭訪問をして、母親に様子を尋ねると、布団の中から出てこないとの話でした。

本人と会うと、全く別人のように生きるエネルギーを感じられず、そのまま病院に連れて行くと、医師から「Ⅱ型の躁うつ病」と診断をされました。

私はうつ病の社員を持ったことがありますが、躁うつ病の社員はありません。どのようにしたら良いでしょうか?

以下のことに気をつけられたらどうでしょうか?

【まず、仕事の継続に関して、医師の判断を】

まず、うつ病や躁うつ病の場合、症状が悪化した場合、自殺の危険などが起こってきます。仕事の継続が可能かどうかは医師の判断が必要となります。

素人判断をせずに、休養させる場合は、きっぱりと休養をさせなければなりません。

また、部下の方も自分が「精神的な病気」の可能性があると、隠したり、病院にいくことを拒否する人がいます。家族の方と相談の上、まず受診することを勧めてください。

【症状が落ち着いて働ける場合、障害受容を進める】

躁うつ病に罹(かか)っているもの会社で働ける場合は、まず、本人や家族が「躁うつ病であること」をしっかりと受け止め、可能なら、会社の仲間たちに打ち明けることです。

ただし、これは、あくまでも本人の承諾が必要で、本人が嫌だと思った場合は、プライバシーの関係上、打ち明けないことです。

なぜ打ち明けるかというと、躁うつ病のさまざまな行動が起こった時に、仲間たちから、「それは躁うつ病だね」とわかり、職場の人間関係がギクシャクしないからです。

例えば、躁状態で、自我が肥大したような喋り方(「俺は仕事ができて、最高〜。周りのみんなは最悪〜。などと言った場合、周りが躁うつ病と知っていれば対応できます。

ただ、あくまでも職場内プライバシーに止め、他言はしないように注意をしないといけません。また、本人の了承が常に必要です。

【部下、上司、同僚たちはセルフマネジメントをしっかりと。

まず、躁うつ病の症状が出たら、その部下の人がセルフマネジメントを図らなければいけません。「自分の心はこのような状況だから、次は○○が起こるなー」などです。

また、上司も部下に症状が出たら、どのような行動を取るかセルフマネジメント保つ必要があります。同僚の協力が必要な場合、手順をマニュアル化しておくと良いでしょう。

突然、気分が代わり、自傷行為に走るかもしれません。その場合どうするかを事前に話し合い、取り決めをしておくことが大切です。

【共通認識を持つ場合に、気づいたことを話し合っておくことが必要】

「こんなことがあったら、こうする」ということを事前に取り決めておくと、人間関係がスムーズになると思います。

注意をしなければならないは、仕事のミスや失敗、いざこざを全て躁うつ病のせいにすると、結局「躁うつ病に逃げ込む(自分は悪くない、躁うつ病のせいだ)ことになります

注意を与えたのは、「○○だから、注意をした」と、理由(根拠)をしっかりと伝えることが大切です。

【躁うつ病が起こる直前の行為などを記録に取って、次に役立てる】

躁病期に入る時に、「自我が肥大をして、やたらと大きなことを言い始める」とか、パソコンをイライラして打ち込んでいるとか記録してためていくと良いと思います。

また、うつ病期に入りそうな時に、静かになって、喋らなくなるなど、その人の特徴をつけておくと良いでしょう。

【躁うつ病に罹っている部下の得意なことを割り当てられるような配慮】

躁うつ病はストレスが多いと、悪化したり、発症したりします。そこで、部下の得意な分野の仕事を割り当てられるような配慮ができればベストです。

周りの社員たちが、本人の躁うつ病を知らない場合、「えいこいき」をしているなどの不満がたまることがあり、社員同士のパワハラにつながることもあるので注意が必要です。

また、あれこれの仕事を任せると、躁やうつが激しくなることがあります。得意な仕事をじっくりさせることも視野にいれることが大切です。

 

アドラー心理学  人間関係  「自己主張」

アドラーは自己主張の仕方について、理性的に伝える必要があると述べます。

ついつい感情的になって、こちらの感情(怒りや悲しみなどの)気持ちを、正当な主張とならないように気をつけることの大切さを述べます。

伝える内容に、感情という衣(洋服)を着せたくなりますが、それを行うと効果的に物事が伝わらないことも多いです。

例えば、高圧的な言い方、断定的な言い方は、相手の自己決定権を壊してしまうことになる場合があります。

また、相手に「○○をお願い」という依頼する話し方は、相手の権利を認めながら、時に相手に対する責任を取ってしまう可能性があります。

そんなことはわかっていると言われそうですが、実は、これは自分の子供などの人間形成を損なうことがあります。

高圧的、命令的、断定的に常日頃から、子供に接すると、場合によっては子供が自分で何も決められない人格になることもあります(むろん、違う場合もあります)。

また、会社で高圧的な上司がいる場合も、部下たちは自分の考えで動けなくなる可能性があります。

相手の状況を考えながら、感情で断定的な話し方を避け、効果的に伝わる方法を考えることが必要です。これはわかっているようで、なかなか難しいことです。

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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