人間関係に疲れた時35  /躁うつ病 診断基準 /アドラー心理学 

精神医学の面からと、心理学の面から、人間関係を損なう原因と対応を述べています。

今日から、躁うつ病に入って行きます。

後で述べますが、躁うつ病がひどくなると、境界性パーソナリティー障害と同じになっていきます。

知らずに躁うつ病に陥ることあります。注意が必要です。
アドラー心理学は、ライフスタイルです。

〇本日のテーマ
1.躁うつ病  診断基準
2.アドラー心理学 「ライフスタイル」とは

〇記事の信頼性

記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学とと心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。

躁うつ病 診断基準 (まず、Ⅰ型)

次のような相談がありました・・・

私の夫なのですが、最近、夜も寝ないで働いています。仕事は、マーケティングの仕事で自営なので、寝ないで働くは良いのですが、気になるのは、一週間ほとんど睡眠をとっていません。

また、やたらと勝ち誇ったようなしゃべり方をして、「いつまでも仕事をし続けられる、俺ってすごいね」と言います。しゃべり続け、聞いているほうが疲れます。

考えも次々と移り変るようで、話についていくこちらが大変です。

衝動買いをしてきて、驚くようにお金を使います。家族からみて、少しおかしいので、病院に行こうとしますが、「俺は異常でない!」と怒ったりします。


この人の夫は、気分の高揚、自尊心の拡大、多弁などがみられることから、躁(そう)うつ病が考えられ、いま躁の状態に陥っているかもしれません。

躁うつ病は、一般に次の2つのタイプがあります。

・Ⅰ型は、躁状態とうつ状態が繰り返される。
   ・Ⅱ型は、軽い躁状態とうつ状態が繰り返される。

躁うつ病の診断は難しく、特にⅡ型は、うつ病と見分けがつきにくく、何年も誤ったまま治療がなされることもあります。

この躁うつ病はさらに進むと、ラピッドサイクラー(急性交代型双極性障害)となり、目まぐるしく気分がかわり、場合によって境界性パーソナリティー障害のようになってきます(ただ、様子が似ているだけで、全く別の症状です)。

とりあえず、本日は、Ⅰ型の診断基準(米国精神医学会)を述べます。ただし分かりやすいに様に言い換えます。

【躁状態のとき】
以下のことがほぼ毎日、一週間持続することが必要である。
・気分が異常かつ持続的に高揚して、開放的で、怒りやすい。
・異常かつ持続的に亢進した(心が高ぶった)状態で目標を達成するための活動や活力があること。
・自尊心(プライドなど)の肥大や誇大
・睡眠欲求の減少(ねむたくない)
・多弁(つぎつぎとしゃべりまくる)
・観念放逸(思考のテンポが速く、一貫性がない)
・注意が散漫する。
・焦り(イライラ)が見られる。
・困った結果につながる活動に熱中する(買いあさり・性行為・投資など)
【うつ病】
以前と機能が変化を起こしていることが前提で、以下の5つ以上が必要
・ほとんど毎日の抑うつ気分
・ほとんど毎日、一日中の喜びの著しい減退
・一月で、5%の体重の減少、または増加
・ほとんど毎日の不眠、または過眠
・ほとんど毎日の焦り(イライラ)または、考えなどがのろくなるなど。
・ほとんど毎日の疲労感、気力の減退
・ほとんど毎日の無価値感、過剰か不適切な罪業観(自分が悪いなどと思う)
・ほとんど毎日の思考や集中力の減退、決断困難
・死を何度も思う。計画のない自殺念慮、自殺するための計画

気分障害は、進行することもあるので、早めの受診等が必要になります。

アドラー心理学 ライフスタイル

こんな相談がありました・・・

私の周りは仕事熱心な人が多くて、どんどんと昇進していきます。。
それに比べて、私はが昇進しなくて、どうして良いかわかりません。

何か、同僚に差を付けられたようで、何か悲しくなります。
どのように考えたら良いでしょうか?

まず、アドラーのいうライフスタイルについて触れていきましょう。

アドラー心理学は、ライフスタイルとは、「今の自分を理想の自分に近づけること」とします。

そこにたどり着くまで、どのような課題をクリアすれば良いのかが、悩みを解決するカギになります。

このライフスタイルは、「自己概念」「世界像」「自己理想」からなり、次のように考えられています。

・自己概念
今ある自分をどのようにとらえているか。
「私は〇〇ができない」などとネガティブな場合、自分を信頼したり自信を持つことができません。
・世界像
自分の周りの世界や人々の現状に対する信念である。
「自分の周りは偽善者しかない」などと、ネガティブな世界観を持っていると、周りの人々と信頼関係を持てません。
・自己理想                                 自己概念と世界像を前提にして、そこから自己理想を導きだします。自分はこうであり、自分の周りはこうであることから、「自分の理想はこうあるべき」となります。自己概念と世界像がネガティブならば、自分の理想はなかなか建設的になりません。


この方のライフスタイルを肯定的にするためには、次のように考えたらどうでしょうか?

自己概念をポジティブに変えるためには、次のようなものはどうでしょうか。
・今は自己評価が低いが、実は自分も仕事熱心におこなうことができる
・仕事以外に自分の力を発揮するものがある

世界像をポジティブにとらえるためには、次のようでしょうか。
・周りの人は、チャンスを活かして精一杯頑張っている

自己概念と世界像から自己理想を導くと、次のようでしょうか。
・周りの人と同じように、チャンスを活かして、自分の本来ある能力を発揮していく。
・真有の人と同じように、チャンスを活かして、仕事以外のところで新たな生き方を目指していく。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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