人間関係に疲れた時25 今日の3つの悩み・解決法                                  /妄想性パーソナリティ障害 接し方 /アドラー心理学 /アルツハイマー型認知症

こんな困ったことがありました(悩み1)・・・

もともとHSPの気質がありましたが、上司(課長補佐)の叱責に妄想がおこるようになりました。

その課長補佐が、違う部署に異動になったのですが、
「次の担当の人に叱られるのではないか」
「同僚たちが、私を笑いものにして陰口をいうのではないか」
「自分を退職させるワナをしかけているのではないか」という思いが湧いてきます。

会社に来ているカウンセラーに見てもらったところ、妄想性パーソナリティ障害と言われ、休職が望ましいとされました。

この方は、上司から叱責を受け続けるなどのストレスに妄想性パーソナリティ障害が発症したと考えます。

本日は、妄想性パーソナリティ障害の人への接し方です。
また、アドラー心理学も話を進めましょう。本日は、「五大前提」のうちの「自己決定性」です。
認知症は、アルツハイマー型認知症の原因についてお話をします。

〇本日のテーマ
 今日の3つのことについての解決法も載せておきます

1.妄想性パーソナリティ障害 接し方 支援の在り方
2.アドラー心理学 「自己決定性」について
3.アルツハイマー認知症の原因について

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学を書いています。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。
・さらに、社会的に需要の高い分野の記事(今は認知症)の紹介をしています。

妄想性パーソナリティ障害 接し方
妄想性パーソナリティ障害の人と接し方は、何にもまして「信頼関係」が重要です。

発症が周りに厳しく叱られたことや、非を責められること、失敗を許されなかったことに起因しています。

この「叱る」「非難」「失敗を許さない」を繰り返すと、緊張や不安が高まったままで、症状がいよいよ悪化します。

そのため、妄想性パーソナリティ障害の人の考えを否定し、非難しないことが大切です。また、ストレスが妄想を膨らませるので、ストレスを少なくし、精神的な余裕を持たせることが必要になります。

妄想性パーソナリティ障害の人の思考の特徴は、自分の考え(妄想)に取りつかれて、他者の考えを受け入れません。理屈で説明しても受け入れず、攻撃されたとさえ思います

自分の考え・秩序を壊されるのを嫌う一方で、妄想性パーソナリティ障害の人が感じている、「不安」「緊張」に共感を持って接していくことです。

急には、こちらの言うことを受け入れがたいかもしれませんが、徐々に誤った考えを解きほぐしていくことです。

相手の評価が、あくまでも妄想性パーソナリティ障害の人の考えや事実とは違っていることを共に考えていく態度が必要です。

妄想性パーソナリティ障害の人は、自分の主張がもろいもので、世界観もあやふやであることを心のどこかで感じています。そこをゆっくりと考えていくことも大切です。

さらに、妄想性パーソナリティ障害の人の、妄想の力が強い時は、周りの人を巻き込むことがあります。「そうそう。そうだよね。その考え正しいよね」となると、余計に症状を悪化させます。

「信頼」と「共感」を保ちながら、中立性を忘れないようにすることが大切です。

 

 アドラー心理学 「自己決定性」

こんな困難なことがありました(悩み2)・・・

太郎君は大学を出て、商社で働きたいと思っていました。

小さい頃見たテレビドラマで、商社マンが世界を股にかけて、仕事をするというのがあり、太郎君もそのドラマの主人公のように働きたいと思っていました。

しかし、大学に入る直前に父親が病気になり、金銭的な事情から進学は諦めて、建築会社にはいりました。

しかし、これでは自分の夢はかなわないと思い、夜間の大学の商学部に入学して、8年をかけて卒業しました。

昼間、建設会社の仕事をして、夜眠い目を擦りながら大学の授業を受けました。卒業の時、東京の商社に合格して、自分の念願の仕事ができると心から喜びました。

しかし、その喜びもつかの間今度は母親が痴呆と、重い病気にかかり、地方にある自分の実家に戻らなければなりません。兄弟がいないので、そうするしかありません。

太郎君は会社を辞め、地方に戻るかどうか、悩みます。また、自分の運命を恨んでしまいます。

アドラー心理学の5大理論

アドラー心理学は「困難を克服する力」を「勇気」と呼び、困難を乗り越えるための活力を「勇気づけ」と言いました。

勇気づけを行うためには、5大理論があるとされます。それは、「自己決定性」「目的論」「全体論」「認知論」「対人関係論」です。

今日は「自己決定性」から述べます。

上の事例を、アドラー心理学の「自己決定性」からどのように考えれば良いでしょうか?

太郎君は自分は「運命の犠牲者」と自分の事を考え、全てを父親のせい、母親のせい、運命のせいにして、全ての夢を諦めて生きて行くことも可能です。

また、何とか工夫して、商社を辞めないようにするか、また、商社を辞めても、それに代わる何かを見つけていくことも可能です。

アドラーは、「人は自分の人生を画家のように描かなければならない」と述べます。このときの判断基準をアドラーは次のように考えることを提案します。つまり、

その選択は、
・ユースフル(有益か)
・ユースレス(無益か)

この判断の基準に従うと、後者の商社を辞めないように何とか工夫するか、商社を辞めても自分の価値が変わらない何かを見つけていくことがユースフルです。

自分の生き方を決める決定因は、環境でもなく、自分です。

自分の生き方がままならなくなった時、ユースフルかユースレスを考えて、勇気をもって、ユースフルのほうに歩み出してください。

いろいろな葛藤や、言い訳をしたい気持ち、自暴自棄の気持ちが湧き起こってきますが、勇気をもって、ユースフルを選択することの大切さをアドラーは述べます。

アルツハイマー型認知症 原因

次のような悩みの問い合わせがありました(悩み3)・・・

最近、物忘れが激しく、亡き父もアルツハイマー型認知症にかかっているので、私のかかってしまうのでないかと恐れています。

原因をおしえてください。また、普段の生活から改善することはあるでしょうか?

4大認知症の1つのアルツハイマー型認知症の原因は、アミロイドβ(ベータ)という神経細胞で作られるたんぱく質が増加します。

それが、「老人斑(はん)」という脳のシミのようなものがあちらこちらにたまり、周りの神経細胞を脱落させます。

アミロイドβが溜まり始まるのが、アルツハイマー型認知症を発症する10年から20年前といわれています。

また、アミロイドβが原因とするほかに、「タウたんぱく」の異常があげられます。タウたんぱくは、神経細胞の機能を調整し、形態を維持するために必要なものです。

タウたんぱくが神経細胞に繊維状に蓄積して、やがて神経細胞を死滅させます。この過程を、「神経原線維変化(しんけいげんせんいへんか)」と呼びます。つまり、

・アミロイドβの増加
・タウたんぱく質の増加

があげられます。予防は、次のこととされています。

1.生活習慣病を予防し、高血圧・高脂血症・糖尿病などをコントロールするなどの適切な治療が大切
2.適度な運動をすること
3.健康な食生活(魚、野菜などを多く含んだもの。和食や地中海食など)
4.社会活動などをして、脳の活性化を保つこと

海外の研究によると、アルツハイマー型認知症の家族が3親等内にいる場合、30%のリスクが高まるとの研究もあります。

その研究では、まず、遺伝よりも、老いて罹患(りかん)することが大きく、上のように、生活習慣病等を予防することが大切と述べます。

自分で「おや?」と感じたら、まず、医師に相談することが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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