
前頭側頭型認知症の有効な治療方法は、まだ発見をされていません。
そこで、対処療法療法などのケアを行うことになります。
昨日述べましたが、本人が自覚をすることがないことから、様々な特徴的な行動を止めるがあまり望めません。
また、前頭側頭型認知症の特徴的な症状のために、対応が難しく、家族の負担もとても大きいものとなります。
そこで、症状の特徴を考えながら、ケアを図っていくことが大切になります。
本日は前頭側頭型認知症の方への対応です。
〇本日のテーマ 前頭側頭型認知症 対応
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

ルーチン療法
前頭側頭型認知症の人は、常同行動を伴います。
常同行動とは、「同じ行動を繰り返す」「こだわりの行動をとる」というものです。
一般に常同行動は、生活上困る行動が多いのですが、実際の行動に近づけて、支障をきたさない行動としてとらえなおすことです。
机をたたくなどの常同行動を「止めて下さい!」と無理に止めたりすると、本人は混乱して余計に、常同行動が起こることもあります。
毎日同じ時間に家を出て、町中を歩き回り、コンビニでジュースを買って飲むことが見られる場合に、コンビニに行くのではなく、ディサービスなどを目的地に変えることも考えられます。
また、机をバンバンと叩く常同行動が見られる場合は、バンバンと叩いたら、「相談ごと」のサインとして、別の部屋で、相談を聞くなどのルーティン化にすると良いでしょう。
実際に常同行動は、背後に何かしらの欲求が溜まっている場合があります。
周徊(シュウカイ)行動は放置しないこと
本人が決められたルートを毎日歩き回ることを周徊といいいます。
疲れていても、歩き回るので、時に転んだり、骨折をしてしまうことがあります。
家で、おやつを食べるとして、一度家に帰ってくるようにすると、周徊を止めることができます。
一度家に帰ってくるのを常同行動にできるとしめたものです。
観察をしてトラブルを事前に予測すること
認知症に陥っている人の行動をよく観察して、どのようなトラブルが起こるかを予測することも大切です。
例えば、周徊をすることが常同行動になっていて、毎日、同じコンビニでジュースを買う動作を繰り返す人がいたとします。
その人が、やがて勝手にコンビニでジュースをあけて飲むことが予想されます。そのために、事前にコンビニに連絡をして、勝手にジュースを飲むことを告げておくと良いでしょう。
また、事前にお金を払ったり、定期的にお金を払いに行くことを相談しておくことも良いでしょう。
無理に行動を変えようとしない
上記しました(机をたたくのを無理に止める)が、前頭側頭型認知症の人の行動を無理に止めようとすると、攻撃が増して、周りの人を強く非難をしたり、騒いだりします。
信じられないかもしれませんが、その非難が数時間続くことあります。
そのような事態にならないために、無理に行動を止めることをしないで、やりたいようにやらせてあげるのが良いでしょう。
ただ、身に危険が迫ったりする可能性がある場合は、「代わりに〇〇しましょうね」と優しく違い代替案を述べて上げるのが良いでしょう。
静かな環境を心がける
認知症を陥っている人を取り巻く環境が、さざめいていたり、人や物音がいつもしていると、本人に余計な刺激が与えられます。
時に本人の突発的な行動を誘引したり、思わぬ事態を招いたりします。
全体的に本人を取り囲む環境は、あまり刺激がない静かな場所を選ぶようにしましよう。
家族の負担が増える時は、介護施設の入居を考えるのも一つの手段
あまりに、前頭側頭型認知症の症状が進んで、家族がヘトヘトになってしまう場合も考えられます。
そのような場合は、介護施設に入居をしてもらい、専門職の下で介護を受けるのも一つの手です。
本人にとっても良く、家族の負担の軽減が減る場合もあります。
介護施設の相談先を張り付けておきますので、ご利用ください。
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