見捨てられ不安にどう克服するか? その原因は?
見捨てられ不安にとらわれるとつらい気持ちが起こます。とらわれた人も「さびしさ」からつらい思いをします。
また、周りの人も、「かまってほしい」「一人にしないでほしい」との言動から、巻き込まれていったりします。
自分もつらいし、周りの人もつらい。それが見捨てられ不安でした。では、どのように克服すれば良いでしょうか? 本日は一週間のまとめです。
見捨てられ不安の克服方法:大切なことはネットワーク作り
「かまってほしい」「離れないでほしい」という気持ちが出ても、しっかりと受け止めてくれる人を作ることです。
しかし、見捨てられ不安は際限なく「かまってほしい」が続きますので、受け止めてくれる人が自分の周りからいなくなってしまうのも実情です。
そこで、まず、医師の診断を受けて、薬をもらうこと。ただ、薬に不安を抱く人は無理してもらわないほうが良いことがあります。医師と相談です。
次に、自分が満足いく趣味などや、夢中できるスポーツなども見つけることも最適です。
知り合いに、文章(例えば小説)を書いて、応募を続けていると、次第に見捨てられ不安が弱まっていった人がいます。
小説でなくとも音楽、絵画(漫画などを含む)など創作していくことが自分を変えるきっかけになると思います。料理などに凝るのもよいかもしれません。創ることです。
あと、ボランティア。負担になってはいけませんが、心穏やかに体を動かして活動ができることが大切でしょう。
カウンセリングはEMDRを試してみると良いと思います。NLPや、夢を扱うカウンセラーが有効です。→ EMDR治療者リスト | 日本EMDR学会
言語を使ったカウンセリングは、前期唇期に原因があるので、かなりの熟達した医師、カウンセラーであることが必要です。
見捨てられ不安は、言葉を獲得する前に身に付けた感覚だからです。
ただ、これらの方法を施しても、見捨てられ不安が重い場合は、うまくいかないこともあります。
大切なことは、自分を支えてくれる人のネットワークを作ることです。医師、カウンセラー、警察の婦人相談、支援センター等々です。
見捨てられ不安の原因
見捨てられ不安は、乳児期の前期唇期に「お母さん(またはそれに代わる人)を悪者にした罪悪感」が起こり、そこから母親に見捨てられる気持ちの始まりでした。
しかし、それでも母親がしっかりと受け止めてくれた場合、乳児は罪悪感を乗り越えていけるのでした。
この受け止めが行なわれないと、赤ん坊は、再び前期唇期にもどります。
前期唇期の特徴である「分裂」(良い悪いがはっきりと分かれている)や「区別なし」(自分と他人が区別ない状態)(投影同一視)と一緒の心の動きが現れます。
例えば、デートの時に恋人と離れられないことが起こります(好きだからでなく、寂しいから離れられません)。
デートの時間が終わっても「帰れない」ということが始まります(見捨てられ不安)。それが深夜に及び、相手は仕方ないので、帰ろうとします。
すると、恋人に「ばか。死ね」と言葉を変え、罵倒(ばとう)します(分裂)。さらに「帰ると、私どうなるか分からないよ」と相手をコントロールします(区別なし)。
相手の都合ではなく、自分の都合で「私どうなるかわからない」と脅しをかけるのです。
これは私が創作した話ですが、似たような「巻き込み」にあっている人がいるかも知れません。この場合は、上記の克服方法を試してみると良いかもしれません。
相談コーナー
Q:私は時々とっても虚しい気持ちになって、人恋しくなります。特に人と別れができません。嫌われるまで他人にベッタリとしてしまいます。父母は早くから離婚をして、父親に育てられました。
A:これだけの文面では、「見捨てられ不安」かどうかを判断するのは難しいですが、「虚しい気持ち」や「分かればできず、ベッタリする」ことから、その可能性はありますね。
まず、自分での措置は、却って状況を悪化する可能性があります。特に、「見捨てられ不安」は、乳幼児期の言語を獲得する時期で、無意識の領域に原因があります。
そこで、まず、医師に相談をすること。次に警察の婦人相談、(18歳以下ならば児童相談所)、また、カウンセラーに相談をするのがよろしいです。親しい友人がいれば、自分の心の状況を述べて、支えてくれることも頼むのがよいです。
できるだけのネットワークをはることが大切になります。次に、何かに夢中をすること。文章などを書いて、何かを作り上げることなど、自分の癒しや発見をすることがあります。文章でなくても、絵でも、料理でも良いです。寂しさが逆にエネルギーになっていくものを選ぶと良いかもしれません。
また、ボランティアをして、誰からを助けて支えてやる行為は、自分を支える行為につながっていきます。ネットワークを張りながら、ゆっくりとやっていくことです。
〇ちょこっと人間関係の心理学
リンゲルマン効果(社会的手抜き)
学生時代、教室の掃除をするときに人数が多いと、少人数でするよりも能率が悪いことがあります。
大人数なのだからスムーズに進むと思っていますが、逆に、「誰かがやってくれる」との意思が働き、掃除の手抜きをすることがあります。
これをリンゲルマン効果(社会的手抜き)と言います。フリーライダー(ただ乗り)現象、社会的怠惰とも呼びます。