認知症 自尊心の傷つき

昨日は良好な人間関係が認知症の薬になる話をしました。

お年寄りの自尊心を損なうことなく、愛情のあるやりとりが大切です。

他者と積極的にコミュニケーションを取ったり、趣味仲間で集まったりすることも大事なことです。

さまざまな人とのやりとりが認知症を予防、または改善をしていきます。

家族におかれては、安心できる人間関係がとても大切になってきます。

人間関係という薬が認知症を遠ざけます。

本日は人間関係を損なう高齢者の自尊心を損なうことについてです。

〇本日のテーマ  
 認知症 自尊心の傷つき

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

高齢者の自尊心を傷付けない

自尊心を奪ういくつかの言葉をあげると次の通りです。

忘れたの? また!
●また、(同じことが)はじまった。
●やらなくていいから。全部やるから。
●あぶないことやめてね。
●汚いね。
●どっみちできないでしよう?
●服を着せてあげるから。
●そんなこともできないの?

これらの言葉は、知らず知らずのうちに、高齢者のかたや、認知症の軽度の人の自尊心を打ち砕いていきます。

自尊心が傷つくと、二度とそのような目に会いたくない思いにとらわれ、自分からの行動を止めたり、言葉を発しなくなります。

場合によって、アバシー(無関心、無気力状態)になったりします。

高齢者になっても、心は「まだできる」と思っている方は多いものです。その心のところに、上のような言葉をかけられると、深い傷つきを経験します。

また、物忘れのこと、間違いをはじめ、作り話や妄想なども、間違いと指摘すると、傷つくことがあります。

高齢者の方の様子を良く見て、自尊心の傷つきを考えながら話をすることが必要です。

自尊心を守る言葉

自尊心の傷つきが続くと、次のように言い始めることがあります。

●なにも悪いことをしてないのに、怒られる。
●よくわからないことで、怒られる。

この発言は、高齢者の方が自分の自尊心を守っていることが現れています。

「自分はなにも悪くない」「自分があまり分からない」と言い、自分を守っているのですね。

これらの言葉が出てきたら、特に注意が必要です。

改めて、自分と高齢者の方の関係を改めて考える必要があるかも知れません。

最善でも、嫌がることがある

例えば、「歩くのは、健康に良いので、散歩しようか?」と散歩を高齢者の方に勧めます。

高齢者の方は「分かった」と言い、散歩にでます。

無事上手く説得できて、良かったと思っても、実は高齢者の方は、その日はあまり散歩をしたくなかったかもしれません。

脳にも良いし、心臓にも良い。理屈では、そう分かっているのですが、理屈どおりにならないことがあります。

高齢者に何か行動を促す時は、よく高齢者の方の顔付きや、態度を見ましょう。

口はそれほど心の中を語りません。それよりも非言語的なもの(言葉でない反応)は、心の中を表すことが多いです。

乗り気でない時は、別の機会をもつのが良いことがあります。

また、なぜ嫌なのかを聞いておくことも、高齢者の方を理解することにつながり、より良い関係づくりにもつかながっていきます。

この

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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