大抵の人は、他人に依存をしたり、しなかったりしながら生きています。
若い時は、自分の親に、結婚してからは伴侶に、老いてからは子どもに依存をしたりしなかったりしています(無論、違う人もいますが)。
健全な依存であれば良いのですが、そうでない場合もあります。
人間ばかりでなく、食物や飲物、さらに煙草、薬物などに依存する場合もあったり、特定の行動(買い物、ギャンブル、ゲーム)に依存する場合もあります。
その中で、依存症に進む場合があります。
本日は依存症とはどのような症状なのかを解説したいと思います。
また、ポジティブシンキングは、「怒りのコントロール」です。
〇本日のテーマ 1.依存症とは 物質使用障害 2.ポジティブシンキング
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・心理学は、ポジティブシンキング(プラス思考)の方法を述べています。
青い下線は、過去の記事にリンクします。詳しく知りたい人はクイックしてください。
依存症とは 物質使用障害
物質や、ある行動に頼りすぎると、依存症を発症することもあります。
依存症を発症しているかどうかの考え方は、つぎの観点から考えられると思われます。
・生活に実害(マイナスの事態)がでている状態
・自分ではコントロールができない状態
これらが見受けられるときは、依存症が発生している可能性があると考えます。
さらに、次の観点も視野に入れておくと良いでしょう。
・物質的な依存(物質使用障害)
中枢神経に作用を及ぼす物質を摂取したり、依存の行動を繰り返していると、徐々に身体の変化が表れてきます。具体的には耐性などが生じると、そのものを増やさないと依存欲求を満たせなくなります。
具体的には、アルコール・違法な薬物・有機溶剤(シンナー等)・カフェイン・ニコチン・睡眠薬等です。
・行動嗜癖
ギャンブルや、ゲームを繰り返し行うと、物質的な依存と同じような、中枢神経の変化が現れて来て、その行為に依存するようになります。
現在は医学的には、ギャンブル依存、ゲーム依存が認められていますが、良く「買い物依存症」「セックス依存症」などの言葉を聴きます。これについても後ほど説明します。
本日は、物質的な依存(物質使用障害)の米国の精神医学会の診断基準を示します。
分かりやすいように少し表現を変えてあります。
【物質使用障害の診断基準】
12カ月以内に、下の●項目の中から2つ~3つ該当する場合は、物質使用障害の軽症、4つ~5つ該当する場合は中等症、6つ以上は重度である考えられます。
〇制御の障害
●当初意図した量より増えたり、長期間使用とする。
●やめよう、量を減らそうと努力したりする。また、それに失敗する。
●その物質の入手、使用、影響から回復に多くの時間を費やす。
●その物質を使うことへの渇望や、強い欲求がある。
〇社会的な障害
●物質を使用することによって、職場、学校、家庭で社会的な役割を果たせていない
●社会的、対人的な問題が生じたり、悪化しているのに、使用を続ける。
●物質使用のために、重要である社会的、職業的あるいは娯楽的活動の放棄、縮小
〇危険な使用
●身体的に危険な状況で、物質の使用をくりかえす
●持続的、反復性の身体的・精神的な問題が、起こっても、悪化しても使用を続ける。
〇薬学的な基準から
●望んだ効果を得るために、物質の量を明らかに増やす必要がある。今までの量では効果が明らかにでない。
●やめたり、減らしたりすると、離脱症状(禁断症状)が出る。
行為嗜癖の診断基準は明日、示します。
ポジティブシンキング 「怒りのコントロール」
いろいろなテクニックがあるので、ご紹介します。
1.「6秒ルール」テクニック
怒りのコントロール(アンガーコントロール)として、良く言われるのが「6秒ルール」です。怒りを覚えてから、感情が怒りのピークに達するのが6秒とされます。
そこで、6秒待てば、怒りのピークをやり過ごせるというテクニックです。
「そんな人間も、たまにいるねえ」と3回ほどつぶやくと6秒が経過します。
2.怒りを鎮める呪文の言葉
次のことを呟いてみましょう。例えば、皆の前でミスを指摘されて腹が立った人がいたとしましょう。
その時、力を込めて、呟きます(誰もいないところでやること)。
「ミスを指摘されて腹が立つ」「ミスを指摘されて腹が立つ」「ミスを指摘されて腹が立つ」と3回唱えてから、今度は力を抜いて、穏やかに「腹を立てたので、問題は解決する」と言ってから、「本当にそうか?」と自分に尋ねてください。
腹を立てても、問題は何も解決しないことに気が付きます。
もう一度言うと、「〇〇なので、怒る(腹が立つ)」と力を込めて3回言った後、「怒ったので(腹を立てたので)、問題は解決する」と力を抜いて言ってから、「本当にそうか?」と自分に尋ねます。
これは、怒りの他に、悲しい時、ひねくれた時など、他の感情の時も使えます。
3.丹田深呼吸を3回行う
腹が立った後、6秒を待ってから、深呼吸を3回行います。
単に、大きく息を吸って、吐いてでもOKなのですが、へその下3センチ下のところにある「丹田(たんでん)を膨らませながら、大きく息を吸って、へこませながら息を吐くと、より効果があります。
4.自分の悪い所認め、「まあ。そう言うこともある」と納得する
自分に非がある時で、怒りが湧いて来たら、とりあえず理性を使って、認めて、「まあ。そう言うこともある」と納得する方法もあります。
上のミスの例で言うと、「みんなの前でミスを指摘されたのは、〇〇という理由がある。それは仕方がない」と理性を使って考えてから、「まあ。そういうこともある」と呟いてください。
5.怒りを分析して、要素を弱める
攻撃は、「怒り」プラス「期待」の感情の複合体であることが多いです(違う場合もあります)。そうすると、攻撃を受けた時、「相手は自分に〇〇を期待しているのだな」と思うと、相手に対する怒りがおさまってきます。
また、軽蔑は、「怒り」プラス「嫌悪」からなっているので、怒りの代わりにこちらも「嫌って」やればいいのです。怒りの代替措置です。
6.相手を叩きたくなったとき
良く学校で体罰などが問題となります。学校の先生が生徒に怒りを覚えて、攻撃したくなるとき、また、会社の上司が部下に対して、叱りたくなる時、5で述べましたが、そこに「期待」が入っている場合が多いです。
「期待」を強く意識すると怒りが治まってきます。