認知症 初期の行動

昨日は認知症を進行させない、または認知症を発症させない場合の栄養素の解説をしました。

タンパク質の量は認知症には、さほど影響がないことが、米国の大学の調査からわかっています。

そこで、脂質、タンパク質、炭水化物の比率を、4:3:3の割合で摂取すると良いとの研究報告があります。

また、砂糖は認知症に悪い影響を与えるとの報告が出ています。

砂糖を控えるようにして、生活習慣病に陥らないことが大切になります。

本日は、認知症のはじめに起こる人の行動についてお話しします。

〇本日のテーマ  

認知症 初期症状

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。

認知症 初期症状  チェック

認知症の出始めのころの症状に関する行動を列挙します。この時に対応ができると、認知症の発症を抑えたり、進行を遅らせたりできます。

ただ、認知症が進むと、周囲の「介護疲れ」を誘う症状が出るようになります(その①)。

こちらも参考になさってください(その②) 以下初期の症状です。

● 簡単な引き算が思うようにできなくなる。財布が小銭でいっぱいになる。

買い物などをした時に、簡単な引き算ができなくなることがあります。

たとえば、510円の物を買う時に、500玉と10円が財布に入っているのに、それが分からなくなり、1000円札を出す。

それを繰り返すと小銭で財布がいっぱいになり、札がなくなる状態になります。

漢字が書けない

自分の中では、パソコンのやりすぎかなと思ったりしますが、徐々に症状が進んだら、さらに書けなくなることが頻発します。

言葉がスムーズに出てこない
言葉がでてこないので、「アレ」「ソレ」などの指示語が多く用いられるようになります。

このようなことは加齢が原因で起こることもありますが、それが進行するということで、徐々にひどくなる様子が見られたら注意です。

相手が何をいっているのか分からない
言語を処理する能力が衰えることで、相手の言うことがまるで、外国語のように聞こえて意味不明なことがあります。

失語症に陥った場合は、「言い間違い」「上手に発音ができない」「文字が分からない」「話しかけられても内容がわからない」状況になります。脳の言語中枢が侵されて起こるものです。

失語症が発症して、焦りが出てイライラとしたり、疎外感を感じたりすることがあります。
また、「りんご」を「茶碗(ちゃわん)」や「皿」など、全然違う言葉に言い間違える錯語(さくご)も見られることがあります。

また、相手の言うことを復唱できない「復唱障害」なども見られます。

約束そのもの、予定そのものを忘れる
普通、「何の約束だったかな?」とか、「何時の待ち合わせだったかな?」というレベルの物忘れになりますが、約束そのもの、予定そのものが、抜け落ちたように忘れます。

なので、約束を破ったと相手が怒っても、「俺は約束をしていないのに、相手に怒られる。相手が悪い」となります。

料理をしているのに、料理をしていること自体を忘れる
自分で料理を作ったのに、「誰が作ったのだろう?」と疑問に思ったりします。

また、料理を作り始めて、ちょっと違うことを考えている間に忘れてしまって、「火をかけっぱなしであぶないなあ。誰だ?」と戸惑うことがあります。

時、場所が分からない
「見当識障害」と言われます。
見当識障害で、自分の置かれてい「時」や「場所」が分からなくなることがあります。                                                                                                         

いつも通っている道、また、の場所が段々とわからなくなってきます。徘徊をして自分がどこにいるかもわからなくなり、時に大騒動になることもあります。

以前解説をしました。こちらをどうぞ。

意味のない同じ行動(常同行動)をする
例えば机を何度も叩くとか、足をバタバタする、新聞や折り込みをビリビリと破り続けたりします。

中には毎日同じ場所にでかけるなどの行動も見られます。

「周りから見て、どう見ても意味のない行動をとりがちになります。大切なポイントは、行動を無理に止めさせないことです。

行動をたずねると、「こうすると安心するから」という答えが返ってくることがあります。急にやめさせることは、心を不安定にさせることがあるので、注意が必要です。

気持ちや興味が違う方向に移っていくと、常同行動がやむ場合があります。

老年期 うつ病

認知症の初期の段階でも、気にする人はうつ状態(うつ病まではいきませんが)に陥る可能性があります。重くなると、老年期うつ病に陥ることもあります。

さまざまな喪失体験(能力を失う、大切な人を失う)などを繰り返していると、老齢期うつ病といわれるものに罹患することがあります。

これも以前お話ししましたが、アルツハイマー型認知症の30%から50%、レビー小体型認知症は60%、血管性認知症は40%発症するといわれます。

あらゆる機会(医師の診察をはじめ、ディサービス、趣味の会等々)を利用して、うつ病に陥ることを食い止めることが大切です。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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