
認知症の前段階で、進行を食い止められなかった場合、認知症に陥っていきます。
4大認知症といわれているのが、アルツハイマー認知症・脳血管性認知症・レビー小体型認知症・前頭側頭型認知症です。
その中でも一番多いと言われるのが、アルツハイマー型認知症です。
割合にすると、アルツハイマー型認知症が全体の70%前後、脳血管性認知症が20%前後、レビー小体型認知5%前後、前頭側頭型認知症が1%に当たります。
認知症が起こると、脳神経細胞が壊れることによっておこる「中核症状」と、それによって引き起こされる周辺症状があります。
どの様な精神症状もそうですが、まず正確な知識を身に付けて、早めに対処をしていくことが大切になります。
本日はアルツハイマー型認知症です。
本日は睡眠についてです。良い睡眠をとることは、認知症予防にもつながっていきます。
〇本日のテーマ 認知症 アルツハイマー型認知症
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・青い文字は、過去の記事へリンクしています。
認知症 アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症の原因は、まだ不明な点が多いですが、脳内のアミロイドβ(べーた)や、タウタンパク質の物質が増えると発症する説が有力です。
【アルツハイマー型認知症の診断基準】 (米国精神医学会)のものは次の通りです。
分かりやすいように書き換えてあります。
1.家族歴または遺伝子検査からアルツハイマー病の原因の遺伝子変異の証拠がある。
2.以下の3つ全てが存在している。
a.記憶、学習、および少なくとも1つの他の領域(認知)の低 下の証拠が明らか。
b. 確実に進行して、ゆっくりとした認知機能の低下があって、安定しない。 c. 他の原因でない(例えば脳血管疾患、神経疾患、精神疾患などががない)。
【症 状】
初期・中期・後期に分けると次の通りです。
症状には中核症状と、周辺障害分かれます。
中核障害とは、認知機能の障害です。周辺症状は、行動や心理状態として現れるものです。
1.初期
●中核症状
アルツハイマー型認知症の初期は、数分前から数日前の記憶が失われる「近時記憶障害」
要領よく仕事を進められなくなる「実行機能障害」
さらに、時間や場所が分からなくなる「見当識障害」 ●周辺症状(BPSD)
イライラ
無気力
うつ
妄想(例えば、「物をとられた」の妄想
2.中期
●中核症状
中期になると、数週間から数十年前へ忘れることが広がる「遠隔記憶障害」
目の前の人が誰か分からなくなる「見当識障害」
会話が難しくなってくる「言語機能障害」
空間認識ができなくなってくる「視空間認知障害」●周辺症状(BPSD)
興奮状態
焦燥(あせりとイライラ)、拒絶
徘徊(特に夕暮れ徘徊)
人を間違える
睡眠覚醒の障害
3.後期
●中核症状
全般的な記憶障害
動かなくなる。喋らなくなる。笑わなくなる。
歩けない。着座ができない●周辺症状(BPSD)
幻覚
不潔行為、食べてはいけないものを食べる
【早期発見の目安】
後日、解説しますが、アルツハイマー認知症を疑ったら、すぐに医師の診断や対応を図ってください。
1.近時記憶を目安に
特に「近時記憶障害」を疑ったら、すぐに対応をすることです。
目安は、そっくり丸ごとゴソッと忘れることです。
昨日何をたべたか忘れたではなく、食べたこと自体を忘れるという具合です。
友達が、「昨日などの話」をしていると、それがゴッソリと忘れてしまう具合です。
2.できることができなくなるのも目安
掃除、洗濯に時間がかかる。満足にできない。
入浴、洗面に時間がかかる。満足にできない。
失禁する。
食べこぼしを良くする。
テレビの番組が理解できなくなる。
ATMの操作ができない。
運転を間違える。
3.周辺症状(BPSD)からの目安
1人になると不安、寂しがる。
興味が減退する。面倒くさくなる。億劫(おっくう)がる。
いらいらする。怒りっぽくなる。
物を盗まれたと主張。
誰もいないのにいるとする(幻視)
外出先から帰宅できない
まず、全体の進行の流れを頭に入れて、早期発見をめざしてください。