巻き込んで人間関係を疲れさせる人(人間関係の心理学21)

      巻き込んで人間関係を疲れさせる人

前回と今回のまでの話

乳幼児期に罪悪感が起こると、見捨てられ不安が起こるのでした。

見捨てられ不安が起こっても、親との信頼関係が強いと乗り越えられます。

見捨てられ不安の強い人は、相手を巻き込みやすくなります。

 

理想の人としたとたんに「バカ」「死ね」という軽蔑する人

赤ちゃんは親との愛情のやり取りをもっぱら、唇を通して行います。

唇での愛情のやり取りで、前期と後期に分かれるのでした。

この前期から後期唇期に移ろうとするときに罪悪感が必要になります。その罪悪感とともに見捨てられ不安が起こります。

この時、親(または,それに変わる人)が「あなた(子供)を見捨てないよ」と子供との信頼感が強いと「見捨てられ不安」から抜け出せます。

しかし、親が子供と強い信頼を与えられない場合は、再び、前期唇期に戻ります。

前期唇期では、良い悪いがはっきりと分かれて(分裂して)いて、しかし他人と自分が区別がない世界でした。

後期に移れなかったことから、それに見捨てられ不安が加わります。つまり、「分裂」「区別なし(投影同一視)」「見捨てられ不安」が併存することになります。

このまま、大人になると、ストレスにさらされると、見捨てられ不安から「私を見捨てないで!」と泣きわめいて、助けを求めます。

しかし、次の瞬間に、「分裂」から、「私は良い、あんたは悪い」、さらには、「(あんたは)バカ。死ね」などと言葉を発します。

さらに「区別なし」(投影同一視)から、「私の悲しい気持ちわからないの!」などという言葉も発します。

前期唇期に固着が起こったためです(無論当てはまらない人もいます)。

次回に続きます。

             質問コーナー

Q:私の知り合いなのですが、とても自分を賞賛して、「いい人だ」「とっても大好き」と言いながら、突然、「死ね」「ボケ」とか急変する人がいます。こちらの対応もどのようにすればよいか困ってしまいます。どうすればよいでしょうか?

A:良い悪いが分裂して、中間がない状況ですね。分裂(スプリティングと言います)を起こしている状態です。言葉を獲得する以前の前期唇期に固着が起こっているので、言葉で説得しても改善することは難しいです。

その人に腫れ物(はれもの)に触る状態になっているのではないかと思います。一番は、その人から離れて、距離を置くことをお勧めします。ただ、距離を置くことができない場合は、専門の精神科医を受診されることを望みます。

また、ネットワークを多くはることをお勧めします。多くの人のサポートをえてください。

精神科医でも困難を伴うことが多い事例が多く、下手をすると巻き込みが起こって、大きな困難に直面することが多いです。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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