人間関係に疲れた時21 回避性パーソナリティ障害(2) 原因 /アドラー心理学 /認知症

前回は失敗や他人の批判を恐れ、社会参加を避ける回避性パーソナリティ障害の特徴を述べました。

今日は、回避性パーソナリティ障害の原因を述べます。

アドラー心理学は、引き続き「アドラーの生涯」の話をします。

認知症は、認知症になった後の2次的な症状をお話をします。

〇本日のテーマ

1.回避性パーソナリティ障害の原因
  ・昨日が特徴・本日が原因  ・明日が対応と軽減の方法をお話します。
2.アドラーの生涯②・幸福になる考え方
         ・アドラーの生涯が終わった後に、アドラー心理学の理論を説明します。
3.4大認知症の2次的な症状について
認知症にかかると出て来る症状について述べます。

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学を書いています。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。
・さらに、社会的に需要の高い分野の記事(今は認知症)の紹介をしています。
・忙しい時は、記事が全て書けないことがあります。

回避性パーソナリティ障害の原因
【遺伝的な場合】

回避性パーソナリティ障害の人は、生まれながらに感じやすく、他人の評価が気になる人がいます。

遺伝的に、回避性パーソナリティ障害の人に陥りやすい人は、

・物事を回避しがちになる「抑制気質」
・不安になりやすい「不安気質」

の2つ気質をもっているとされます。

例えば、見知らぬ人や場所に対して強い不安を抱いて、回避する態度を取りやすい人は、この2つの気質を遺伝的に持っているとされます。

【後天的な場合】

ただ、一方で幼い頃活発に過ごしたのに関わらず、親の期待通りにできなく挫折感を味わったり、親や教師に強く叱責されたことで発症する人もいます。

回避性パーソナリティ障害の人は、一般的に「理想の自分」が常にあり、その「理想の自分」になれないギャップを恥と感じる傾向があります(無論、そうでない人もいますが)。

その「理想の自分」になれない自分を「ダメだ」と思うことで、他人との接触を避けたり、社会参加をしないようになります。
理想と違うあるがままの自分を認められないのです。

他人の評価を絶対視してしまう傾向は、期待通りにできなった自分や親・教師の叱責にあった場合に強く感じてしまいます。

①低い自己評価(今の自分)
②今の自分のあるがままの姿を認められない
③自分の価値が他人の評価で決まると思っている
④傷つくこと、恥をかくことを非常におそれること
⑤自主的な態度や考えをとれないこと

この「あるがままの自分」「等身大の自分」に気づくことが回復の方法になってきます。

以上のように遺伝と環境に原因が考えられますが、遺伝と環境の2つの影響を受ける場合があります。

明日は対応と軽減の話をします。

 〇 アドラー心理学とは 4(アドラーの生涯)

【アドラーの生涯続き】

(昨日の続きです・・・)
アドラーは、世界で初めての児童相談所をウィーンに創設します。そこで、子供達の精神的な健康ために、努力を続けた結果、アドラーは、子供達の精神的な健康ための心理学者として知られていきます。

心理学者でない親、教師に対して、アドラーは精神医学や心理学の知識を伝えます。

つまり、アドラーは診療所で診断をおこない、児童相談所で活動をします。さらに1924年に、ウィーン教育研究所治療教育部門の教授に就任します。

アドラーの伝記などを読むと(電気の内容が正しければの話ですが)、手を抜くことなく仕事をします。その働きから、アドラーの名声は年々世界的に高まっていきます。

1926年に米国の講演依頼をうけて講演旅行を行い、大成功を収めました。この時アドラーは、英語が上手く話せなかったため、英語を特訓したとされます。

一部の書籍には、このアドラーの諦めない態度は、アドラー自身が唱える「楽観主義」を実践したと述べているのもあります。


【楽観主義のすすめ】

アドラーは、「楽観主義」を唱えます。人生は良い時もあるし、悪い時もあります。
現実をキチンと見定めて、対応をします。今ある精一杯を行います。

今ある精一杯のことを行って、悪い時の準備をきちんと行っておけば、「例え悪いことが起こっても大丈夫」と楽観的に考えることができます。

また、アドラーは笑いの大切さを述べます。笑いは、人と人との輪を広げ、さまざまな勇気づけのきっかけを与えてくれます。笑いを忘れず活動をすることは大切なことです。

現実をしっかりと見据えて精一杯のことをおこなっていると、悪いことが起こっても、それは予想のうちなので、笑いを絶やすことがありません。つまり楽観的に生きることができます。

ところが、現実を見据えず、また対策を立てずに、その時の雰囲気で、「多分大丈夫だろう」と考えることは、悪いことが起こった時に、対応の仕方が分からずに笑いが絶えてしまします。

この「多分大丈夫だろう」とか「なんとかなるさ」とか思うことは楽天主義と言い、楽観主義と区別します。

アドラーは自ら楽観主義を自ら実践していたのかもしれません。

〇 認知症の2次的な症状について

昨日、4大認知症を述べ、5つの中核症状を述べました。

この5つの中核症状の他に、2次的な症状(周辺症状)も現れやすくなります。

周辺症状をBPSDといい、以下のものがあります。

1.徘徊や多動
あちらこちらを歩き回ったり、じっとしていられない。
2.幻覚や妄想
特によく起こるのが「財布を盗まれた」の盗(と)られ 妄想「妻が浮気をしている」などの被害妄想などです。
3.不安や焦燥
依然と同じことができなくなりイライラする焦燥、状況判断が難しくなるので、不安が多くなります。
4.抑うつ
気分の落ち込みが見られます。認知機能の働きが悪くなるアルツハイマー型認知症の初期でよく見られます。
5.意欲が低下する
好きだったことや、楽しいことに関心を示さなくなります。
6.怒りやすくなる
思うようにならないので、暴力・暴言が増える。攻撃的な言動をすることがあります。
7.異常行動
排泄物を触ること「不潔行動」や、食がとまらなくなったり、他人のものを食べる「食異常行動」が見られます。
8.昼夜逆転
夜に興奮して眠れなくなることがあります。

 

これらの周辺症状(BPSD)は誰にでも現れるものではないため、周囲の人との人間関係を保って、環境を整えることで、ある程度防げます。

周辺症状(BPSD)が現れたら、介護の環境を改めて、見直してみるのも一つの方法です。

また、このような周辺症状(BPSD)が起こっても、お年より方や障害をお持ちの方を否定しないことが大切です。

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
カテゴリー: 未分類 パーマリンク