
昨日は、認知症の早期の発見の大切さを述べました。
認知症予防にもつながります。
様々な理由から、「もう少し様子をみよう」となると、手遅れになることをお話しました。
ものの名前が出て来ないのが目立ってきた。何度も同じ話をする。物忘れなどが激しくなった。などの症状があった場合は、早めに医師をたずねることをお勧めします。
本日は、医師への受診をする場合の留意点をお話します。
できるだけ、早期に医師の受診をしたう上で、医師との効率的なやり取りが大切になります。
そのためにには、ある程度、認知症に陥った人の情報をまとめておく必要があります。
〇本日のテーマ 認知症 病院
〇記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。
〇読者への前置き
・精神医学と心理学の二方面から人間関係を困難にする状況をゆっくり解説します。

医師への受診について
最初の診察が大切
医者に会うと、本人よりも付き添いの方が、医師に愚痴などを聞いてもらいたくなります。
「本当にどうしたらよいか悩んでいます」「家族みんな途方にくれて」「先生の力で何とかなりませんか」などの言葉を発したくなります。
それはそれで、気持ちは分かりますが、認知症の人が傍(そば)でその話を聞いていたら、「自分は邪魔者なんだ」とか「とってもイヤ場所」とかの認識を持ちます。
すると、その後の受診を嫌がったり、医師の診察を受けたくないと言ったりします。
やはり、今後の事を考えて、付きそう家族の方も冷静になって対応をしてください。
医師に解決を求めても、すぐに解決するものではなく、これから長期に渡って、認知症に陥った方と医師の間に入ってやり取りをしていかねばなりません。
穏やかで明るい、共感を持った付き添いが大切になってきます。
付き添いは誰がするか
付き添いは、配偶者の方、お子様、兄弟の方など、本人の変化を正確に伝えられる人がよいでしょう。
ただ、配偶者の方も高齢になっている場合があるので、その状況に応じて付き添いの方を変えていけばよいと思います。
ただ、あまり大人数で行くと、診察に差し障りがあるので、2・3人に留めるのが良いでしょう。
認知症と診断された時、親族の間で、誰がどのような世話をして、どのような協力をしていくかを話し合う場合は、親族を代表して誰かを付き添いのメンバーに加えると良いでしょう。
予め、医師とのやり取りの取り決めをしておかないと、医師に「心配ばかり質問をする」ことになり、明るい穏やかな面接を維持できなくなります。
介護保険の導入で、専門家の助けを受け入れられるように、家族や親族の負担もぐっと減ってきています。
認知症ケア専門士の相談をも受けられます。
医師の受診だけでなく、介護自体も穏やかなものを実現することが大切です。
医師の受診は次の点をメモ
医師の受診に当たって次の点をまとめておくと、スムーズに受診が進むと思います。
●本人の生年月日
●物忘れ等、どのような経緯をたどって今に至ったか。
○年〇月ころには、物忘れが少し見られたが、〇年〇月ころは、道に迷うようになった。
また、最近は、ゴミの整理ができず、洋服も自分で選べない、等々
●人格が変わってきたか。
怒りっぽくなった、執着が多くなった。また、いつも疑っている等々。
●日常の変化が何かあるか。
最近お金の計算ができなくなった。仕事の計画や準備ができなくなってきている等々。
●落ち込みやイライラがあるか。
●これまでかかった病気はあるか。
糖尿病、高血圧症等々。
●本人の仕事や、歩んできた人生を簡単にまとめておく。
●趣味など。また、本来の本人の性格はどのようなもの。人生観、価値観をまとめて置く
●家族構成