攻撃する人(精神分析の立場から)2

幼児が5歳くらいになると、男児の場合は、ウルトラマンのようなヒーロものを見て、ウルトラマンの真似をしますね。女児の場合は、セーラームーン(少し古い例ですみません)の真似をします。

その時、男児は母親に対して、「お母さん。見て。見て。ボク強いんだよ」と言い、女児は、「お父さん。私かわいいでしょう」と言います。大体の場合は、異性の親を意識して強さや、かわいさを見せようとします。

大人になると忘れてしまいますが、幼児期後期(5歳前後)の時は、異性の親にベッタリの時で、この時期をフロイトはエディプス期と名付けました(エディプスという名前の由来は次の次の回で解説します。結構面白い話です)。

男児の場合は、「お母さん。見て。見て。ボク強いんだよ」という気持ちは、やがて少なくなっていくのですが、まれに、少なくならずに大人になってしまう人がいます。エディプス期が整理されずに大人になるまで葛藤が続いている状態です。

それが、会社で上司や、「おい! お前。オレの強さがわからないか! しっかり見ろ」という言動になったり、暴走運転をする人が、「見ろ。見ろ。オレは速いだろう」という言動を取ったりします。

女性の場合は、「私ってきれいでしょう! 見て見て」と互いにパワーゲームを展開したりします。他の女性が自分より、かわいかったり美しかったりすると、ひどい嫉妬をもったりします。

もはや、この時は、異性の親にベッタリする行動はなくなっていきますが、その言動のパターンは大人になっても残っていきます。親なしでも、心の癖として残っていきます。

つまりエディプス期にそれを整理しないと、自分の強さなどを誇示する性格が大人になっても残ってしまうのです。

次回に続きます。

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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