強迫性障害とは4 懺悔強迫・ためこみ症、うつ病との関係 /ポジティブシンキング 「心からの言葉・態度」

強迫性障害は傍(はた)から見ると、とっても馬鹿げていると思われるのですが、当の本人は、まったくまじめで、その行動をしないではいられない状況になっていきます。

この強迫性障害はパニック障害と同じで、うつ病を併発しやすい病です。
さらに、うつ病から自殺企図(自殺の試みなど)に進む可能性があります。

強迫性障害に陥らないように、また陥ったら早めの治療等が必要です。

本日、強迫性障害の「懺悔強迫(ざんげきょうはく)」「ためこみ症」のお話をします。
また、強迫性障害とうつ病の関係について述べます。

ポジティブシンキングは、自分の「心からの言葉・態度」です。

〇本日のテーマ       
1.強迫性障害とは 懺悔強迫・ためこみ症、うつ病との関係
2.ポジティブシンキング  「心からの言葉・態度」

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・心理学は、ポジティブシンキング(プラス思考)の方法を述べています。

青い下線は、過去の記事にリンクします。詳しく知りたい人はクイックしてください。

強迫性障害とは 懺悔強迫・ためこみ症、うつ病との関係

昨日は、「不完全恐怖」「疫病恐怖」について述べました。本日は、「懺悔強迫」「ためこみ症」です。

【懺悔強迫】
懺悔強迫は、悪い考え、行いを懺悔す(悔い改め)るものです。
スーパーなどに買い物に行くと、「自分はこの店で売っているお菓子を盗んでしまう」などという思いに駆られます。

そこで、自分のパートナーに「自分は盗んでしまうのだろうか?」と尋ねて(懺悔行為)しまいます。パートナーは「大丈夫」と本人を慰めします(許しの行為)。

また、台所でパートナーといると、包丁を出して、刺してしまうのではないかとか、時に首を絞めてしまうのではないかという気持ちに捉われて、首の代わりにお腹を押したりします。これは告白ができないので、お腹を押すのです。

他に高圧電流に触れたくなったり、非常ベルの押したくなったりして、それを周りの人に懺悔をして、慰められて、ホッとします。

懺悔強迫は、自分で「いけない」と思う行動が、スリルを味わうことを楽しむことになります。さらに、懺悔することで、安堵(あんど;ホッとすること)し、許されることで心地よい感覚を得ます。

このスリル感や、安堵感が懺悔強迫をより重いものにします。
これは、幼い頃、悪い考えに対して、親の思ってもいない反応に興味を覚えた子供が、親の反応をさらに引き出そうと繰り返し行ってきた結果と言われています。

【ためこみ症】
よくテレビで話題になる「ゴミ屋敷」なども、この場合が多いです。洋服や靴、傘、文房具、さらに雑誌や本、新聞に至るまで、あらゆるものをため込みます。

「いつか使えるかも知れない」「いつか、読むかもしれない」「大切なものなので捨てられない」という気持ちが働きます。

さらに症状が進むと、道端に落ちている石や、木切れ、ビン、缶、粗大ごみまで集めてくることがあります。

また、お宝(ゴミですが・・)を探しに、人の入らないところに入ったり、探したりします。場合によって泥棒と間違えられることもあります。

単に物にとどまらず、不要なアプリをパソコンにダウンロードして削除ができなかったり、家中のゴミをスマホの写真にとって保存をしておくこともあります。

注意をするのは、お金を使って、同じものを買ったり、「今が買うチャンス!」のセールスの言葉に反応して、物を衝動買いしてしまうこともあります。


【強迫性障害とうつ病の関係】

パニック障害の時もパニック症状が出た後は、うつ病になりやすいことを述べました。
強迫性障害もうつ病を警戒する必要があります。30%近い人がうつ病に罹患するとの報告もあります。

強迫行為により日常生活が思い通りに進まず、周囲の人とうまくいかなくなったりすると、強い絶望感を覚えたりします。

また、加害強迫や懺悔強迫から、自分が他人に害を与えてしまうという思い(強迫観念)から逃れるために自殺を考えたりします。
「消えてしまいたい」「生きていた証しごと消したい」などと思う人もあります。

後日述べますが、強迫性障害に有効な治療法があるので、絶望に陥らずに、家族の支えのもと自殺は食い止めなければなりません。

また、様々な機関でうつ病のカウンセリングを行っています。それを利用するのも一つの手です。

ポジティブシンキング 「心からの言葉・態度」

人には「心からの言葉・態度」を伝える必要がある、などと良く言われたりします。
ただ、注意が必要なことは、心からの言葉・態度は、何もガードがない「むき出しの心」の場合あります。

人は様々な仮面(ペルソナ)を付けています。
たとえば、会社にいるときは、会社員としての顔、部下がいれば上司としての顔。
家に変えれば、良い父親の顔。奥さんの前では夫の顔。

いろいろと人は仮面をつけて過ごしています。時と状況で付け替えるのは健康な人間のしるしです。

ただ、仮面を取ると、自分の信条とか、自分の生き方とか、自分の思いとか「生の自分」があります。
この「生の自分」の時は、仮面を取っているので、いわば丸裸の自分です。

この丸裸の時に、「自分の考えが受け入れらない」とか、「自分の考えを馬鹿にされた」時に、自分の心がひどく傷つくことがあります。

そこで、仮面を脱いだ自分の本心「心から言葉・態度」を打ち明ける時には、パートナー、親友、家族など、自分を傷つけない人の前などで話すのが良いでしょう。

真に親しくなる前の人、例えば「自分の事を知らない大衆」等の前で話す時は、受けいれられない場合、自分の傷つきを考えておく必要があります。

本心を述べる時も感情をこめて語ると場合によってはつらい目に遭うかもしれません。
相手によっては、感情の出す量を調整したほうが良いかもしれません。
赤の他人に本心を語らなければならない時は、こちらの感情を抜いたほうが良い時もあろうかと思われます。

 

 

 

 

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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