
前回は、傷ついた脳細胞の修復に必要な物質と、それを取り入れるための食物を解説しました。
本日は、第2の脳と言われる腸の整え方を述べます。腸を整えることで、体全体が整い、脳の中の神経伝達物質は腸によって作られています。
また、腸には大量の免疫細胞が生きており、それらが外から有害な細菌などが侵入すると、それらを排除してくれます。
アルツハイマー型認知症の原因になるアミロイドβの蓄積を防ぐには、腸を整えることも大切になってきます。
〇本日のテーマ 認知症 予防 腸の健康
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

腸は何をしているか?
受精卵が細胞分裂を起こして、人間の体になる時に、まず腸ができます。
その腸が伸びて、口、肛門を形成し、肝臓ができ、肺ができて、脳が出来上がります。
ほとんどの生物においては腸があります。その腸がまずできてから、腸の周りの神経系統ができて脳が出来上がるのです。
いわゆる、生物の体の大元(おおもと)は腸といっても過言でありません。
以前何度か話した、神経伝達物質である、ドーパミン、セロトニンなどの物質は、多くが腸で作られます。
セロトニンが減ってくると、うつ病などに罹(かか)りますが、腸を健康に保って、セロトニンを順調に作っていくと、うつ病にもかかりづらくなってきます。
最近の研究は特に、脳と腸は密接な関係で互いに影響を及ぼし合っているとする「脳腸相関(のうちょうそうかん)」の考えが言われています。
腸内環境を整える食べ物を
腸内細菌を調べている研究者によって、認知症の人と、認知症でない人の腸内細菌の構成が違っているとの研究があります。
認知症に陥っていない人の腸内の最近はバクテロイデスという細菌が多く、認知症に落ちっている人は、種類の分からない腸内細菌が多いとのことです。
この原因に考えられているのが、高脂肪食を摂取していることが挙げられるされます。
食べ物をコントロールして腸内のコンディションを整えることがとても大切になります。そのために次のことが大切です。
●偏食をせずに、食物繊維の豊富なものを取るようにする。
●乳酸菌やビフィズス菌などの腸にとってよい菌をとるようにする。
●海藻類、わかめ、寒天などを摂取する。
●納豆、キムチなどの発酵食品を取るようにする。
●玉ねぎ、ごぼう、キャベツ、リンゴなどを取るようにする。
●大豆食品を取るようにする。また、これらはタンパク質の摂取にも役立ちます。
●しっかりと発酵したナチュルチーズを取る。プロセスチーズは過熱殺菌しているので、乳酸菌などが失われていることがある。
●水分を十分に取り、肉を食べ過ぎない。
●腸内の環境を整えるために、7時間の睡眠をとる。