人間関係の心理学NO.17 唇による心の傷7

 罪悪感を味わおうとするが失敗を繰り返す

 

    前回の話

前回、生まれたての赤ちゃんは、良い悪いの区別がはっきりとして中間がない。

自分(赤ちゃん)とお母さんは同じ思いや感情をもっていると思いがちになる。

この2つから抜け出すためには「罪悪感」が必要でした。

人間は育ち直しを繰り返す

大人がストレスを受けると、「自分が育っていないところ」に戻って考えたり、行動をすることを「固着」と言いました。

赤ちゃんの時に、十分なミルクをもらってない人は、大人になってストレスを受けると、唇が寂しくなって大酒を飲んだりします(無論全ての人ではありません)。

この人は唇の時期に十分に育っていないことから、唇に固着しているのでした。

人はこの「育っていなかったところ」をもう一度、育ち直しをしようとします。

唇に寂しさが残っていて大酒を飲む人は、人間関係で失敗して「酒を飲むのを調整しよう」とします。唇の寂しさを調整するのですね。

同様に、唇に煙草をくわえるヘビースモーカーの人は、体を悪くして「タバコをやめよう」「タバコの量を調整しよう」とします

しかし、なかなか思うようにいかないのが実情です。

それでも、何とか唇の時期の育っていないのを克服しようとします。

人は何回も失敗しては乗り越えようとします。

「罪悪感」を味わうための行動をくりかえす  

前回、赤ちゃんが、「良い母親」と「悪い母親」を区別していたが、結局、同じ母であったことに気づく時がくると述べました。

その時に、「『良い母親』を『悪い母親』と感じていた。ごめんなさい!」と「罪悪感」が起こり、これが心を発達させると述べました。

まれに罪悪感が心に起こらずに、そのまま大人になる人がいます。その場合、「罪悪感を味わって育っていない」ので、罪悪感を味わうために行動を繰り返します。

たびたび、人間関係を壊して、「申し訳ない」と懺悔(ざんげ)を繰り返したりします。よく著名人でそのような人を見かけますね。

次回に続きます。

            質問コーナー

Q:私の夫なのですが、モラハラ(モラルハラスメント)をして、私の関係が駄目になります。そのたびに、夫は後悔をするのか、私に優しくなります。でも、またしばらく経ってから、モラハラを繰り返します。どうすれば良いでしょうか?

A:全ての人がそうとは言えませんが、夫は「妻(あなた)との人間関係を壊しては、罪悪感を味わおうとしている」ようにもみえますね。

見方によっては、「罪悪感」を得るために育ち直しをしているように見えますが、ある程度の大人になってしまうと、「身に染みた罪悪感を持つこと」は容易ではありません。

身に染みた罪悪感を持つように仕向けるのも一つの手ですが、支援機関の助けを借りながら、あなたがどれだけ傷ついているかを話合うのがよいのではないでしょうか。

お子様がいれば、お子様も傷ついているのを「夫の共感を誘いながらいう」のも手です。共感のある話し方のテクニックは、後々解説をしていきます。

夫のほうに本当の意味の罪悪感が起こるとその部分の固着が取れる可能性があります。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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