
認知症の親を介護すると、親とは言え、ストレスが溜まってくる場合があります。
他人なら、やり過ごせるものの、自分の親の場合は、ついつい真剣に向き合って、上手くいかないと、心が折れます。
そのような時は、介護の疲れをいやすための様々な仕掛けを作っておくとよいです。
介護に疲れた時に、用意してあった仕掛けを上手く作動させて、それ以上の落ち込みや、マイナスの思考に陥ることがありません。
本日は、介護に心が折れそうになったり、疲れた場合の対応について述べます。
〇本日のテーマ 介護 イライラの対応
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

様々な工夫を事前に作っておくと、心が楽になる
認知症に陥っている人は介護をしていると、時につらい思いに捉われることがあります。
そんな時に以下のような工夫や取り組があります。
家族会、患者会への参加を
同じ悩みを持ち、同じ環境にいる家族会の存在はとても励みになります。
つらい経験を分かち合うことで、勇気をもらったという声を聴きます。いわゆる介護仲間ができることになります。
また、家族会や患者会に参加し、時に医師や臨床心理士などの話を聞いたりして様々な治療法の話や、情報も得ることができます。
互いに教え合い、様々な困難をどのように対処したらよいのだろうかと、お互いに話し合うことができます。
自分の介護を客観的に考えることもできます。
また定期的に集会を儲ける時に、介護初心者へのアドバイスコーナーを設けるなども工夫もすると良いでしょう。
以下の所をネットなどで検索をしてください。
●公益社団法人 認知症の人と家族の会
●介護支え合い相談
家族のフォローの体制を作る
兄弟姉妹のいる家で、誰かが認知症の方を受けいれた場合に、他の家庭が定期的に「ねぎらいの会」などを作ると良いでしょう。
ただ、注意をすることは、介護を担当していない人が、介護をしている人に対してアドバイスをすることは、危険な場合があります。
苦労をして介護をしている人が、この時感じることは、「なにか、自分の介護がダメのように聞こえる」とか、「何も知らないのに上から目線」という思いになることです。
そのようなアドバイスは、時として介護をしている者を傷つけることがあるので、あまりしないで、「お父さん、体調が良いみたいだね。ありがとう」などの言葉掛けが良いでしょう。
理想は、介護を交代すると、つらい体験や嬉しい体験を兄弟が共有することになりますが、事情があってできない場合は、介護している人の話を聞くことが大切です。
自分の悩みや話を聞いてもらうということは、自分がサポートされている気持ちになるものです。つらい介護の強いいやしになります。
また、役所への手続き、買い物等を側面から介護をしている人を支えることも大切です。
介護者が休養をとれるように工夫を
上の兄弟姉妹がいる場合は、時に、短期間でよろしいので介護を交代して、介護をしている方が旅行などに出かけて、休息をとるなどの工夫も大切です。
イライラが募ってくると、「もうつらい」「もうイヤだ」などの思いが積もって、介護者の心をむしばんでいくことがあります。
そのような時は、一時的な交代をすることをして、介護している人を休ませてください。
この場合注意すべきことは、ケアマネージャーなどに交代の旨を伝えて置き、緊急を要する場合など、対応ができるようにすると良いでしょう。
イライラする時は、上記したように誰かに話を聞いてもらうことが大切で、可能であれば、それと併せて休みをとることも準備しておきましょう。
なお、介護をしている人は、「私の義務だから、休めない」と思うことは、自分の心をいよいよ追い詰めてきます。休める可能性があるときは、協力を得て休むことが大切になります。
完全主義に陥らないこと
いつの間にか、完全主義に陥ってしまい、「あれもしなければ」「これもしなければ」などと気持ちが動き始めると、そのようにできない自分は辛い気持ちになっていきます。
時に上手くいかないときもあり、上手くいくときもあり、どちらも大切であり、それを受け入れて、余り思い悩まないことが大切になります。
つらいのは先ばかりが見えて来て、認知症に陥っている人や、介護をしている人の未来が見えない時があります。
そんな時に辛い気持ちになります。上記した家族会や、フォローの体制などを事前に作っておくことが大切です。