脳血管認知症

昨日は、認知症の周辺症状(BPSD)を述べました

周辺症状は、中核症状が原因となり、2次的に現出していきます。
症状として、不安、落ち込み、抑うつ、徘徊、幻覚、暴力・暴言、睡眠障害、物とられ障害などが現れます。

アルツハイマー型認知症の進行とともに、症状がかわってきます。初期には不安や抑うつの症状であったものが、末期には虚言や反社会行動、異食などが見られたりします。

本日は、脳血管認知症の話です。

〇本日のテーマ  脳血管認知症

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

脳血管認知症

脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血により引き起こされる認知症です。
脳梗塞は、コレステロール・中性脂肪などの影響から、脳の血管の一部の閉塞により、脳の機能が失われてしまいます。

脳出血は脳の血管から出血し、脳細胞が血液によって押されて死滅したりします。

男性の発症(女性の2倍)が多く、認知症の5分の1を占めています。

脳血管性認知症の症状

脳血管性認知症の症状は、記憶障害や言葉を使うこと、動作をスムーズに行うこと、認知すること等で障害が見られます。

具体的には、「手足がマヒする」「言葉の呂律が回らない」「手足が震えるなどのパーキンソン症状」「失禁」「抑うつ」「感情をコントロールできない」「夜間になるとせん妄に陥る」等々です。

また、「まだら認知症」と呼ばれる症状が現れることも特徴です。
「まだら認知症」とは、日時などにより症状に波が見られたり、あることはできるのに、あることは、まったくできないとの差が見られます。

まだら認知症は、「できる時がある」ので、見過ごされやすいです。対応が遅れ、症状が悪くなったり、重い病気につながることがあります。

脳血管性認知症は、ある時ガクッと悪くなり、しばらく安定してまたガクッと悪くなる、階段的に進行していきます。これに比べて、アルツハイマー型認知症は徐々に少しずつわるくなってきます。

脳血管性認知症の原因

脳血管性認知症は、脳血管に障害がみられることから、脳血管に悪影響を与える高血圧高脂血症糖尿病虚血性心疾患が見られることが多いです。

血圧や、コレステロール、中性脂肪などをコントロールして、動脈硬化を防ぐ必要があります。

脳の太い血管が障害を起こすと、認知症が急激に発症することが多いですが、小さな脳血管がたびたび障害を起こすと、脳の小さな部分が徐々に機能を失い、認知症が進んでいきます。

また、上記した「まだら認知症」は、朝起きてまもなくや、食事を摂った後、入浴の後、暑い日などで、水分不足から脳の血流が少なくなった時に現れやすくなります(ただ、これはアルツハイマー型認知症などでもみられます)。

また、パーキンソン症状を有する場合、自律神経のバランスを崩しやすくて、まだら認知症が出やすいです。夕方や食後に自律神経が失調しやすくなります。注意が必要です。

さらに、便秘が原因で「まだら認知症に似た状況」になったケースが報告されています。

脳血管性認知症の診断

CTやMRIで脳の画像をみると、大小の脳梗塞がたくさん見られる人もいます。
血管が閉塞した先の脳の部分は死滅しますが、血管が細くなって血流が減っている場合、脳の機能が悪くなっている場合もあります。

その場合は、脳の血流を調べる方法(る脳血流シンチグラフィー等)を実施します。

脳血管性認知症の治療

脳の細胞は死滅して機能を失うと、再び機能が戻ることはありません。そのために、脳梗塞や脳出血を再発させないことと、認知症に陥らないようにする必要があります。

つまり、これ以上の機能を失させないことです。俗にいう「あたりがえし」と呼ばれる再発が起こり、症状が悪化することがみられます。それを防止します。

そのためには、血管障害を悪化させない、高脂血症、コレステロール値、糖尿病などをコントロールする必要があります。

脳血管障害の危険因子である高血圧、糖尿病、心疾患などを適切にコントロールするとともに、脳梗塞の再発予防のために血液をサラサラにするといった薬剤が使われることもあります。

また、脳の機能が低下して、抑うつ状態になることや、逆に興奮することに対する薬物治療も大切になってきます。

脳血管性認知症のケア

認知症全般の人に言えますが、周りの人の対応によって、ひどく傷つくことがあります。本人は好き好んで、出来ないわけでなく、機能を失って出来ないのです。

それに対して「そんなこともできないの!」ということは、本人のプライドを傷つけることになります。

脳血管性認知症のリハビリテーション

脳血管認知症はリハビリが有効とされます。リハビリにより、脳の失われた部分を他の部分が補うとされます。
若いうちは、特にリハビリの効果が高いとされます。

失われていない、「できる能力」を伸ばしていくことが肝要です。ただ、本人の意思に任せることが大切で、無理に行わせることは厳禁です。

食事や運動をして防止する

コレステロールが上がり、動脈硬化を防ぐ食事を心がけて、青魚など、DHA・EPAなどを摂取する必要があります。

運動は筋トレを行い成長ホルモンの分泌を促進して、ウオーキングなどの有酸素運動を組み合わせるのも良いでしょう。楽しんで、自分にあった程度で行ってください。
コグニサイズのような運動もあります。

手軽にDHA・EPAをサプリなどから摂取するのも良いでしょう。

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ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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