
ターメリックは、全身の抗炎作用があるとされます。最近の研究によると、脳内や体全体に起こる炎症作用が、認知症やガンの発生を誘発するといわれています。
また、ターメリックの黄色い色素成分のクルクミンがアミロイドβ(ベータ)の蓄積を防ぐとされます。
インド人に認知症者が少ない理由が、カレーの中に、ターメリックとクルクミンが含まれて、毎日食しているからとの話もあります。
重度のアルツハイマー型認知症に陥った人、3名に対して、ターメリック764mgと、クルクミン100mgを毎日与える実験が米国で行われました。
すると、2名の者が、1年ほどで認識できなかった家族の顔を認識できるようになったとの実験結果があります。
ただ、これは統計的に人数が少ないので、一般の人にも言えるかどうかは疑わしいこと。
さらには、食品安全委員会が、1グラム3mgが適当とされる量をかなり多様の量を与えられた可能性があるので、マネはできないと思います。
〇本日のテーマ 認知症 せん妄
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。
せん妄
せん妄とは
本日は、認知症とよく似た症状の「せん妄」についてお話しします。
せん妄とは、感染や炎症、貧血、薬物、脱水などによって引き起こされる「意識の混乱」のことを言います。
高齢者や認知症を合併する場合に生じやすいとされています。一般の病院の場合、患者の10%から30%程度、発症とも言われています。
せん妄 原因
年齢が高くなるとせん妄の発症率も高くなります。
特に脳の血管性認知症(まだら症状も含む)、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病などの脳や神経の既往歴のある高齢者の方は、風邪や便秘、脱水、睡眠不足など通常と違った状況が刺激となり、突然の発症に陥ることがあります。
また、若年者のなかでも、高熱、腎不全、肺炎など体の状態が悪化する病気を発症したり、手術などいつもと違う状況に置かれるとせん妄を起こすこともあります。

せん妄 症状
時間や場所の認識ができなくなったり、思考力、注意力の低下から、妄想や幻覚に支配されます。
その結果、過度の興奮から、錯乱状態に陥ったり、活動が低下して眠ったりするなど、行動や睡眠が異常な状態になります。
せん妄は一時的に強く症状が現出しますが、適切な治療で数日以内によくなるが通常です。
一方でがんの末期など重篤な状況での発生もあり、改善しない場合もあります。
昏睡状態になったり、死に至るケースも見られます。また、錯乱状態から転倒や、点滴の自己抜去など、多くのトラブルを引き起こすのも特徴とされます。
また、症状は1日の中で変動し、普通は夕方から夜間に悪化し、昼夜逆転が生じ、活動性の低下が見られます。
せん妄の治療は、心を落ち着かせ、睡眠導入の薬による薬物療法が主流となります。しかし、せん妄を改善すには環境の整備が大切です。
適切な対応がされないと症状が急激に悪化することもあります。
【本人の症状からの分類】
- 過活動性のせん妄:興奮、幻覚、妄想がみられる。点滴などを自己抜去をします。
- 低活動性のせん妄:無気力、反応が乏しい、自分の居場所・行動がわからない、周りの人が分からない。
- 混合性のせん妄:上二つがまじりあったものです。
【状況による発症からの分類】 - 手術後のせん妄:入院や集中治療室(ICU)への入室により引き起こされる。また、手術後に起こりやすい。
手術のストレス、麻酔薬、術後の鎮痛薬などが原因とされている。 - 夜間のせん妄:睡眠・覚醒の乱れ、夜間に症状が出現するせん妄。
- 熱せん妄:発熱が引き起こすせん妄。
- 振戦せん妄:アルコール中毒の離脱(禁断症状)の震えなどのせん妄)
せん妄 治療
せん妄の治療は、せん妄に陥る原因の改善を行うことが肝要になります。
一般的には、せん妄の原因となる疾病が回復しているときは、予後は良いとされます。
まず、落ち着いてストレスなく過ごすせる環境を整え、昼夜の区別がつく日常とかわらぬ環境を整備することです。
せん妄は上で述べたようなさまざまな精神的異常を引き起こします。
そのため、上記しましたが、興奮状態に対する鎮静剤、不眠に対する睡眠薬な個々の症状を改善の対症療法を行います。
せん妄 認知症 違い
せん妄は「意識の障害」で注意力の障害が中心です。
一方、認知症は「記憶の障害」が中心です。そのため、せん妄では意識障害はみられますが、認知症では意識は大体正常です。
また、せん妄は突然の発生が見られ、始まりを明確に特定できます。
一方、認知症は普通、遅い進行で、始まりを特定は難しいです。
上記しましたが、高齢者、脳卒中の既往歴の人、認知症やパーキンソン病の方は、軽い病態でもせん妄になる可能性があります。
原因となる病気の管理、使用する薬品を注意することなどが必要になります。