高齢者 動機づけ

昨日は、認知症と腸の関係についてお話ししました。

日和見菌といわれるバクテロイデス菌が腸内細菌の3割以上いる人を調べたところ、45%の人が認知症でなかったとの結果が得られました報告があります。

すなわち善玉の腸内細菌が良く働き、腸内の環境が整えられていると、スッキリと排便等が行われ不快な状況がなくなります。

腸内がスッキリと環境が整えられていないと、イライラから怒りなどが起こり、さらに認知症を悪化させます。

また、せん妄を誘発する原因になると言います。

悪玉の腸内細菌は、高たんぱく、高脂肪を好むので、肉などを食べた場合は、ビフィズス菌などを食するようにするのが良いです。

本日は、承認欲求と認知症です。

〇本日のテーマ  

高齢者 動機づけ

記事の信頼性
記事を書いている私は、心理学分野で博士号を取得しています。

読者への前置き
精神医学と心理学の二方面から人間の様々な心理的な面を述べていきます。

高齢者動機付け

高齢者が好ましい行動をとるために、無意識を利用したり、また、擬音語を利用することを以前述べました。

また、生活の工夫のありかたの一例も示しました。今回はモチベーション(やる気)についてです。

人間は何かをやろうとするときに、モチベーションを上げようとします。
のモチベーションは、またの名前を「動機づけ」と呼びます。

外発的動機づけ

「動機づけ」に「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」があります。

「外発的動機づけ」は、他者からの評価や賞罰など、外からの刺激によってやる気をアップします。

具体的には、「お小遣いがアップする」、「他人の評価が上がる」などの自分の外にやる気の原因があります。

内発的動機づけ

内発的動機づけとは「好奇心や関心」「自分の楽しみ」など、自分の内側の興味や関心、自己実現感などが原因となります。

具体的には、「仕事が楽しいから行う」「ボランティアなど興味が湧くから行う」というもので、他からの評価や賞罰とは無関係で、行為そのものが目的です。

内発的動機づけの行動は、仕事や活動に楽しみや意義を見いだすものです。
また、自分から意欲的に取り組むことで、やりがいや生きがいづくりにもつながります。

高齢者 動機付け支援

老後は高い報酬や、自分の望む名声などの外部からの評価を手に入れる機会が少ないです。

そのために外部的動機づけが、自分のモチベーションを高めるなどがあまりありません。

高齢になっても生き生きと暮らすためには、趣味の活動など、自分の内側からの楽しみを大切にすることが大切です。

内発的動機づけ 外発的動機づけ

ある研究者の報告によると、内発的な動機づけの人のほうが、「周囲から言われたから」などの外発的動機づけよりも高い生きがい感を感じていいるとのことです。

ただ、外発動機づけの行動が興味や関心を誘発し、内発的動機づけによるものに変化する可能性もあります。

例えば、こんな人がいました。退職と同時にマラソンを友人勧められて、初めは付き合いでやっていましたが、そのうちに、面白さを知り、70歳を越えた今でも、レースに出ている人がいます。

早いタイムはそれほど、望めなくても、沿道を走る人の声援を受けると「生きる気力」が湧いてくると言います。

これなどは、外発的動機づけが、内発的動機付けに変化したものです。

マズローの欲求階層説

マズローという人によると人間の欲求は、
第1層を「生理的欲求」
第2層を「安全の欲求」
第3層を「社会的欲求」
第4層を「承認欲求」
頂点の第5層を「自己実現欲求」としました。

これは、順序があり、第1層ができ上り、第2層に進み、第2層ができ上ってから第3層に進むとあります。つまり、下位の層ができないと上の層に進むことができません。

「生理的欲求」は、ご飯を食べたいとか、排便をしたいとか、温かくしたいとかの体を機能を順調に保つものです。
認知症の方の不潔行為は、この「生理的欲求」であると思います。

「安全欲求」とは、安心して時を過ごせるとか、他から自分の存在を脅かされないものです。
転倒防止などは、「安全欲求」に入ってくると思います。

「社会的欲求」とは、家庭、友人、社会から受けいられたいというものです。集団への帰属や愛を求めるものです。

「承認欲求」とは、他から認められたい、承認されたいというものです。
承認欲求から高次の欲求ですが、他に動機づけがあるので、外発的動機付けです。大声を上げるなども承認要求の時があります。

「自己実現」の欲求は、「自己の人生観により『あるべき自分』になりたい欲求」です。
これは、自分の内側から出て来る内発的動機付けです。

上記したように、「自己実現」の欲求まで進むまでは、「生理的欲求」から、「承認欲求」まで満たすようにできてないといけません。

高齢者の方の欲求が今、どの層にあるかを見極めることが大切です。

いつも「排出に関して」「暑さ寒さ」に関しても欲求が多く出された場合は、まず、キチンと第1層である「生理的欲求」が満たされなければ、いけません。

他人に「自分は〇〇しているのだから、認めてほしい」が多い場合は、「承認欲求」の場合が多いです。

その場合は、徐々に「老後の楽しみ」「人生の楽しみ」などの話をしたり、高齢者の方が自分で内発的動機を持てるように、話を進めていくのが良いでしょう。

また、高齢者の方が、今自分のどこに多くの不満があるかを、上のマズローの階層を見ながら考えていくのもよいと思います。

ターボん について

博士(心理学)、公認心理士、臨床心理士 カウンセリングを通して、さまざまな人の悩みの解決にかかわってきました。ブログを通して、様々な心理学の事象に答えていければと思っています。 申し訳ございませんが、時間の関係上、多数の人からのコメントに返答できないので、コメントができないようになっています。よろしくお願いします。
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