人間関係疲れた /パニック障害の経過 /ポジティブシンキングとは

本ブログは人間関係がうまくいかない場合について、精神医学と心理学から解説しています。

昨日は精神医学については、パニック症状についてお話をしました。
本日はパニック障害の経過の際に、心や体に現れてくることをお話します。

パニックそのものだけでは済まないのが、パニック症状です。
日々を過ごしていくうちに、どのようなことが現れてくるのかを知識として知ることは有意義なことです。

また、ポジティブシンキング(プラス思考)の持ち方もお話しています。本日は、ポジティブシンキングそのものを分解して、どのようにしたらよいのかを解説します。

〇本日のテーマ

1.パニック障害の経過
2.ポジティブシンキングとは

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・また、心理学の紹介(今はアドラー心理学)の紹介をしています。

パニック障害 経過 予期不安・うつ病に関して

【予期不安】
パニック発作が繰り返し起こることで、発作のことが頭から離れなくなり、不安を持ったままの状態になります。これを「予期不安」と言います。
「予期不安」はパニック障害の根本症状で、「予期不安」がないとパニックをされないです。では、予期不安とはどのようなものでしょうか?

1.程度の差はいろいろ
一日中不安「発作が起こるかもしれない」にかられ仕事や家事が手に付かない場合もあれば、軽く意識に登る程度のものまで幅があります。

2.不安をエスカレートする場合がある
つらい発作を体が覚えて、医師から体の異常がないのにも関わらず、「次は死ぬかも」「発作は重大な体の病気のため」と不安をエスカレートする場合があります。

さらに、「発作が起きたときに、誰も助けてくれないのでは?」「恥をさらしてしまう」「迷惑をかけてしまう」などと、思いをエスカレートする場合があります。
この思いが二次的社交不安症(社交恐怖)に陥り、人との接触を避けるようになります。

3.回避行動をするようになる
予期不安が大きくなると、不安が起こらないように回避行動をとるようになります。
この回避行動が「より不安を感じるようになる可能性」になることがあります。
この「より不安を感じるようになる可能性」がさらに回避行動を生みます。

4.「広場恐怖をともなう」場合がある
広場恐怖とは、その場所に行ったり、そのような状況になった場合に、発作が出ることを予感させ、しまいには家から一歩も出られない状況になります。

広場恐怖のレベルとして、次のように言われています。

軽 度:外出の不安があるが、どうしても行かなければならない時は一人で行ける。
中等度:一人で外出が難しく思うように行動ができない。誰かが付き添うと行ける。
高 度:家からまったく出ることができず、引きこもる
※重症な人ほど、経過が長くなる傾向になります。


5.残遺(ざんい)」症状が現れる →これは明日お話します。

パニック症状が少なくなる時期から、ジワリと残遺が現れることもあります。発病後半年後から現れ10年以上続く場合あります。

発作の感覚が徐々に空いても、体の調子がどこか調子が悪かったり、うつ病などを発症する場合があります。パニック障害の慢性期には、うつ病が半数以上の割合で現れるとの報告もあります。

【うつ病の併発】
1.いつうつ病(症状)が現れるか
パニックからうつ病に60%の人が陥るとされます(躁うつ病は30%とされます)。
大体がパニック障害の慢性期にあらわれますが、少ないながら慢性期より前に現れることもあります。

2.「非定型うつ病」として現れる
パニック障害の時に現れるうつ病は、「非定型うつ病」として現れるのがほとんどです。

非定型うつ病と、一般に言われているうつ病の違いを述べると次のとおりになります。

  非定型うつ病 一般的うつ病
気分の反応 良いことがあると気分よく、悪いと落ち込む 喜びの喪失等多くのことに関心を失う
抑うつ気分 了解・説明可能 了解・説明が難しい
睡 眠 過眠・朝の目覚め悪い 入眠困難・中途覚醒
食欲・体重 過食・体重の増加 食欲の低下・体重の減少
疲労感 手足がずんと重くなる。 全身の倦怠感
気分の変動 夕方から夜にかけて悪化 朝方悪化
対人関係 他人に過敏になる 他人に配慮する

ポジティブシンキング(プラス思考)

悩みの原因を求めると、いよいよ悩みが大きくなるという性質があります。
原因を求め、「どうすれば解決するか」などと考えはじめ、夜も眠れなくなります。

そこで、2つの点に注目しましょう。
我々が悩むとき、「〇〇がうまくいかない。だから悩む」だと思います。
これを「〇〇がうまくいかない」と「悩む」に分けます。

この2つのどちらかを処理できればいいのです。つまり、

1.「〇〇がうまくいかない」けど、「そのことを気にしない」と悩まなくなる。
2.「悩む」ことは「自分を鍛え成長させる」と思うと悩みが苦にならない。

この2つのどちらかができれば、悩みの苦しさが減ってきます。
本日は1の場合を解説します。次の場合で考えてみましょう。

最近、仕事が忙しくて、深夜に帰宅、早朝出勤の状況が続いています。サービス残業が多くて、とても嫌になります。

そんな状況で、最近、仕事がミスが続きっぱなしです。上司から大きな声で怒鳴られて、いよいよ腹が立ってきます。

仕事の量が半端でないのに、ねぎらいの言葉もかけずにただ、怒鳴ってくるのは腹がたちます。

余りに腹が立つのと、ミスを連発する自分への情けなさから、夜も眠れない状況が続きます。どうすれば良いでしょうか?

この人は、「仕事が多くて腹が立つ(気にする)」「ミスを連発して情けない(気にする)」でした。
まず、1の気にしないためにどうするば良いか、気にすることをに抵抗して消し去ろとするといよいよ気になって、ネガティブな気持ちが湧いて、悩みの炎が燃え上がります

ならば、抵抗しないで、自分のミスはミスなのだから、「注意をしてくれて、ありがとう」と思います。さらに、「おかげで自分は成長できた」とさえ思います。
するとネガティブな気持ちがストレートに出てくることはありません。

さらに、「口うるさい人(上司)」「嫌味な人(上司)」はどこにでもいるもの、と思いましょう。さらに、いうなら「こんな人に、抵抗すると悩みが増える。損なこと」と考えるくらいで考えると楽になります。

「こんな人は時々いるし、抵抗するとネガティブになるので損。良いアドバイスとして受け取ります。ありがとうございます」の考えですね。

「気にしないようになる」ためにマインドフルネスがあります。過去の記事をどうぞ。

 

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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