認知症 書くこと

昨日は、認知症に陥った人の記憶に関して述べました。

記憶には、感覚記憶、短期記憶、長期記憶があります。

アルツハイマー型認知症の方は「記銘力(新しいものを覚える力)の低下」が、まずみられます。

それにともない、長期記憶の中の「エピソード記憶の喪失」がみられ、「記憶の逆行性喪失」が起こります。

エピソード記憶」とは、いつ、どこで、何があったということで、これを喪失します。

「記憶の逆行性喪失」とは、新記憶から、タイムスリップのように、過去へ向かって忘れていきます。

脳の毒だし等をはかりながら、進行を遅らせることが大切になります。

本日は「書くこと」により、記憶を無くすことや、患者のゆれを抑える有用性についてです。

〇本日のテーマ  

認知症  書くこと

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。

認知症 書く

以前終末期に近づいた場合のエンディングノートの書き方を述べました。今回は、普段の生活を記す日記について述べます。

脳科学の分野でも、研究が進んでいて指先を動かすことで脳に刺激を与えることができ、認知症に有効とされます。

手で書くことは、文字が正しいかの確認をし、正しく指先を動かすことから、脳の前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉などの多くの部分を同時に働かせます。

文字を書くことでは、脳を活性化させ、認知症の予防があるとされます。

いろいろな文字を書く方法があると思いますが、日記を付けるのも、1つの方法です。

認知症 リラックス

寝る前に日記を記する行為が、交感神経優位の状態から、副交感神経優位の状態へと変わる「スイッチ」の役割を果たします。

副交感神経は、心身をリラックスした休息状態へ誘うので、寝る前の日記は、リラックスに契機となります。

日記が習慣づけられることで、より「スイッチ」の効果が明確になってきます。

また、1日を振り返ることで、悪い行動を止めるという、自分をコントロールにつながっていきます。

想起トレーニング

日記をつけて、1日の出来事を振り返ることは、想起トレーニングになります。

「想起トレーニング」は、要するに「思い出す」「想起をする」という方法です。

このトレーニングは、認知症予防にも役立つとされている方法で、脳の活性化を促し、老化を防ぐとされています。

以前、アルツハイマー型認知症の記憶について述べました。この想起できない(思い出せない)ことは、深刻な状況を招来します。

日記を書く時、その1日のことを想起しますが、日記を後から見直して、「あの時はこんなことがあったなー」と、思い出すことも想起になります。

また、想起は右利きの人は右脳の働きが必要で、文字を書くのは左脳の働きが必要になります。

ここでも、脳全体を活性化して、活用しています。

日記 習慣化

大切なことは、日記を習慣化して、歯磨きのように、当たり前のことにすることです。

そのためには、頑張らないで、気楽な気持ちで書くことが大切になります。

例えば、分量が多く書かなくても、たとえ一行でも良しとすることが大切です。

認知症の予防には、箇条書きでも良いとの研究報告もあります。

内容 ハッピーエンド

ただ、注意をしなければならないのは、ついつい、嫌なことを書いて、そのまま終わる場合があります。

これだと、何か暗い気持ちになったままですね。

以前「嫌な言葉を使うことが」が認知症を進行させることを述べました。

なので、書き方としては、嫌な言葉を描いたら、それを打ち消すように、ハッピーな言葉を描くのが良いでしょう。

具体的には、次のようです。

①まず初めに嫌なこと
②次にハッピーなこと これを描くことで、⓵の嫌な思いを中和します。③最後に努力したいのこと

できれば音読しよう

以前、音(擬音語など)を有効活用する大切さを述べました。音は意外と認知症予防に効果があります。

逆に難聴など、音を聞くのが難しくなると認知症が進む場合があります。

日記の場合も同様で、書く事で認知症防止の効果をあげるために、書きながら音読をすると、口の機能と耳の機能の2つの機能を活性化させます。

また、自分の書いたものではありながら、スラスラと読めると心地が良いものです。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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