認知症 暴力・暴言

昨日は認知症の人が食事を拒否したり、排泄物を壁に擦り付けたりする不潔行為をお話しました。

さまざまな原因が考えられ、まず、認知症の方に寄り添って、何が起こっているかを知ることが大切でした。

本日は、介護をしている家族や、介護者を悩ませる認知症の方の暴力とか暴言についてです。

この暴力や暴言にもさまざまな原因があり、その原因をまず突き止めて、予防をしなければなりません。

本記事が少しでも、認知症の方と、支える家族や介護の人に資すればと思います。

〇本日のテーマ  
 
認知症 暴力・暴言について

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

認知症の方の暴力・暴言について

恐怖・不安を感じ、混乱している

認知症の方の暴言や暴言の原因を探っていくと、意外と「恐怖」「不安」にたどり着くことが多いです。

見当識があやふやになって、不安なところに、周りの人にいろいろことを言われたり、知らない所に連れていかれたりすると、いよいよ「恐怖」「不安」に駆られます。

それらの要因が続いたり、複数重なると暴言や暴力になることがあります。

逆に言うのであれば、暴言に暴言に至る要素を探し当てて解消できれば、暴言と暴力を抑えることが可能となります。

例えば、体の調子が悪い、認知症の方を伴って病院に行こうとします。

その途中で、認知症の方が突然に怒り出し始めます。介護の方はどうした良いか途方にくれます。

これは、体の調子が悪い時に気持ちが進まないまま、どこかに連れていかれる状況になります。認知症の方は、病院に行くことを忘れる場合があります。

そのようなときに暴力や暴言が起こることがあります。

感情のコントロールがうまくいかない

感情を抑えて、理性的な行動を取るためには、理性の力がなければなりません。

この理性の力が弱まると、感情をコントロールできなくなるのは、認知症の方ばかりでなく、認知症でない人も同様です。

ただ、認知症の方は、理性を司る大脳の前頭葉を損なう場合があります。

大脳の前頭葉が委縮している場合には、理性の力で感情をコントロールすことが難しくなります。

「それは間違いだ」とか、「この怒りはいけないことだ」という理性が働かないのですから、感情の暴走を止めることができません。

周りの人が強い言葉で制止しようとした場合に、いよいよ怒りを感じたりして、暴力に発展することがあります。

一度起こった暴走的な感情を止めることがなかなか難しいです。

プライドが傷つけられている

認知症の人は、自分ができないことや、分からなくなっていることには、とても敏感です。

自分が馬鹿にされたり、のけ者にされたり、ののしられていることを意外とはっきりとわかっています。

「できる?」「大丈夫?」「私がやってあげるから」などの、何気ない言葉が、場合によって、認知症のプライド(自尊心)を傷つけることがあります。

とても傷つきを感じた場合は、強い怒りが出てくることも考えられます。

認知症に陥っている方のプライドを考えながら、ケアを行っていく必要があります。

体調が悪いとき

体調が悪い時も、いつも周りに迷惑をかけていると思っている認知症のかたは、周りに体調が悪いと告げないものです。

その時に、体調が悪いのをずっと我慢していたのですが、ついに我慢できずに怒りとして現れることもあります。

また、例え周りに体調が不調であることを伝えられ、病院に連れていかれる時も、なぜ病院に行くかが理解できないことがあります。

そんな時、「体調が悪いのに寝かせてくれない」と怒りを爆発することがあります。

寄り添いながら、体調が悪いかどうかを考えて上げることは、暴力、暴言を抑える上で大切なことです。

 介護を介護と思っていない場合

寄り添いながらも、原因がなかなか特定できなくて、暴力を受けることあります。

「靴を脱ぎましょう」と靴を脱がせようとしたら、いきなり蹴飛ばされたり、また、平手打ちを受ける場合があります。髪の毛を引っ張られることもあります。

これは、自分が介護を受けていることを分からなくなる場合に、このようなことも起こります。

靴を脱がせる時など、介護をしようとしたとき、認知症の方の表情をよく観察をしてください。

不満そうな顔をしていたり、怒り顔になっていた場合は、特に注意をしてください。

被害妄想に駆られている時

家族や介護者が何もしていないのに、認知症の方が(介護者に)「暴力を振るわれた」とか、「ひどい言葉を懸けられた」と言う場合があります。

これは被害妄想に駆られている場合が多いです。

この場合は、「嘘ばっかり言って!」とか、「そんなことするはずないでしょ!」などと言うと、認知症の方は、プライドを傷つけられた気持ちに、いよいよ暴力や暴言がひどくなります。

記憶障害があまり進んでない認知症の方は、プライドを傷つけられたことをお歩言えていて、介護をしようとすると、「近寄るな!」「どこかに行け!」という言葉を投げかけられます。

被害妄想を受けた場合は、まず、「これからは気を付けますね」と認知症の方の言い分を聞く必要があります。

その上で、気持ちが落ちつたときに、なぜそのような被害妄想のことを言ったかを聞く必要があります。

対応について

まず、暴力を避けて、感情に巻き込まれない

家族や介護者がケガをするなどのことが考えられます。まず、暴力を避けるために、違う人に介護を任せ、距離を取って、暴力を避けてください。

暴力が咲けることができたら、家族や介護者の方の「腹立たしい気持ち」「情けなくなる気持ち」等、認知症の方に抱く感情から立ち直ってください。

そのような感情を持っている間は、認知症の方の感情に巻き込まれている状態です。
それでは、どんどんと関係は悪い方向に言ってしまします。

もう一度注意する点をあげます

上にも少し書きましたが、対応するためには、次のことを留意する必要があります。

●否定をしない。
否定をするといよいよ暴力・暴言がひどくなります。
「だって・・」「でも」の言葉だ毛でも否定ととる認知症の方もいます。

●プライドを傷つけないように注意する
相手を否定することも、プライドを傷つけてことになり、いよいよ怒りが増します。

●本人の気持ちをとりあえず受け止める
家族や介護者を否定するときは、気持ちを受け止めるなど、とってもつらい思いであろうと思います。

それでも、今後の事を考えと、相手の気持ちを考えて、その場を納めるのが大切であろうと思われます。

●認知症の人が置かれている状況を詳しく説明
体の不調から病院に行っている時に、そのことを忘れて怒りを表している場合は、落ち着いたところで、詳しく説明をするのが良いと思われます。

最後に、介護施設等を考えることも一つの手です

認知症が進んで、暴力・暴言が多くなったり、徘徊等が増えると、家族の負担は大変なものになります。

確かに、大切な家族の方を他人に預けるのはつらい思いがあると思います。
ただ、家族が倒れてしまったら全ては元も子もない状況になるとおみます。

その場合、介護施設の利用を考えるのも一つの手です。
ただ、利用と言っても、料金の問題、介護サービスの問題等、さまざまな問題があろうかと思います。

下のサービスにまず相談をしたらどうでしょうか? 
家族も幸せに、認知症の方も幸せな状況をどうしたら良いか、考える切っ掛けになると思います。
相談料は無料です。
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ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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