人間関係の心理学7 死の欲動2

フロイトと言う人が、「人間はなぜ繰り返し、自分を損なうことをするのだろう?」というのが、「死の欲動」という考えを導き出しました。

昨日、書きましたが、例えば「遅刻」。よく学生のころ、繰り返し遅刻をする生徒がいましたね。そのたびに先生に叱られたりしていました。

そんなに嫌な思いをするならば、しなければ良いと思いますが、人によっては繰り返します。

また、例えば「戦争」。過去の歴史を振り返ると、戦争をしても幸福になる者などいないと分かっているのに、人間は繰り返します。

戦争という大きなことでなく、ささいな日常の事柄「繰り返される他人の悪口」「繰り返される喧嘩」「繰り返されるいざこざ」など、これらは「死の欲動」の働きと言います。

このように「繰り返され」「(自分や他人を)無価値なもの(無機質なもの)」にしていく行為が、死の欲動の特徴とされます。

フロイトは、この「繰り返される」ことを「反復強迫(はんぷくきょうはく)」と呼びました。

強迫というのは、まるで「取り憑(つ)かれるように」とか、「駆られるように」といった感じです。

よく、車のハンドルを握ると、「駆られるようにスピードを出したくなる」人がいると思います。人の顔を見ると、駆られるように噂話をする人など、そんな状態です。

反復強迫が認められ、自分や他人を台無しにする、これが認められるところに死の欲動が働いています。

この死の欲動をめぐって、死の欲動を認めるか、認めないかの大論争が起こります。

次回に続きます。

 

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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