認知症 症状 「どこにいるかわからない」

今まで、認知症の症状として、「物盗とられ妄想」「話が理解できない」「同じ質問をする」「言葉が出にくくなる」「顔認識ができない」などのお話をしてきました。

それぞれの症状の背後に、不安や焦り、孤立感などが隠されていたり、自尊心の傷つきがあったりします。

それぞれの症状に陥った時に、認知症に陥った人は、なぜそのような言葉を発するのか、どのような心持ちになるかを知っておくと、認知症に陥った人との信頼関係を失なうことが少なくて済みます。

同事に共感を失わずに、お年寄りを介護できます。
本日は、「自分が、今、どこにいるかわからない」という、場所の見当識障害です。

〇本日のテーマ  
 
認知症 症状 「どこにいるかわからない」

〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。
・青い文字は、過去の記事へリンクしています。

認知症 症状 場所の見当識障害

ある時、外に一人で出かけて、自分のいる所がわからなくなります。どこかわからないまま、バスなどで運ばれていると、不安が募ってきます。
また、歩いた場合、帰り道が全くわからなくなります。

仕方がないので、家に帰ろうと思っても、家に帰り方も分からずに、混乱をしてしまいます。

【どこにいるのかわからない】

1.空間の認識力がなくっていく
脳の上のほうの頭頂葉が衰えてくると、空間認識力がなくなり、前後・左右・斜めが把握できなくなります。来た道が把握できなくなります。

また自分がいつの間にか、若い頃の自分になってしまい、たまたま乗ったバスを、「これから会社に行くバス」とか、「学校に行くバス」と勘違いをすることがあります。

自分はすっかりと通学や通勤のためにバスに乗っているつもりで、ただ、会社の名前とか、学校の名前とか、どのようなコースをたどって行ったのかもわからない状況です。

2.認知症の人の心
知り合いがいない場合は、とても困難な状況に陥ります。自分の名前、住所などを告げることができれば良いですが、そうでない場合は、家族に連絡したり、自宅まで送ることさえできなくなります。
 
道に迷ってしまう場合は、不安のあまり、前へ前へと進んで、来た道を引き返すことができません。
気が付いたときには、思っていた以上に遠くまで歩いていることあります。


道が分からないなど、「とても恥ずかしいこと」と、隠してしまい、さらに遠くに行く事態も起こります。

また、通所介護(ディサービス)の、送迎のバスに乗っていた時など、施設に到着して、運転手や周りの人に話しかけられると、「会社にいくバスなのに、どうしても、俺の名前を知っているのだ」と不思議な気持ちになります。

自分の心と現実のギャップにとても戸惑ってしまいます。
また、自分が誰か知らない人に連れていかれ行かれないだろうかなどと不安に思ったりします。

認知症の人の記憶は、その人が、かつて会社で重要な役割をしていたとか、一家の大黒柱で家族を支えたとか、また、学校に行って部活動などで青春を謳歌したとか、華々しい思い出の時に戻りやすいとも言われます。

3.解決方法
まず、本人の不安を取り除くことが大切になります。
出かけてもしものことがあると困るので、必ず付き添って出かけてください。


本人が突然いなくなることもあるので、GPS機能付きのスマホ等の装置を持たせることも考えましょう。
手に持つと落とすこともあるので、ベルトなどに固定させるのも手です。

また、すぐに警察に届けて、事件や事故に巻き込まれないようにする必要があります。

送迎バスで混乱に陥っている場合は、認知症の人が不安をいだかないように、笑顔で接して、ゆっくりと説明をすることが大切です。

本人が若い頃の自分と勘違いしている時は、いつの時代にいるのかを尋ねたりして、知り、話を聞きながら寄り添うことも大切です。

【認知症の進行の食い止め】

1.できることを続ける
認知症の進行の食い止めは、「できないことを嘆く」のではなく、「できることを続ける」ことが大切です。


認知症になると、いきなり全てのことができなくなるわけで有りません。できることがまだまだあることをしっかりと認識して、できることを続けて認知症の進行を食い止めましょう。

認知症の進行予防は他者とコミュニケーションの取るのことが大切になります。
家に閉じこもることは、とても進行を早めます。

2.肉を食べ、ガムを噛
以前、老人性のうつ病を説明しましたが、うつ病に陥ると、いよいよ他者と交流をしなくなり、認知症が進行することがあります。


うつ病は脳細胞の神経伝達物質のセロトニンという物質を増やすことが大切になります。セロトニンは肉を食べ、歩くなどの運動で増加します。

また、ガムなどを噛むことで脳への血流が増すので、ガムを食べることをお勧めします。
ただ、飲み込んで喉にガムがつまらないように量を調節することが大切です(くれぐれも気を付けてください)。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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