認知症 視空間認知

昨日は歯周病の話をしました。

歯磨きを良くしないなどから、歯垢の中の酸素を嫌う嫌気性細菌が増大し、歯肉に炎症を起こします。歯周病のはじまりです。

この嫌気性細菌と白血球の戦いにより出血が起こり、出血を放っておくと歯垢が歯周ポケットに入り、組織を破壊していきます。

さらに炎症のところから、毒性の物質が歯茎の血管を通して全身をめぐることになります。

これが、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎、さらにはアルツハイマー型認知症を発症させます。

防止するためには、正しい歯磨き、うがい薬の使用、酸性食品を控えること、唾液腺をマッサージして唾液腺を出すことなどを解説しました。

本日は視空間認知についてです

〇本日のテーマ  

高齢者 視空間認知

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。

視空間認知

視空間認知とは

視空間認知とは、視覚の情報の処理の後、空間全体のイメージをつかむ機能です。対象との距離感、文字・形の把握に使用されます。

目から入る映像は、「点」「線」「色」の意味を持たない情報にすぎません。

しかし、一本の横線を見ると「一」であり、二本の場合、「二」であることを認識します。また、紙の地図の情報を見て、自分の位置を把握し、行きたいところに行きます。

これらは視空間認知の働きです。

この視空間認知機能を身につけるためには、物を視覚にとらえて、触れ、足を運び、手を伸ばしたりと、目や体を使用する経験が必要です。

さて、視空間認知は、次の機能に分けられます。

●対象、背景を区分する機能
●色や形を認識する機能
●距離や、方向、大小の同じ形を「同じだ」と認められる機能
●複数の位置関係を把握するためのはたらき

また、視空間認知機能は、機能がうまく働かない場合には、空間が上手くとらえられないことから、記憶や、運動に対して上手くいかないことが考えられます。

例えば、
●探しているものを見つけることができない。
●絵をかいたり、色を塗ることができない。
●人の顔を把握できずに覚えられない。
●本を読んで調べものができにくくなる。
●漢字などをなかなか覚えられない
●図形の形が上手くはあくできない。
●他人の動作をまねしたりするのが苦手

視空間認知機能

視空間認知をして、体を目的物に合わせて動かすには、目と脳と体の動きのチームワークが必要とされます。

視空間認知 知覚

視空間認知には、知覚、特に視覚の働きが重要になってきます。

目の働きには、「追従性眼球運動」「跳躍性眼球運動」「距離感をつかむ両目の働き」の3つが必要とされます。

●追従性眼球運動
本を読んだり、走っている人を目で追いかけたり、ある物を見つめる運動です。

●跳躍性眼球運動
ある点からある点のものを瞬間的にとらえる働きです。遠くの物を見て、急に手元の物を見ることができる。人ごみから友人を見つけるなどです。

●両目を使って、距離感や立体感の把握
両目の距離がある程度離れていることから、この感覚の把握が楽になってきます。

視空間認知 脳

両側頭頂葉を損うと多彩な視空間認知機能障害が現れるといわれています。

脳の働きとしては、「対象と背景を区分すること」「形・色を見分ける働き」「距離や方向などの違いがあっても同じものと見分けること」です。

身体

これは、視覚のはたらきと体の動きを連動させることです。

まず、両眼球で状況をきちんとキャッチします。

視覚は後頭葉で捉えますから、そこで情報をキャッチして、それを脳の各部に伝達して(両側頭頂葉にも情報が流れます)、そこから指令が脊髄を通って指令が手足に流れます。

手足もフレイルなどにより筋力が衰えてると、思った動きができません。

以上のように、眼球、脳、手足の連携が、外部の事に対応するためには必要になります。

視空間認知機能 リハビリ

加齢とともに、視空間認知機能が衰えてきます。それには、常日頃から鍛えるのがよいでしょう。ただし、楽しみながらやるのが良いでしょう。

ジグソーパズル

ジグソーパズルは認知症の予防と進行を遅らせるのに良いとの話をしました。この視空間認知機能もとても良いです。

ジグソーパズルは、絵柄を見て完成を予想し、はめ込む形を考えることは、視空間認知機能をフル活動します。

楽しみながら練習するのに最適です。少しずつピースの数を多くしていってみましょう。

地図を使って目的に行ってみる

地図を見ながら、目的地にいってみるのもよろしいでしょう。
ウオーキングを兼ねて言っているのも良いでしょう。

地図と周りの景色を見比べながら、足を運ぶ。これも視空間認知知機能をフル活動します。

ただ、視空間認知機能が衰えている時は、迷子になったりするので、注意が必要です。
だれか(夫婦とか、友人とか)と一緒に活動すると楽しいかもしれません。

目的地が、おいしい食事をするところだったら、楽しみが増えたりします。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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