人間関係に疲れた時19 強迫性パーソナリティ障害(4)支援                      /アドラー心理学/認知症

強迫性パーソナリティ障害は、親の厳しいしつけ(しつけというよりも虐待に近い場合もあります)により、乳幼児の持つ「健全な万能感」が発揮できずに、無意識のなかに沈んでいくのでした。

親のしつけを完璧にするために繰り返し行おうとする方向で、万能感を発揮するのでした。何度も何度も「完璧に親の言う通り」と強迫的に繰り返します。

一部の学説には、強迫性パーソナリティ障害は、「怒りが根にあり、それが強迫行為を行わせる」との考えもあります(無論すべての人でありません)。

それでは、本日は支援について述べていきます。
また、昨日のアドラー心理学の続きと認知症の続きを書いていきます。

なお、時間がない時は書けない時もあるので、よろしくお願いします。

〇本日のテーマ

 1.強迫性パーソナリティ障害の支援
 2.アドラーの生涯(3)
 3.軽度認知障害の話(2)

〇以下の流れでお話しています 

 ①強迫性パーソナリティ障害の特徴とチェック表(3日前)
 ②強迫性パーソナリティ障害の原因(一昨日)
 ③強迫性パーソナリティ障害の者への対応方法(昨日)
 ④強迫性パーソナリティ障害の治し方(本日)
※ アドラー心理学、認知症の話はゆっくりと続けて書いていきます。

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学の記事を書いています。

強迫性パーソナリティ障害の人への支援

強迫性パーソナリティ障害の人は、こだわりを否定されると不安や怒りを感じます。そこで、まず、本人のこだわりを尊重するようにします。

このこだわりが、逆に「まじめな仕事ぶり」、「入念に仕事を行う態度」として評価を受ける場合があります。そのことを尊重しながらも、本人の不都合の改善を図ることが大切です。

例えば、「臨機応変な態度を取れない」「相手に自分の真面目な思いが伝わらない「(こだわりが強すぎて)馬鹿にされる」、さらには、周囲との摩擦から「うつ病などを発症している」などがあげられます。

相手のことを尊重しながら、「別の方法」「別の考え方」などの提案をすることも試みてみましょう。大切なことは、タイミングをみて行うことです。

実際に強迫的に行為をやる前に、「いつもは〇〇をやっているが、今日は××でやってみようか?」などです。回数を減らすのも良いでしょう。

提案したものを実際に行って、うまくいったら、その成功を褒めてあげたり、わかち合いましょう。

また、しつけにおいて強く叱られた記憶が残っていたら、その部分に向けてEMDRを行うのも良いと思います。

EMDRはもっぱらトラウマなどの思い出を軽くする心理療法で、眼球を左右に動かすことで、効果が得られます。

治療をやっている病院はこちらです。→EMDR治療者リスト | 日本EMDR学会

また、NLPという心理療法もあり、そこの中の「恐怖症の急速な治療」という方法が有効です。こちらは、追ってやり方を説明してきます。

ただ、強迫性パーソナリティ障害の原因になった出来事は、無意識にしまわれている場合が多いので、無理に思い出そうとせずに、専門医などをお訪ねになると良いと思います。

薬物療法は、SSRIなどの抗うつ薬や、抗不安薬が主体になります。


〇 アドラー心理学3

昨日「器官劣等生」という話を少ししましたが、アドラーは「劣等感」について、「健康で正常な努力」「成長のため」の刺激と捉えます。

劣等感は、

①劣等感
②劣等コンプレックス
③器官劣等性

の3つに定義しました。簡単に言うと、以下の通りです。

①の劣等感は、自分で自分の一部を劣等(劣っている)と感じること
※目標と現実の自分とのギャップからくるマイナスの感情も劣等感としました。
②の劣等コンプレックスは、自分が劣った存在であり、やるべき課題から逃げること
③の器官劣等生は、身体の機能が先天的な障害から劣っていること

アドラーは、①を重視し、この劣等感こそ、目標に向かって生きるエネルギーになるとしました。

また、アドラーは、人間は常に「優越性」を求めるもので、そこから悩みが生じるとしました。
自分が優れていることを、ひけらかす「優越コンプレックス」も提示しました。

これらの考えを、プラーター遊園地の大道芸人たちなどを診察をしながら確立していきました。

・・・明日に続きます。
アドラー心理学を深く学んで実践に役立てる講座があります。興味がある方はどうぞ。

(アドラーを深く学びたい人へ)

認知症2 認知症予防 ②

「軽度認知症障害(MCI)」から、認知症に進行する人の割合は、およそ年に5~15%と言われいます。

この進行を「コンバージョン」といい、進行せずに回復する人を「リバージョン」といい、「リバージョン」の割合は年に16%~41%と言われています。

神経細胞が変性しても、回復することは良くあると言われています。
ただ、認知症まで進んでしまうと、軽度認知症障害(MCI)には、回復しません。

この「リバージョン」をして、認知症にならないためには、活発に動くことが大切されています。

日常生活で、地図を見ながら知らない場所に興味をもって行ってみるとか、預貯金の管理(お金の管理)を細かく行うなどが有効とされています。

また、社会活動で、自宅にこもりっきりにならずに、人と会話をしたり、地域のボランティア活動、ゲートボール等のスポーツ大会も有効です。趣味も仲間を作って熱心にやってみましょう。

家庭菜園や孫の世話、ペットの世話、さらにできれば簡単なアルバイトをして、お金を儲けるのもよいと思います。

・・・明日に続きます。
(ぼんやりうっかり気になる人へ)

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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