認知症 腸との関係 

昨日は感情伝染についてお話しました。

感情伝染は、記憶を司(つかさど)る海馬の機能が衰えることに原因があります。

認知症の人の周りの人が、イライラしているとしましょう。
認知症の人の脳にある偏桃体が、周りの人のイライラを危険に感じます。

扁桃体が危険とする信号を海馬に送ります。危険信号を受け取った海馬は、過去の記憶と照らし合わせて、本当に危険かを判断します。

本当に危険な場合は、海馬は扁桃体にいよいよ危険を察知しするように信号を送り、扁桃体はより危険を感じます。

逆に大した危険でない場合は、海馬は扁桃体に「それほど危険を感じなくて良い」信号を送り、扁桃体が危険を察知しなくなります。

問題は海馬の機能が衰えていたり、機能不全に陥っている時、海馬が過去の記憶を探ることができません。

結果、扁桃体が危険と感じている情報が本当に危険か、危険でないかの判断ができないことになり、他人の感情に敏感になったり、感情のコントロールができない状態になります。

その時は、周りの人がゆったりとした状況を作って、危険を感じさせないことが大切になります。

本日は腸と認知症の関係です。

〇本日のテーマ  

認知症 腸 関係

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。

脳 腸 関係

脳と腸は深い関係があると言われています。腸が第二の脳と呼ばれることもあります(以前、腸の働きについて述べました)。

例えば、ストレスを感じると、お腹を壊したり、下痢になったりして、腹の調子が悪くなったりしますね。

認知症 腸内細菌

また、最近、腸内細菌が認知症に深い関係があることが分かってきました。

最近研究者によって、腸内に多く損坐するバクテロイデス菌を調べて興味深い発表がありました。

バクテロイデス属の細菌とは、人間の腸内における最優勢菌群の1つとされます。この菌は、善玉にも悪玉にもなるので、「日和見菌」とされています。

この日和見菌を善玉菌(有用菌)の味方にしておくと、高い免疫力を保つことができるとされます。

バクテロイデス菌が腸内細菌の3割以上いる人を調べたところ、45%の人が認知症でなかったとの結果が得られました報告があります。

また、認知症になりやすい人では、バクテロイデス菌が腸内細菌の3割以上いる人が15%にとどまり、種類の判明しない細菌の多い人が85%を占めていた報告もありました。

さらに、認知症の人の便にはアンモニアが多くあり、乳酸が少ないとされます。このことから、腸内細菌と認知機能には強い関係がある」と指摘する報告もあります。

また、パーキンソン病も腸からはじまると言い切る研究者もいます。

高たんぱく、高脂肪は悪い菌の好物であるので、有害物質を作って、パーキンソン症状を悪化させることもあります。

肉などを食べたら、ビフィズス菌などを食べて、有用菌を増やしておくのも大切なことです。

認知症 便秘

便が台帳を通過する際、水分が体に吸収されます。
ただ、体内の水分量が不十分だと便の水分量も減ります。

そのことにより、便が硬い状態になり、直腸に停滞してしまいます。
この不快感により、認知症の方は興奮状態に陥ります。

自律神経の乱れが続き、便が排泄されるまで、イライラ状態は続きます。イライラが続くと、怒りが起こったり、睡眠が浅くなったり、認知症の症状に悪影響を及ぼします(ただ、イライラの原因はいろいろとあります注意)。

睡眠の質が悪くなることが、認知症によろしくないことは以前、ご説明しました。

さらに、便秘はせん妄を引き起こすとも言われています。
便秘が2日、3日と続のであれば、浣腸などをして、便を排出させることが大切です。

また、水溶性の食物繊維を多くとるように心がけましょう。ごぼう、レンコンなどをとるようにして、よく噛んでたべましょう(以前、腸に良い食べ物をご紹介しました)。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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