見捨てられ不安はどこから来るの? 原因は?
前回の話と今日の話
「見捨てられ不安」の強い人は、自分を否定する思いが起きやすいことを述べました。
待ち合わせに、相手が数分遅れただけでも「見捨てられた」という思いが湧きます。
今日は、その見捨てられ不安はどこから起こるかを解説します。
乳幼児期に罪悪感が起こった時に、見捨てられ不安が起こった
精神分析(対称関係論)では、罪悪感が起こると見捨てられ不安が起こるとされます。
以前、幼児期の世界はバラバラで、全体を統一して見られないことを説明しました。
同じお母さんでも、せっせと自分を世話をしてくれる「良いお母さん」と、疲れて、たまに世話できないお母さんを「悪いお母さん」と分裂してみてしまうのでした。
ところが、赤ちゃんが成長する過程で、「悪いと思っていたお母さん」が「良いお母さん」と分かると、「勘違いをしていた。ごめんなさい」と罪悪感が起こります。
罪悪感が起こると、「お母さんが勘違いしていた自分を見捨てるのではないか」という不安が起こります。
罪悪感が起こったと同時に、「見捨てられ不安の芽」が作られるのです。
これらは感覚的なもので、考えや言葉で得られるものではありません。
質問コーナー
Q:恋人が「いつも寂しい。人が恋しい」と言います。見捨てられ不安でしょうか?
A:さまざまな原因が考えられますが、「見捨てられ不安」が強いことも考えられます。状況がひどい場合や、寂しさを紛らわすために、いろいろ行動に出る(行動化)場合は、一度医師の診察をお勧めします。
行動化とは、「寂しさのあまりお金を浪費して、寂しさを紛らわす」「知らない人と行動を共にする」などや、唇期に起こることから、「過食や少食などの摂食障害」なども考えられます。これ以外も不安や寂しさが引き起こす弊害があります。
場合によっては、自分や、自分の周辺の人を傷つけることにつながる場合があります。