人間関係に疲れた時30 今日の2つの悩み・解決法                          /うつ病 回復期2 /アドラー心理学

前回は回復期の前半を述べました。回復期の前半は、行きつ戻りつしながらも、焦燥感などが現れてイライラとすることがあります。

また、自殺の危険も、回復期の前期に増すので気を付ける必要があります。今日は、回復期の後期を述べます。

また、アドラー心理学のいう「全ての行動には目的がある」です。

〇本日のテーマ
以下の事を説明しながら、よく起こりそうな人間関係の2つの悩みについての解決法を載せておきます。

1.うつ病  回復期後半
2.アドラー心理学 「全ての行動には目的がある」について

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・毎日少しずつ人間関係を壊すことになる原因の心理学を書いています。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。

うつ病 回復期 後半 について
50歳の主婦です。主人がうつ病にかかり、半年間壮絶な日々を過ごしました。まず起こったのは、夜も眠れないという状態になりました。好きなお酒も飲まなくなり、ご飯もあまり進まない様子でした。特に夜中に目が覚めてしまって眠れないようでした。主人が昇進したばかりのころで、環境が変ったのが原因かも知れません。その後、「お前たちに面倒ばかりかける。申し訳ない」「給料ばかり安くて」などと異常なくらい、自分を責める言葉を繰り返しました。

これはおかしいと思い、すぐに心療内科を尋ねたところ、「うつ病」との診断でした。

会社に事情を言って、休職扱いをしてもらいましたが、その後、イライラが激しくなり「会社に迷惑がかかる」「出世ができなくなる」とうわごとにように言ったり怒り出したりします。

段々とエネルギーがなくなって、布団に入ったまま動かなくなる状態になりました。口で「死にたい」と言うのを、家族で恐れながら見守っている状況でした。

入院させようと思いましたが、精神的な病で入院させるのはかわいそうと思って、入院させずに、とにかくつきっきりで見守りました。

病院の薬が効いたのか、少しずつ元気が出て来て、「これで会社に行けるね。がんばろう」と言った矢先、マンションの5階から飛び降りる自殺騒ぎを起こしました。

警察から、医療保護入院という制度を教えて頂いて、すぐに入院しました。入院したことで、私たちもやっと安心して夜も眠れるという状態になりました。

その後、うつ病も良くなり、少し軽い焦燥感や不満足感がありましたが、調子の良い時はいつもの主人と同じ様子でした。

出社しての激務は医者に留められたので、仕事を自宅に持ち込んで遅れた仕事を取り戻そうとしました。もともと対人関係のもつれから、うつ病になったので、私も大丈夫と思い、夫のやらせたいようにやらせました。

生来の勤勉さが手伝って、どんどんと根を詰めていきました。でも、ある時、ぼっとし出したかと思うと、「やはり、俺には、この仕事は無理なのだ」「こんな夫で申し訳ない」と、またうつ状態に戻りました。

今までの解説の見直しを含めて、一般的なうつ病の発症の流れを述べてきました。

色が抜いてある四角の枠が、回復期後半です。この時期は、治りたいと思うようになる時期です。ただ注意をしなければならないのは、この時期に無理をすると、うつ病が再燃します。

事例のご主人のように、「自分が悪い。申し訳ない」と言うのを「罪業妄想」、「お金がない」というのを「貧困妄想」と言います。また、体が悪くないに「思い病気になった」というのを「心気妄想」といい、うつ病の3大妄想と呼ばれます。

生来真面目な性格(メランコリー親和型)であるために、根をつめて、今までの遅れを取り戻そうとしたりします。ゆっくりと時間を懸けて復帰していくのが大切です。

うつ病は、他の病気と同じように再発します。うつ病になった人の半数は再発するも言われています。

また、うつ病の症状が軽快後2・3カ月は再燃しやすいとされています。

回復への総仕上げの時期として、薬物治療を継続して、注意深く経過を見ていく必要があります。服薬は半年から1年さらに続けることが普通です。

アドラー心理学 行動の目的

目的論でも述べましたが、アドラーはあらゆる行動には目的があるとします。例えば、「怒り」は、「相手を攻撃することで、相手を支配したい」という目的があります。

「どうせ・・」とか、「でも・・」とか言う言葉を発する人は、「自分は今のままが良い。変わりたくない」「他人は信頼したくない」という目的があります。

こんな困ったことがありました・・・

職場でのことですが、交通事故に遭い、肩をぶっつけて思い通りに動かなくて困ったことがありました。リハビリを行ったのですが、どうにも痛みが取れません。仕方がないので、動ける範囲で動くようにしていました。

会社では、出勤すると、床掃除やトイレ掃除、給湯室の掃除をするのが日替わりの役目で、それぞれがしなければならない規則になっていました。役目に当たった人は、20分ほど早く出社をしなければなりません。

私は体が動かないので、掃除当番を変わってもらっていましたみんな「いいよ」と言ってくれて、私も申し訳ないと思いながらお願いをしました。

ただ、3カ月も経つころから、昔から気の合わない同僚の男の人が「3カ月経つのだから、いつまでも特別扱いはだめだよな。おなじ給料をもらっているのだから、みんな平等。特別扱いはだめ」と言ってきます。

その男性の言うことは正しくて、私も納得しますが、どう考えてみても正義の名のもとに私をいじめているとしか思えません。

この男性の行為も目的を持っています。正義を振りかざす場合は、「自分の思い通りにしたい」「思い通りにならないのを他人のせいする」という目的があります。

相手の目的を捉えて、マイナスの感情に押し込まれることを注意しなければなりません。


【良い関係は縦の関係よりも、横の関係】

「劣っているか、優れているか」「良いか、悪いか」「正しいか、間違っているか」等の関係は、全て縦の関係です。

縦の関係を改めて、横の関係を保てば、相手のマウントを取ったり、取れなくてやきもきすることはなくなります。

また、相手が縦の関係をどうしても、維持させたい(マウントを取りたい)と思ったら、あまり相手を刺激せずに、そっと心の線引きをして離れることをお勧めします。

後ほど、この人間関係ブログに「マウントをとる人からの離れ方」も載せたいと思います。

「私が正義」と「正義をひけらかす人」は、自分の思い通りに人を動かしたい目的があります(もちろん、人はそのように動いてくれません)。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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