人間関係に疲れた時47                                                アスペルガー症候群 接し方 支援 /アドラー心理学 人間関係 チャレンジの評価

前回はアスペルガー症候群の方の就学(学校に通う)の問題と支援をお話しました。

人間関係がなかなかスムーズに運ばないのが、アスペルガー症候群の特徴です。

学校にいると友人関係、教師との関係等、人間関係が伴います。そこではアスペルガー症候群の子供さん、または周囲の人が苦痛を伴うことがあります。

では、どのように対応をするかの方法を今回は解説します。
アドラー心理学は「チャレンジの評価」です。

〇本日のテーマ
1.アスペルガー症候群 接し方 対応の方法
2.アドラー心理学 人間関係 「チャレンジの評価」

〇記事の信頼性

記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学とと心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。

アスペルガー症候群 接し方  対応の方法

今年小学校に入った男児を持つ母親です。

学友の子供らの仲間に入れずに、ぽつりとしていることが多く、また、他人の気持ちを考えずにズケズケと言いたいことを言ったりします。

また、姿勢が悪く手先が不器用です。また、話がかみ合わないことが良くあります
本で読んで、「もしかしたら・・・」と思い、医師の診察を受けると、アスペルガー症候群とのことでした。

さて、どうするかというのが正直な感想です。まず何から始めれば良いでしょうか?

 

まず、医師のアドバイスを受けながら、子どもさんのサポートをしていくことが大切です。その上で今後どのようなことが起こるかを予測して対策を立てることです。

1 「行動障害」を注意する
周りの人との関係で不安に思って起こってきます。具体的は次の通りです。
ストレスが多く懸かると現れることがあります。
ただ、全てが起こる訳ではありませんが、注意が必要です。

①食行動  偏った食事・食べていけないものを食べる・全く食べない等々
②物破損  服を破る行為・身近なものを破壊する等々
③自傷行為 頭を壁や床に叩きつける・髪を抜く・腕を噛む・傷をいじる等々
④他害行為 噛みつく・蹴る・つねる・殴る等々
⑤こだわり 人や物にこだわる・場所にこだわる・予定にこだわる等々
⑥睡眠障害 寝ない・寝つきが悪い・夜中に急に起きる・昼夜逆転等々
⑦排泄物  便いじり・便の壁塗り・便食い等々
⑧行動異常 多動・急な飛び出し・徘徊をする等々

2「未学習」「誤学習」について
アスペルガー症候群では、自分で物事をやろうとする力と、間違って覚えたことを修正する力が弱いことが挙げられます。そこで、次のことを心がけましょう。

①早いうちから、「未学習」について、チャレンジするように励ますこと。
②早いうちから、「誤学習」について、修正をすること。
特に「誤学習」が将来の「行動障害」につながる可能性があります。

3「行動障害」に陥らないために
ストレスを減らして、パニック等に落ちらない工夫が必要になります。
食事で偏りがあって、それを無理に直そうとすると、頭打ちなどの自傷行為が始まったりします。
その時は、嫌いな食べ物を上手く隠して与えるとか工夫がストレスを減らします。

また、登校をして友人関係で上手くいかなく、パニックを起こすなどのときは、先生と相談をして登校を控えるなどがあります。その場合の対応は昨日の記事をご参考に

4 サポートの眼目
アスペルガー症候群の生徒が理解しやすい、楽しいサポートがするのが大切です。

①どこに何があるかを、絵を描いて貼っておき、視覚的にとらえやすいように
例えば、下着の入っているタンスの引き出しには下着の絵、牛乳の絵を冷蔵庫に貼る等
②作業の手順を絵で分かりやすく
手を洗う順序、顔を洗う順序、排便の手順等なども紙に描いておくのも良いでしょう
③あいまいで含みのある言葉を使わない
例えば、「もっと頑張って」でなく「〇〇を頑張って」等具体的に
④遊びのなかで、「速い・遅い」「大・小」「前・後」の概念を
積木を使ったり、さまざまな用具を使って、楽しく子供と遊ぶようにして教える

5 親がさまざま教育方法の研修を受ける
アスペルガー症候群の教育プログラムは確立されつつあります。それらの研修を受けることをお勧めします。

⓵ TEACCHプログラム
「診断・評価」、「療育プログラム」、「家族・支援者へのサポート」、「就労支援」など様々なサービス群から出来ている。生涯を通じて行われる。現在発達支援センターなど、多くの施設で行っています。
② 感覚統合アプローチ
脳の情報処理の歪みを修正するアプローチです。ブランコに乗ったり、梯子(ハシゴ)を登ったり等をして、入力調整や姿勢、運動調整をします。
③ 認知アプローチ
物事を捉えるときのイメージのつくり方を絵カード等で訓練をします。
④ インリアルアプローチ
大人と子供が反応しあい、コミュニケーションを促進する方法です。
大人が、子供の気持ちを言語化する「パラレルトーク」、大人の行動や気持ちを言語化する「セルフトーク」等の訓練があります。
アドラー心理学  人間関係 「チャレンジの評価」

こんな質問がありました・・・

はあるものになりたいと思い、ずっと努力を続けてきました。それは、面接試験があって、試験を通らなければならないのですが、いつも失敗をします。

もう10回も落ちてしまいました。次も受けようかと思っていますが、なかなか気力がわきません。また、落ちてしまうかも知れないとの恐れもわきます。

どうしたら良いでしょうか?

何度も試験に落ちた場合、なかなか次へ進む勇気が出ない事態に陥ります。

また、だめでないか? また、あのイヤな気持ちを味わうのか?

アドラーは、「人間の全ての文化は、劣等感情に基づく」としています。何を言っているかと言うと、人間は自分が非力で失敗したことから、科学を発達させ、社会制度を改革したとします。

受験に失敗して、劣等感に苛(さいな)まれます。するとそこから、自分の改良がうまれます。他人の気持ちが分かるようになる。合格したら、どのように過ごせば良いかよりわかるようになる。

けして無駄ではありません。さらに、「どんなつらくても、自分はチャレンジできた」との評価は、自分に自信を持たせることになります。

 

 

 

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
カテゴリー: 未分類 パーマリンク