攻撃する人(半無意識の場合)5

男児が母親に愛情を求め、女児が父親に愛情を求めて、それが解消しないのがエディプス葛藤でした。

男児の場合、力による刈り取られるという不安(去勢不安)が、男児のエディプス葛藤の終焉(しゅうえん)でした。

男性の場合、刈り取られるという恐怖が父親によって与えられ、父親の生き方とか信条を受け入れると前回お話をしました。

幼児期に父親の刈り取りが起こらないと、「お母さん。見て見て」と言うのが終わらず、大人になっても「俺の力をよく見ろ。よく見てから俺の言うことに従え」となり、パワハラの原因の一つとなっていきます。

では女性の場合は?

女性の場合は、男性と違い、「力による刈り取りの恐怖」というのをそれほど感じないとフロイトは述べます。

女性の場合は、力により刈り取られる恐怖と言うよりも、「愛されたい思い」がエディプス葛藤を解決していきます。

女児はままごと遊びで、お父さんを夫と見立てて遊んだり、「お父さんのお嫁さんになりたい」と言って、無意識で父親の愛情を得ようとします。

しかし、父親は最後に妻を頼りにし、妻に親愛の情を示すと、女児は「お父さんの大好きなお母さんの真似をしよう」と、母親の生き方の取入れが始まります。

フロイトはこの時、父親と母親の間に親愛の情が見られない時は、女児はお父さん大好きが抜け切れず、大人になっても愛情の混乱が見られると述べます。

例えば、特定の人により多くの愛情を期待したり(愛情の独り占め)、または、愛情に信頼をできない態度など、さまざまな様態がみられます。

男児が力による「刈り取り」が母親から離れるきっかけになりますが、女児は「お父さんの好きなお母さんの真似をする『愛情を得たい』という思い」がエディプス葛藤の終焉を迎えることになります。

次回に続きます。

 

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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