人間関係の心理学NO.11 死の欲動6

   相手のイヤな行動はどうして起こるのか?

頭痛の種 の無料写真

前回、自分や他人を無価値なものにしようとする死の欲動は、親と愛情をやり取りする部分(装置)から出てくると述べました。

例えば、赤ちゃんが自分の唇で、母親の乳房に吸い付いている時、赤ん坊は唇に死の欲動が働き出す装置が作られます。

つまり、唇と使うことでミルクをのんで「生きたい」という生の欲動と、自分や他人を「無価値にしたい」という死の欲動が混在するのです。

 ストレスを受けると、人は育ち切ってない部分に戻ってくる

例えば、赤ちゃんがお腹が空いてミルクを欲しいと思っているのに、母親がミルクをくれない時に、赤ちゃんは腹を立てます。

それがたびたび重なっていくと、唇を通しての怒りの他に、唇に「物足りない」「ほしい」という気持ちが残ります。

 

人間はストレスを受けると、「自分の育ち切れなかった部分にもどる」と言われ、これを固着(こちゃく)と呼ばれています。

自分の果たされなかった思いとか願望と怒りが、そこに固まってへばりついてしまうという感じですね。

ある大人が、人間関係で面白くないことがあると、唇に固着がある人は、酒を浴びるように飲んだり、煙草を大量に吸って、唇の「物足りない」「ほしい」という思いを補おうとします(無論全ての人がそうではありません)。

場合によっては怒りを伴い、酒を飲みながら、相手を攻撃したりします。

つまり、唇に固着が起こっていて、ストレスを受けるとそこに戻るのですね。

これは幼児期早期の事なので、無意識に行われます。

 

 相手をだます甘い言葉も唇が原因で起こることがある

甘い言葉をかけて、女性にプロポーズをして、一緒になったとたんに暴力を働く男の人が時々います。

この甘い言葉というのは、唇を通ってくるので、赤ん坊の甘いミルクと同じです。いわゆる唇の固着から起こることがあります(無論そうでない場合もあります)。

甘い言葉の裏に「死の欲動」がありますので、怒りを伴った攻撃・暴力に変換することがあります。

次回に続きます。

禅語もどうぞ→cocoreotaka(@Takachio6)さん / Twitter

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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